前回は、
問題文(出題者の言語)を
作業手順(受験者の言語)に翻訳する、
という話でした。
事例Ⅰの問題文を取り上げて説明しましたが、
作業手順に翻訳するという点で最もわかりやすいのは事例Ⅳでしょう。
たとえば、
問題文(出題者の言語)
令和5年度の損益分岐点比率(%)を答えよ。
↓ 翻訳
作業手順(受験者の言語)
① 令和5年度の固定費を算出する。
② 令和5年度の限界利益を算出する。
③ ①÷②×100で令和5年度の損益分岐点比率を算出する。
あとは順に作業するだけです。
この翻訳作業の前提となる知識・技能は、
“損益分岐点比率“という表現を読み取った際、
“固定費÷限界利益“が浮かぶことです。
出題者側からすると、
この前提を満たし、
作業手順に翻訳し、
その通りに作業できるかどうかを試している、
と言えます。
この構図は、
前回の事例Ⅰと同じです。
<問題文>
統合前のA社における①強みと②弱みについて、それぞれ30字以内で述べよ。
↓ 翻訳
<作業手順>
まず、「統合」の内容を把握する。
その記述の中から次の2つを見つける。
①統合に活かす、統合により強化される経営資源
②統合により補強される、あるいは補完される経営資源
上記①②が特定できたら、それぞれ編集する。
問題を確認したとき、
「処理できそう」と浮かぶのは、
このような「翻訳ができそうだという感覚」を持ったときです。
この感覚がわく問題を増やし、
この感覚の精度を高めるには、
実際に過去問等を使って翻訳してみることが欠かせません。
↓ 翻訳すると?