野球肩と野球肘(ブログ)〜親と監督と病院が大事〜

野球肩と野球肘(ブログ)〜親と監督と病院が大事〜

 子どもの野球肩と野球肘は、親・監督・病院の3つがそろってないと治すことがで
きません。ここでは暗に監督批判と病院批判を交え、野球少年のために書いてみます。
野球医学の専門家であり野球の指導者であり、野球選手である人物の話です。

Amebaでブログを始めよう!

 

本日のNHKの日本少年野球連盟と慶友整形外科病院の古島先生のニュースをみてブログを久しぶりに書いてみました。


中学野球選手の75%に障害あり


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現在、高校野球における投球数制限問題が議論を呼んでいます。


投げさせるべき/休ませるべき


ここでは従来の議論とは少し違う角度から検討してみたいと思います。



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この問題に少し似たような野球界の問題を


高校野球は坊主にするべき/自由であるべき


練習は毎日するべき/休養を設けるべき


エラーをしたら土下座をして謝るべき/エラーした原因を考えるべき


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これらは時代が解決した問題


練習中に水を飲んではいけない/飲まなければいけない


体罰は失敗をした選手が悪いのだから仕方ない/体罰は何があっても許されない


試合に勝つためだったらサイン盗みもいとわない/フェアプレーが大事



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野球選手の肩や肘の障害に関する専門家は医師。高校野球の投球数制限問題における有識者会議が発足されたのですが、どうして医師の専門家集団に決定をゆだねないのかが不思議です。


原発の健康被害問題に対して電力会社の幹部の方々が医学的な判断を下したら、世の中は黙ってないのに。


高校球児の髪型の問題を医師にゆだねましょうと言っているのではありません。野球肩や野球肘という医学的な問題を医師にゆだねましょうと言っているのです。


大昔の時代、絶対的な権力者がいてなんでも決定していたのだと思います。


戦 (イクサ)をする/しない

大砲を使う/使わない

年貢をたくさん取る/少し取る


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投球数制限問題 有識者会議において


高野連幹部の方々は興行としての判断

監督は試合の勝敗に関する判断

元プロ野球選手は経験からくる主観的な判断

肩書きのある先生方は社会問題としての判断

医師は健康問題の判断


現在はどの問題の判断をしようとしているのか明確にしなければいけないと思います。


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令和という時代に私は無限の可能性を感じています。過去を振り返り、現在を分析し、未来のために前進していきたいですね。


他力本願で申し訳ありませんが

桑田さん、

どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m



南相馬市 出身

森 英利

 

ジョーブ先生のサインボール

直接、来日したときにいただきました
 
 
フランク・ジョーブ博士が考案したトミージョン手術。 

 

1974年、メジャーリーガーだったトミー・ジョン投手が最初の患者だったため、後にトミージョン手術と呼ばれるようになりました。 


医学的には肘の内側側副靭帯再建手術 

 

ナイソクソクフクジンタイ サイケン

このトミージョン手術(肘の内側側副靭帯再建手術)について書いてみます。 


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むずかしい話 その1 

 

トミージョン手術って何?

簡単に説明すると、肘の内側の靭帯が「切れて」しまったのでその靭帯の代わりに他の部位から腱を採取してきて、その腱を靭帯の代わりに移植するという手術です。 

分かりづらい説明になりますが、実際には「切れる」というよりは「機能しなくなる」という方が正解に近いと思います。 

膝の前十字靭帯が切れました→再建しました 
というのはとても分かりやすい構図なのですが、 
 

の内側側副靭帯が切れました
というのは分かりづらく、判断がしづらい靭帯なのです 。


むずかしい話 その2 

どうやって切れてるか切れていないか判断するの? 

一般的にはMRIの画像で判断します。
でもそれがなかなかむずかしいのです。

靭帯損傷の有無をMRIで判断するときは靭帯の輝度で判断します。 
MRIの撮像方法も様々な方法があり、スペシャルな整形外科病院で行なっている感度の高い撮像方法がベストな方法に見えるのですが、この方法やそれに準じた感度の高い撮像方法ができる病院は国内でも数施設しか無いような気がします。 


むずかしい話 その3 

切れていたら手術しなきゃ治らないの? 

