TACメソッドは、理屈です。
でも、ルールという面もあります。
ルールは、それができあがった経緯を知ることで納得性が高まります。
(複式簿記なら、複式簿記の歴史を学ぶとよいわけです)
そこで、簡単に経緯を書いておきます。
古い話になります。
2001年にPWC(プライスウォーターハウスクーパーズ)を辞め、
TACの社員講師になりました。
試験制度が変わることになり、次から2次試験を2度不合格になると、
1次からやり直しになる制度であることがわかった時期です。
2次試験対策の位置付けが重要になりました。
その当時、
TAC診断士講座は受験機関の中で一番ではありませんでした。
追いかける立場です。
追いかける立場ですから、当然のこととして、
他の受験機関とのちがいを強調します。
ちがいがなければ、作り出そうとします。
実際、作り出しました。
記述式や論述式、あるいは小論文形式の試験では、
“出題者の意図を捉える”
ことの重要さが強調されます。
診断士の2次は記述式です。
したがって、受験機関は、
“自分たちは出題者の意図もわかっている”
というスタンスを取ります(実際取っていましたし、いまもそうです)。
そこで、それをひっくり返すことを考えました。
“出題者の意図は正確にはわからない試験である”
これを前提に考えました。
それがTACメソッドです。
当初のメソッドの最大のメッセージは、
・ローリスク(できるだけ解答を1つに絞り込まない)
でした。
そのために、
複数の結論候補を選択肢として作り出す必要がありますので
・複数解釈(現在の要求具体化)
を前面に出しました。
これがTACメソッドができた経緯です。
もちろん、このメソッドを作る以外にも、カリキュラムを変えたり、
開講拠点を増やしたり、・・・といろいろなことをやってきました。
また、試験の受験者数も増えるなど、世の中も変化しました。
ですから、
このメソッドとTACが1番になったという因果関係があるということではありません。
ただ、作った動機は、他とちがいを作り出すためであったということです。
事例演習の問題を1つ作れそうです。