JETRO(ジェトロ)の発表している数値によりますと、

2020年現在台湾には約2万4千人の日本人が暮らしているそうです。

 

そして、そのうちの約1万6千人の方は台北圏(新北を含む)で生活しています。

 

現在、感染症蔓延により以前のように台北のあちこちで、日本人を目にすることは減りました。

 

それでも、上記の通りたくさんの日本人が暮らしています。

 

そして、日系企業も商工会に登録している企業だけで500を超えます。

実際には1200社ともそれ以上とも言われております。

 

さて、既に発見されてから2年近く経とうとしている新型肺炎ウィルスの感染蔓延。

 

こちら台湾では今年5月に再蔓延したものの9月現在再び封じ込めまであと一歩というところまで来ております。

 

しかし、残念なことに台湾以外の世界各国では依然猛威を振るっているウィルス。

 

日本も例外ではありません。

 

現在、日本人が台湾へ入国することは大変難しい状況です。

 

2021年5月17日以降、

台湾政府は日本人の台湾居留に必要な新たなVISAの発給を見合わせております。


無論、ビジネス等でビザ免除で日本から台湾へ出張ということも、今は難しい状況です。

 

この状況は、おそらく今後も暫く続く傾向かと思われます。

 

現在、既に台湾へ居住している日本人は日本人で、帰国することは可能ですが、大変容易ではありません。

(体力、費用、時間共に)


さて、今回は台湾に進出している「日本に母体が有る日系企業」で今起こっている様々な実情について取り上げて参ります。

 


「日本に母体が無く、日本人が台湾で創業した日系企業は謂れ、構図、社風が大分異なる企業様もおりますので、今回は除きます。

(日本人が台湾で創業した企業についてはまた別の機会に)


企業たるもの、いかなる時も売上、利益を上げる、生み出すこと無くして存続はありえません。

 

ビジネスで日本から台湾へ出張することが難しいこの時期、以前は日本側の母体企業から責任者が台湾法人のチェックを兼ねて出張も容易でしたが、今はままなりません。


この時期、日本に母体が有る在台日系企業で大変重要になるのが、

台湾におられる駐在社員さんの日本側への「情報発信力と内容」です。

 

話は逸れますが、

私は駐在員さんとは違い、自らの意思で台湾へ渡り、

台湾現地で仕事を探し就職していた、「現地採用」の人間です。

 

しかし、中には現地採用の方でも日系企業にお勤めで、かつ日本側への報告を担ってられる方もいるかと思います。

 

しかし、駐在員さんはやはり台湾にいる『意義』が違います。

駐在員さんは「会社の命を受けて台湾に赴任」したわけです。

大切なのは、単に日本と同様の仕事をこなすことだけでなく、

いかに「現地の方(台湾人)との信頼」を築けるかが重要になります。

コロナ渦において、

台湾現地の方との信頼を得られている駐在員さんがいる企業とそうでない企業。

 

この根本的な違いにより、「日本側への報告内容」が大きく左右されるのです。


時には経営を左右するものにもなります。

感染症蔓延により、国際間移動がままならない今、各企業はネット回線を使い、テレビ電話会議等で日本本部側へ報告しているかと思います。


私は台湾で約2年半、コンサルタント会社にて台湾市場のマーケティングと人材紹介の仕事に携わってきました。

この間、多くの企業様、多くの責任者様とお知り合いになれ、退職した今でも信頼関係は続いております。

 

その経験と、実際に私が目にする実態として、


既に台湾に進出してから何十年、現地社員も大勢おり、役員にも現地台湾人を起用している程、台湾人が活躍している日系企業では、それらの心配は、ほぼありません。

何故ならば、それだけ台湾社会に根ざしており信頼を得られてますし、そもそもそのような企業は、日本本部側にも、過去に海外赴任した前任者(元駐在員さん)がおり、台湾に精通した担当者がおり、中国語での報告も問題ないからです。

また、現在赴任している駐在員さんがあまりにトンチンカンな報告をしていると、前任者などから鋭い指摘が入る事もあります。

 

未だ進出して数年の企業は、上記の様な社内環境に至っていない事、その所以もあり、日本本部側が台湾の社会情勢、実情をうまく把握しきれていない場合も多々あります。

これから何年何十年と台湾社会で商いを続ける為の重要な時期。

一番問題なパターンの企業は「中国語を出来る社員が日本側に全くいない企業」です。 

別の言い方をしますと台湾にいながらも「全て日本語ベースの経営、日本スタンダードを貫いている企業」

です。

それらの企業様はだいたい社内に優秀な日本語能力を持っている台湾人社員がいるパターンが大半です。


売上、利益、経費等数字的な報告は正直誰でも出来ます。

また、語彙力というのもものによったら考えもので、

実は実態をあまり把握していないにも関わらず、あたかもしっかり台湾社会を理解し、うまく運用出来てますという風に日本本部側へ報告する駐在員さんがいる会社が、実は進出が浅い企業程多いのです。

日本本部側は、その実態とかけ離れた語彙力の有る駐在員さんの報告内容を鵜呑みにするしかありません。

 

台湾現地の「生」の情報、つまり社会情勢、他社の傾向、そして自社の現地社員(台湾人)の心のケア。


単純に日本本部側の社命をそのままイエスマンで現地へ導入するばかりでは、やがてその駐在員さんも把握出来ぬところで、とてつもないフラストレーションが生まれます。

気が付いたら、様々な有能な人が辞めていた。

そうなれば、『不可逆的』な経営環境になりかねません。

 


「現地の方(台湾人)との信頼」

これを疎かにしてはやがてその企業は、台湾社会から見放されてしまうでしょう。

 

それらの企業にとって、台湾現地の駐在員さんの報告が全てと言っても過言ではありません。

 

また、残念ながらサービス業を中心に、今後も十分な利益を上げることが難しいと判断し、

既に撤退、これから撤退する企業も少なくないのが現状です。

しかし、営利企業たるもの撤退、規模縮小も必要な事。

 

引き際、(つまりは台湾からの撤退)も定められないまま、赤字を垂れ流し続けてしまうことになります。

 

営利企業たるもの、引き際も重要です。

残念ながら今後も台湾で充分な利益を上げることが難しいならば、

日本本部側へ「撤退を進言」するのも海外駐在員さんの大切な役目です。

 

でなければ、日本本部側の経営まで傾きかねません。

 

今、

日本国内でも政治、企業共に「引き際が悪い人、企業」が益々増えている気がしてなりません。


この1現地採用の人間(私)が偉そうにモノを申しましたが、2021年9月現在、私は各方面でこの引き際を決められない日系企業、現地社員との乖離、金銭面での焦付きが始まっている企業を何社も目の当たりにしてきております。

事実、給与未払い、遅延を被った台湾人、突然解雇通告を受けた非正規雇用(パート)の台湾人を目の当たりにしているのです。

これらの台湾人は全て、『日系企業』に勤めていた方々です。

 

どうか、台湾にあるこれらの日系企業が、これ以上良からぬ既成事実を作り続け、イメージを植え付けない様、


そして、日系企業=台湾社会から信頼を得られるという時代が来ます様に。


既に台湾人の間で年々イメージが低下しつつある『日系企業』


やがて台湾社会から、そして台湾人が日系企業にで働きたいとは思えなくなる要因になりかねません。


少しでも善良な日本人駐在員さん、企業の力でこの難局を乗り越えられることを、願ってやみません。