答えは「ノー」 

肘の内側側副靭帯が完全に切れていても大活躍しているプロ野球の投手がいます。完全に切れていてもプロ野球の試合に出場している野手もいます。 

もちろん痛みはありません。 

一般の方々は 
靭帯が切れたら痛くて投げられない 
→手術で治せば痛みが取れてまた投げられるようになる 
と考えている方が多いと思います。 

でも実際は痛いか痛くないかは、靭帯が切れているか切れていないかだけではなく、ほかの要素も関係してきます。ですから、切れていたら手術という簡単なものではないのです。 

 

 

 

 

これは10年前だったらトミージョン手術
現在なら手術せず保存療法
かもという肘のMRI写真です

 



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日本最高の投手

甲子園で大活躍した日本最高の投手はプロ野球でも大活躍していたのですが、その頃、肘の靭帯は損傷していたと思われます。でも痛みもなく、普通に試合で活躍できていたので何も肘に対して違和感は感じていませんでした。 

しかし、とある試合でダイビングキャッチを試みたとき肘を打ってしまい、それから思うようなボールが投げられなくなってしまいました。 

その後、トミージョン手術を受けることになります。 
もし試合で肘を強打していなかったら、靭帯が切れていた(部分断裂していた)としても手術はしなくて済んだ/手術を先延ばしすることができた かも知れません。 


日本最高の投手 

日本プロ野球で大活躍し、メジャーリーグでも活躍した投手がいました。 

医者からは靭帯が切れていると言われたのですが、手術をせずに引退まで投げ抜きました。 

引退後の著書で手術に関して、私見を述べています。手術を選択しなかった一流投手の貴重な意見だと思います。 


日本最高の投手 

MLBで二刀流として活躍しているスケールの大きな選手

これから肘関節に痛みが出るたびにメディアに「トミージョン手術の必要性」がジャーナリストの方々の意見として述べられるのだと思います。 

正直、どれも的外れな意見になると思います。なぜなら専門的な医学的知識がないのに、専門的な医学的記事を書いてしまうためです。

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すべての野球選手に

幸運が訪れてほしいので

 

トミージョン手術を病院から勧められたら 
日本最高の整形外科病院へ行ってもう一度、診てもらうことをお勧めします。

手術をするかどうか、現在の主流は靭帯損傷の有無ではなく、総合的な機能を勘案しての判断となっています。トミージョン手術をしなくても大丈夫な肘痛もありますし、しょうがなく手術しなければいけない肘痛もあると思います。 

ただ不要な手術は避けていただきたい。 
もちろん必要な手術は受けていただきたい。 


日本最高のプロ野球選手から軽い相談を受けたので、そのアンサーとしてこのブログを書かせていただきました。 
2018年時点での私の考えとなります。

 

野球肩と野球肘になってしまった場合 
どんな病院・整骨院 接骨院・治療院へ行けばいいのか書いてみます。 

まずはしっかりと診断してもらうことが大事です。 
野球肘だったら 
・内側の野球肘 
・外側の野球肘 
・後ろ側の野球肘 
これらをしっかりと見極めることができる先生に診てもらわなければいけません。 

外側の野球肘に関しては、診断が非常に難しいです。 
ほとんどの先生が見逃してしまいます。 

私は整骨院を16年ぐらい営んでいて、整骨院や接骨院で働いている友人が多いので分かるのですが、整骨院や接骨院の先生はほとんどの先生が外側の野球肘のことが分かりません。 
そもそも外側の野球肘の存在の知識すらありません。 

でもそれってしょうがなく、学生時代に外側の野球肘のことは習いません。そのまま野球肘の専門的なことを何も勉強せず普通に過ごしていたら外側の野球肘のことは一生分からないままだと思います。 

整体院などの治療院に関してはもっと厳しい状況だと思います。 

最後の砦となりうる整形外科。 
野球肘が専門、スポーツが専門の整形外科であれば外側の野球肘はしっかりと診断してもらえると思います。ただ普通の一般整形外科だと見逃されることの方が多いかも知れません。 

外側の野球肘は症例数がとても少ないです。そして普通の野球肘につきものの「痛み」がない場合がわりと多いのです。 
内側と外側の野球肘を合併した場合、ほとんどの先生は内側の野球肘には気付きます。でも重症な方の外側の野球肘を見逃してしまうという場合がかなり多いのです。 

内側の野球肘は2〜3ヶ月で治る場合が多いです。 
外側の野球肘は半年〜1年以上かかる場合が多く、圧倒的に内側より外側の方が重症なのです。 

代表的な外側の野球肘の病名は 
「離断性骨軟骨炎」リダンセイコツナンコツエン 
英語で略すとOCD オーシーディー 

 

