「ミスをして失点」。
これを減らしたい。
ミスやエラーによる失点を“事故“と呼んでいます。
事故から学び、
関連する再発防止策を考え、
実行に移す。
対策はこの積み重ねです。
2次対策は演習が中心になりますからね。
事故から学ぶには、
起きた事故について「詳細に把握する」ことが必要です。
毎年、
事故の再発防止策の検討をお勧めしているわけですが、
“把握すること“が結構難しいようです。
場合によっては、
把握ではなく、
ただの“反省“になってしまうことがあります。
「また勝手な思いつきで解答してしまった」
「おかしいと気づいたのに、修正できなかった」
「印は付けていたのに、解答に含めなかった」
・・・というのは反省です。
「ミス」、「エラー」、「事故」、といった表現は、
どうしても“悪いこと“をイメージさせます。
すると、
「誰のせいだ?」と犯人探しになりやすい。
試験の場合は、
犯人は自分しかないわけですから特定はカンタン。
次は、
「どうしてこんなことしたんだ?」
と問いただすわけです。
そうすると、
「いや、やろうと思ってやったわけじゃなくて、
十分気をつけていたつもりなんだけが、
また、思いつきで解答してしまいました・・・」
と取調室の容疑者のようになってしまいます。
そして、
「もう、2度としません。今度こそ、気をつけます」
となる。
もし、
このような傾向があるなら、次のことを試してみてください。
呼び名を変える。
↓
現在使用している呼び名 新たな呼び名
エラー、ミス → バグ
事故 → 現象
たとえば、
「また勝手な思いつきで解答してしまった」という事故っぽい表現を
↓ 現象として表現する
「また“思いつきで解答する現象“が発生した」
↓ そうすると・・・
「繰り返し発生するということは、
問題処理の手順や判断基準に何らかのバグがあると考えてよいだろう。
まず、
今回発生した状況を詳細に把握してみよう。
これまでに発生した思いつき現象との共通点はなんだろう?
どういう場面、状況で発生しやすいのだろう?
・・・・・・」
こんなふうに、どんどん解析が進む可能性がありますね。
ミス、エラー、事故は、避けたいことですし、
自分がやったことに違いないですが、
自分が意図したわけでも、
意識的に選択したわけでもありません。
ですから、
責めたり・責められたりするのはナンセンスです。
気分が落ち込む上に、
そんなことしても効果的な策につながりませんから最悪です。
そんなことせずに、
自分が行うことを、自然現象のように扱ってみましょう。
きっと、
これまでと違う感覚や気づきが得られるはずです。