 

 

これはのちにOCDで手術をするようになってしまった小学生のレントゲン
 
これは重症タイプのOCD でも経過は最高に良好

 
もし野球肘に関して、OCDという言葉を知らない先生だったら野球肘は診てもらわない方がいいと思います。 

私の感覚的に 
整骨院の先生で離断性骨軟骨炎をしっかりと理解している先生は2%ぐらい。 
離断性骨軟骨炎を治せるという整骨院の先生のことは100%信じない方がいいと思います。OCDは定期的なレントゲンが絶対に必要です。ですから、整形外科で継続して診察してもらう必要があるのです。 

もしそのような整骨院の先生がいたとしたら治せないのに「ガンを治すことができます」と言って、患者さんを騙してお金儲けをしている人がいるのにとても似ている感じがします。 

もうちょっと言わせてもらうとプロ野球のトレーナーも離断性骨軟骨炎の治療のことはあまり知らないと思います。離断性骨軟骨炎はプロ野球選手はならないので知識としてあるかも知れませんが、具体的なことは知らない人の方が多いと思います。 

野球肩と野球肘の話というタイトルでしたが、野球肘(離断性骨軟骨炎)の話だけになってしまいました。次回以降、野球肩の話なども書いていきたいと思います。

 

 

 


無駄なものって世の中、とても多いと思います。
若いときに居酒屋の店主に教えてもらった言葉。
「お兄さん、人生は無駄が大事なんだよ」

おそらく必要な「無駄なもの」はとても多いはず。
でも必要のない「無駄なもの」も多そうな気がします。
その辺の話を今回はしてみたいと思います。

野球界の常識→たくさん練習をすればチームが強くなる!

さてみなさまが信じて疑わない黄金律。
本当にそうなのでしょうか?

おそらく練習時間が長いチームと短いチーム。どちらが強いと思いますか?という質問をしたら多くの人が練習時間が長いチームと答えると思います。人間の頭って理由が説明できるとストレスが少ないのです。逆に理由が説明できないとストレスを感じる。

人間って自然とストレスを回避する方向に思考を進めるようにできていることをみなさまご存知でしょうか?これは脳科学の話になってしまうのですが。


野球のことに話を戻しましょう。長時間練習について。

日本とアメリカの違い。

日本の国技は相撲。アメリカの国技はアメリカンフットボール。
どちらも筋肉が必要。鍛える方法は日本は古典的な方法。アメリカは効率的な筋トレ。ここが一番のポイントかなと私は思っています。

ストレングス&コンディショニング
略してS&C

アメリカはS&Cの発祥の地と言っても過言ではない文化。
日本はS&Cという言葉を知っている人がどれぐらいいるのでしょうか?
S&Cを知ればトレーニングの特性をとてもよく理解できます。逆にS&Cを知らないとトレーニングの本質が理解できない。そして日本の野球指導者の一番の苦手分野がS&C。

プロ野球のトレーニングコーチ。本来であればS&Cの一番の専門家でなければいけない立場の方々。誰に学んできたのか?何を学んできたのか?どれだけ論文を読んで選手にフィードバックしてきたのか?

現状を見ているとS&Cに関してはアメリカと日本の差は鉄砲と日本刀ぐらいの差があるのではないかと思ってしまいます。

いろいろ理由はあるのですが、分かりやすい話としては試合後のポール間走。伝統あるプロ野球チームの二軍選手が試合後にポール間走。タイムを計りながら10本以上。
「科学的に何をどうしたいの?」
「どのパフォーマンスがどのぐらい上がるの?」
「それは野球技術にどう結びつくの?」
誰かこの質問に答えてほしいなぁ。

精神論って大事ですよね。
心が強ければおそらくすべてを超越できるのだと思います。指導者の方々の主張が正しいのだとしたら。
プロ野球の世界で長時間練習をしていた人たち。どれほど試合で活躍したでしょうか?そもそも一軍の試合で活躍できたのでしょうか?
ちなみにこのポール間走のチームは昨年、肉離れを起こす選手が続発したチームでもあります。S&C担当の方々は大変だっただろうと思います。日本の野球界におけるヒエラルキー。いわゆる序列。監督が偉くて次にヘッドコーチが偉くてS&Cコーチは一番偉くないみたいな感じ。
辛い練習を課すS&Cコーチが良いコーチで、楽な練習をさせるS&Cコーチがダメなコーチとみんなが思っている日本の野球界。

練習の質を辛いか楽かで判断してるって、どれほど原始的なのでしょうか?必要な評価はパフォーマンスが上がったかどうかにつきると思うのですが。

鉄砲と日本刀の違いの結果としての現状。
NPBの中軸を打つ外人選手ってMLBの補欠の選手。MLBへ行った最高レベルのNPB内野手って試合に出れないだけではなくメジャーに残るのも大変。さてレベルが高いのはどっち?投手に関しては、レベルの差を感じないというより日本の方がレベルが高いのではと思ったりもします。でも野手に関してはMLBの足元にも及ばない現状。

どう解釈するのか?
WBCで日本は優勝しているからアメリカより日本の方がレベルが高い。バレンティンという選手がホームランの日本新記録。ということはアメリカの方がだいぶレベルが高い。
イチロー選手がアメリカでシーズン最多安打。やっぱり日本の方がレベルが高い。マリアノ リベラという投手がいたからアメリカの方がレベルが高い。

何でもいいのです。その辺のことは。
そういう話ではなくてS&Cの話です。科学的か非科学的か。S&Cの知識レベルに関しては答えは明らかなのです。アメリカの方が科学的でレベルが高い。おそらくこの理由の一つが相撲とアメリカンフットボール。相撲は四股を踏んで柱を叩くテッポウという練習。アメリカンフットボールはバーベルを使ったウエイトトレーニング。
根本的にすべてが違う。そしてこれらが文化。

結論です。

日本はS&Cの全体的なレベルが信じられないぐらい低いです。
つまり正しいトレーニングを理解していない人が多過ぎる。結果として無駄に時間が長い練習が常態化しています。プロ野球、大学野球、高校野球、シニアやボーイズ、リトルリーグまで。もちろん素晴らしいS&Cコーチもいらしゃいます。これから脚光を浴びてほしいし、浴びなきゃいけない。

時間が過ぎて、正しいS&Cの知識を日本の指導者が持てたとき、日本野球の練習時間が適正化されるのだと思います。普通にいったら10年後。下手をしたら20年後。

何年後でもいいです。ただそのときに「あのときダルビッシュ投手が言っていたことが正しかったのだなぁ」と言うより、今、気付いてほしい。

あなたの野球は昔、正しかった野球です。でも現在は時代が変わりました。
あの頃は良かった。大きな声を出して、がむしゃらに頑張っていれば結果が出たし、誰からも何一つ文句も言われなかったから。でも今は少ない練習量で効率的に練習しないと選手が集まらない。野球の研究の他にS&Cの勉強もしなきゃいけないし。

どっちが選手にとって幸せなのか?指導者が楽な野球は何も変わらない野球。昔のままの野球。何もしなくていいのだから。

さて誰のために野球をしているのかみなさんで考えてみましょう。私は選手のために野球をしたいと思っています。未来は私ではなく、選手が作るものだから。選手が最高に輝く野球が私にとって最高に幸せな野球になるのだと思っています。

老いては子に従え。
従いますよー。みなさんに期待していますから。


追伸
2月28日に日本最高のS&Cコーチ2人にお会いできる予定です。今からとても楽しみです(^-^)

そして来年、第5回NSCA国際カンファレンスが1月に日本で開催されます。プロ野球に関係しているトレーニングコーチは全員が参加してほしいなぁ。どの球団の人が来ていてどの球団の人が来てないか大注目してみようと思っています。普通にいったらキャンプの準備で時間に余裕がないから今回は行けないってみんなが言うと思いますが。世界最高のものを学ばないコーチってコーチなのかなぁ?

昨日のコラッセ福島での「野球肘研究会 夏合宿 IN 福島」に引き続き、本日は福島県立医科大学 野球場にて「第1回 野球肘研究会 親睦野球大会」が開催されました。

全国から集まった野球肘のスペシャリストであるドクター、理学療法士、そして三笠製薬のみなさま。そしてそして私。予想を越えてとてもハイレベルで緊迫感のあるしびれる試合となりました。

初めて一緒にプレーするにも関わらず、とても両チームともにチームワークがよく、試合も4-4で延長にもつれ込み10回表に1点勝ち越し。その裏に1点追いつかれと結局5-5の引き分けという、とても緊張感のあるしまった試合で本当に楽しかったです。

ピッチャーのスピードも軟式かつスパイク禁止という条件にも関わらず、かなりの球速。そしてそのピッチャーからフルサイズの球場でエンタイトルツーベースが続出。

内野手のダイビングキャッチ、ノーアウト二塁での進塁打、そしてゲッツー。野球って初めて一緒にプレーする仲間とでもあんなに楽しく試合ができるものだと、あらためて認識することができました。

うちのチームのMVPは7回から10回まで投げ抜いた静岡の先生、10回にタイムリーを打った岡山の先生、10回に内野ゴロをダイビングキャッチしてすぐさま飛び出したランナーをアウトにした京都の先生、そして赤いユニホームで最後までホームを死守した広島の先生。

相手チームも佐賀、山形の先生のナイスバッティング。群馬、茨城の先生のナイスピッチング。アルビレックスのスポンサーだった先生のダンディズムと楽天のユニフォームで打撃と走塁に存在感抜群だった宮城の先生。
 ※間違いがありましたらお許しください

ちなみにホームタウン福島から唯一の出場となった私はオフザプレーで活躍いたしました。試合前後のグランド整備、道具の準備、試合後の銭湯のご案内。ちょっとだけ試合にも出場させてもらったのですが、プロ顔負けの牽制プレーからのRandownプレーでアウトということでお願いいたします ^_^

あんなに楽しい野球はほとんど経験したことがありません。帰りの新幹線でなんであんなに楽しかったのだろうと考えたのですが、分かりませんでした。ただただ最高の余韻だけが残っています。

あらためて高原先生、ありがとうございました。またこれからもずっとずっとよろしくお願いいたします。




秋田での日本整形外科超音波学会へ参加してきました。
テーマは「 学問寛仁 がくもんかんじん ~整形外科診療のパラダイムシフト~ 」。とても素晴らしい学会だったので記事を書かせていただきます。

現在、整形外科領域ではレントゲンよりも超音波診断装置の方が総合的に優れているという認識が広まっています。レントゲンは骨しか写りませんが、超音波は骨も筋肉も靭帯も映ります。そして超音波は炎症反応としての腫れや血流まで映ります。

レントゲンを撮りながら治療することは基本的には不可能です。超音波は簡便に体の中を観察しながら治療することが可能です。骨と筋肉を見ながら注射ができるので、とても精度が高く即効性も高くなります。

そして決定的な違いが、レントゲンは静止画ですが超音波は体の中の軟部組織の動きまで動画として見ることが可能です。筋肉が固まって全然動いてないせいで痛みが起こっているということが超音波で分かる時代になったのです。

「もうレントゲンではなく、超音波診断装置を使いましょう」
これが整形外科領域での《 パラダイムシフト 》です。

さて野球肩と野球肘の話に戻します。この整形外科領域で起こっていることと同じようなことが、これからの野球界に起きてくるでしょう。

今までの子どもたちへの投球フォーム指導。指導者は言葉で伝える人が多かったように思います。「腕を上げろ」「肘が下がってる」「腕をしならせろ」。わりと静止画に近い2次元的な指導が多かったのではないでしょうか。

でもこれからは変わってきます。もう静止画の時代は終わりでこれからは動画の時代になってくるのです。根拠はiPhoneの出現。iPhoneは小学生への野球指導にとても向いているスマートフォンなのです。

なぜiPhoneなのかというと、それはスローモーション動画が撮れるから。※スローモーションは5S以降の機種の機能です

手順は簡単。iPhoneのスローモーションで選手を撮影。あらかじめハイレベル選手のスローモーション動画を撮っておいて、スポーツ動作解析アプリ(コーチズアイなど)で動きを比較。すると一目で選手の動きの特徴や欠点が分かります。それを選手に説明して、選手と一緒に練習で欠点を矯正。それにより一流選手に近い動作を以前より容易に獲得することが可能になりました。実際には選手が新しい技術を身につけるまでは時間がかかるのですが。

このように今まででは考えられなかった3次元の動きでの指導が誰にでもできるようになってきたのです。静止画から動画への転換。

人の特性として若い年代は吸収力が豊富。おそらく基本的な技術は小学生年代までに覚えるのだと思います。いわゆるゴールデンエイジ。この年代の選手に今どきの指導をしてあげれば、ぐんぐん才能は伸びていきます。

少年野球指導での《 パラダイムシフト 》は「言葉だけの指導ではなく、スローモーション動画を使っての投球フォーム指導」。

整形外科領域と少年野球。もう静止画ではなく動画の時代。世の常で、先取りした人が先行者利益を享受するのだと思います。そして好む好まざるに関わらず、時代はそういう風に変わっていくという。

《 パラダイムシフト 》

秋田市に城東整形外科という最高に患者さんが多い整形外科があり、そこに皆川洋至先生がいらっしゃいます。今回の日本整形外科超音波学会の学会長は皆川先生でした。

皆川先生はこれからの日本のために整形外科領域でのパラダイムシフトを推し進めているのだと思います。そして日本だけではなくアジアや世界へパラダイムシフトを広げていこうと取り組んでらっしゃる先生です。

指導者のみなさま。チーム内でパラダイムシフトを進めることが子どもたちの活躍につながり、それがチーム、そして野球界全体の活性化につながっていくのだと思います。

・サッカーやる子が増えて野球をやる選手が少なくなった
・そもそも少子化で子どもが少ない
・今の子どもたちは昔と比べて体力がなく、根性もない

言い訳をずっと言っている指導者より、前向きに考え、進歩していく指導者の下に子どもたちは集まってくるのだと思います。私は少年野球の指導者の方々のために技術指導のコツをブログで提供することができるような気がします。桑田さんが言っていることを要約したりして(笑)

「あそこのチームは最先端の指導をしているみたい。もちろんチームは強くて子どもたちも楽しそう」。みなさまがこんな風に地域の方々に言ってもらいながら、楽しく野球指導ができるよう、いろいろなことをやってみたいと思います。

最後に皆川先生、今回の学会は人生最高の学会となりました。心より御礼申し上げます。ありがとうございました。


昨日、桑田真澄さんの指導者講習会へ行ってきました。そのレポートを書かせていただきます。

明治座から徒歩2分ぐらいのところにあるビルの7階会議室で開催されました。定員30名だったのですが、あの広さなら60名ぐらいまで大丈夫そう。まだ残席はあると思います。

全国の小学生、中学生の指導に関わるすべての方に参加していただきたいと思うぐらいの素晴らしい講習会でした。以下、講習会について書かせていただきます。

今回の指導者講習会はテーマ別に全部で5回の開催予定となっています。月1回ペースです。月1回ペースなのですが、参加しやすいよう平日夜と土曜夕方、同じテーマで2度開催してくださるのでとても参加しやすい日程になっています。

指導者講習会 (桑田真澄 公式HPより)

テーマ
第1回 野球の歴史 <終了>
第2回 コーチング
第3回 キャッチボールと守備
第4回 打撃と走塁
第5回 ピッチング

当初は全部で3回の予定だったのが5回に増えました。そして昨日、実は7回にしようかと思っていますとも桑田さんが言ってました。7回目は東京ドームで実技を行いたいと。

でも東京ドームを借りるのはとても大変なのです。高額である上に、借りれる日程がはっきりしていないので。東京ドームでの実技は別の会場になってもまったく問題がないので、何としても7回目まで開催していただきたいと思います。

さて講習会の内容です。

1番の大きなテーマは
「勝利至上主義から人材育成主義への転換」だと話を聞いていて感じました。桑田さんの考える野球があり、その桑田さんが考える野球を子どもたちへ伝えてくれる同志を増やしたいと。

桑田さんは目の前のマイクを使う必要がない距離のところで2時間、話し続けてくださいました。穏やかな口調で野球の話が語られます。

現在の野球指導者の問題点、高野連の問題点、メジャーリーグの練習方法など。初回のテーマは野球の歴史だったのですが、最後のディスカッションではどうやって桑田さんが甲子園でホームランを打ったのかとか高校野球での投球数制限など内容は多岐にわたりました。

今回、非常に心に残った3つの話です。
(書いても大丈夫ですよね? ※もちろん録音はしていません!)

・勝利至上主義の弊害の話をしつつでもやっぱり勝ちたいよね、勝たなきゃ楽しくないよね。だから勝利とプロセスの2つを大事にします。

・お米とワインを作ることを通して育てることの難しさを学んでいます。育てるには時間と愛情と情熱が必要です。これは子どもたちに対しても一緒ですよね。

・野球は代打や代走が使えるけど、自分の人生には代打も代走もいないんです。

とても濃密な内容。こんなに素晴らしい話を少人数で独占するのはもったいないというか、野球社会の上での大きな損失なのではないかと。野球に携わるすべての方々に参加していただきたい素晴らしい講習会でした。

参加すればきっと野球が楽しくなります。そして子どもたちがもっと野球を好きになります。

桑田さん、ありがとうございました。そしてあと6回、よろしくお願いいたします。

高井戸整骨院 森 英利

連続写真

0.01秒間隔で撮った18枚の写真の合成です。
トップからリリース後まで。

肖像権の関係で誰とは言えないのですが、日本最高の投手です。


投球とは

肩関節のねじり (=外旋ー内旋)

でおこなうのではなく

肘関節の曲げ伸ばし (=屈曲ー伸展)

でおこなうというのが基本です。


よく雑誌に載っている投手の連続写真を見ると肩関節をねじって投げているように見えます。私はずっと勘違いしていました。

昨年の11月にあった肩関節機能研究会で早稲田大学の矢内先生が投球時の肩関節の外旋角度は110°前後(対象はハイレベル投手)であるという研究結果を発表してくださいました。

てっきり私はハイレベル投手は135°~145°ぐらい肩関節を外旋させて投げていると思っていたので目から鱗という感じでした。

どうしても真横からだと肩関節の外旋ー内旋で投げているように見えてしまいます。

野球の動作って基本的に3次元のものです。投球も打撃も。その3次元のものを写真などの2次元のもので理解しようとすること自体無理があるのではと最近よく考えます。そして高校野球の指導をさせてもらっているのですが、言葉だけではなかなか伝わらないという実感を持っています。

今年は投手を正面・一塁側・三塁側からハイスピードカメラで撮影し同時再生の動画を作成しています。そうすると頭の中で整形外科の先生が撮ってくださる3D-CTの写真みたいになりとてもよく投手の動作を分析することができます。

xp-ct
左側がレントゲンで右側が3D-CT 撮った時期がずれているのですが同じ選手のレントゲンと3D-CTです

骨はレントゲンよりも3D-CTの方がよく分かります。
投球動作や打撃動作も2次元ではなく3次元の動作として理解することが重要です。



野球肩と野球肘になってしまう原因はいろいろあるのですが、間違いなく負担の大きな投球フォームはその大きな原因のひとつです。

何が正しい投球フォームかというのはとても難しいのですが、良い投球フォームというのは強いボールを投げることができそしてたくさん投げても痛くならない投球フォームだと思います。

もし肩や肘に痛みをかかえているのであれば、投球フォームが理想的ではない可能性があります。もちろん骨や靭帯、筋肉などが悪いのであればそちらを治すことが優先になりますが。

現在の一番のおすすめはご自分の投球フォームをスマホのスーパースローで撮影してチェックすることです。それをハイレベル選手と比較するととてもよく分かります。

日本プロ野球機構がホームページにプロ野球選手のスーパースロー投球フォームを載せてくれればいいのになぁ。肖像権があるので私が持っている動画を公開するわけにはいかないのです。

NPBがダメでも桑田真澄投手がホームページにご自身の投球フォームをアップしてくださればいいのになぁ。いつかお願いしてみます。





〈 小学生の野球肘について 〉

野球肘になってしまったら、
まず病院へ行ってレントゲンを撮ってもらいましょう。

ただ中には、野球肘を見逃してしまう整形外科の先生がたまに居ます。

レントゲンで異常なし→心配ない
レントゲンで異常あり→心配

これが普通だと思うのですが、野球肘はそんなに簡単ではありません。なぜかと言いますと、レントゲンでは非常に分かりづらい野球肘が存在するからです。

正面

側面


これは同じ指を方向を変えて撮った2枚のレントゲン写真です。(私の指)
上は異常がなさそう。下は完全に折れてる。
レントゲンは撮る方向によって、写る写真はまったく違ってきます。

ここがポイントなのですが、野球肘専門の先生はレントゲンを撮るのが上手。一般の先生はレントゲンの撮り方が普通。

これによって、専門の先生は野球肘を詳細に理解してくださいます。
一般の先生は野球肘を普通に理解してくださいます。

結果、専門の先生は症状が早期の状態でもすぐ見抜いてくださいます。
一般の先生は症状が悪化してから気付くときが時々あるような気がします。

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正直なところ、最も専門である整形外科の先生でも野球肘を見落としてしまうことがあるというのが現状です。すなわち、レントゲンを撮れない整骨院や接骨院、鍼灸、整体治療院では診断精度はまったく話にならないと思います。

こんな現状の中、患者さんはどうしたらいいのか?

最善は整形外科へ行ってください。
そして痛みがなくなるまで投球動作を禁止してください。

病院の先生に野球をしてもいいと言われたから、痛いのを我慢して野球をしました。←これが大きな間違いなのです。

小学生、中学生の野球肘は痛かったら絶対にボールを投げてはいけないのです。ケースによっては野球だけではなく、バスケもとび箱も鉄棒も禁止。

痛みを我慢して野球やほかの運動をしたらほとんどのケースは悪化します。

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良い野球チームと悪い野球チーム(私の主観です)

良い野球チーム→痛い選手は試合に出さない
悪い野球チーム→痛い選手を試合に出す

ぎりぎり9人しかいない野球チームがあったとします。1人ケガをして8人になってしまったから試合ができない。こんなとき、皆さんのチームの監督さんはどうなさいますでしょうか?

1人のために8人に我慢してもらうのか
8人のために1人に我慢してもらうのか

私はただ子どもの将来の可能性をつぶさないで欲しいと願っているだけです。無理をして悪化させて、将来に痛みを持ち越したらかわいそう。

小学生のときの無理が中学生になって出てくるケースもあります。選手は辛い思いをして手術。結局、治るまでにトータルで1年以上かかるときも。

責任は小学生のときに無理をさせた監督さんにあるはずなのに、卒業して会うこともないから、手術をしたなんていう話はまったく知らず。

もちろん初期の野球肘に気付かなかったお医者さんと整骨院の先生も。

あと多いのが病院で試合には出ないでくださいと言われたのにも関わらず、チーム事情を考慮して先生の指示に従わなかった親御さん。

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おそらく子どもの野球肘って、野球に関わるすべての大人が加害者になる可能性があるのだと思います。

そして被害者は子ども。

私は野球って楽しいもので、野球って誰のためのものかと聞かれれば子どものためのものだと思っています。

みんなに楽しんでもらってホームラン打ってもらって、野球の楽しさが大きく広がればいいなぁと野球好きな小学生を見ていて思うようになりました。

ソウヤくん、ヤマトくん、ユウトくん、サスケくん、ユウスケくん、ダイキくん。まだまだ書ききれないたくさんの野球少年たち。これから大活躍してくださいね。

期待してますよー(^_^)

高井戸整骨院 もりひでとし


8月9日(土)に国内最大規模の野球肘学会が山形で開催されます。
オープンな学会です。
背屈

→ 300fpsのハイスピードカメラで撮った動画から切り出した写真です

〈 指導者のみなさま 〉

野球肘になってしまう小学生は上の写真のように手首を過度に手の甲側へ曲げた使い方をしてしまいます。医学的にいうと手関節の背屈。

指導者の方々が「スナップを利かせろ」と指導してしまうと上の写真のような手首の使い方を小学生はしてしまい、結果、野球肘になってしまいます。

YouTubeでプロ野球選手の手首の使い方を確認してみてください。[ 投球フォーム スーパースロー ]で検索してみると参考になる動画が出てくると思います。

「スナップを利かせろ」という指導の弊害。今一度、ご検討の程よろしくお願い致します。


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〈 医療関係者のみなさま 〉

私はあらゆるレベルの選手の投球分析を行ってきましたし、現在も行っています。専門的になりますが、300fps/600fps/1200fpsのハイスピードカメラを使用しています。

まだ論文に価値を持たせるだけのサンプル数に達していないのですが、野球肘になってしまう小学生は手関節の過度な背屈を行っています。

私のところへは年間200人ペースぐらいで野球肩・野球肘の選手に来院していただいているのですが、その傾向は顕著です。

インターネットでハイレベルプレイヤーの投球動作をご確認ください。基本的に手関節の背屈ー掌屈は行われておりません。

上記の小学生野球肘の原因は手関節の過度な背屈ということがもし正しければ、手関節背屈制限の装具で小学生野球肘の予防が可能となります。(OCDではなく、内側障害に対して)

アイデアには価値がなく実際に行動を起こした方にすべての権利があるのだと思います。手関節背屈制限の装具で野球肘の予防。すべての野球少年のために実現できればと考えております。

高井戸整骨院 森 英利

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Q&A ~ブログ読者さまからの質問にお答えします~

Q、リリース時の手関節の過度な背屈が野球肘に繋がる理由を教えてください。

A、手関節を背屈してしまうと肘の内側の筋肉(尺側手根屈筋 シャクソクシュコンクッキン)が過度に肘の内側の骨を引っ張り、そして手関節が掌屈するとき(=もどるとき)にさらに肘の内側の骨に負担がかかってしまうからです。
→結果として内側の野球肘になりやすくなります。

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