『時を駆ける少女』 | Yellow Magic Carnival

Yellow Magic Carnival

don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?

Raymond Thornton Chandler「The Big Sleep」(1939)

『ルパン三世』


2nd seasonが


放映をされていた期間は


1977年から1980年と言う


中々に長期間である為


時折物凄い壮大なスケールの


物語が展開される事があるのだが


今回感想を綴る事に決めた


第91話『時を駆ける少女』も


其の手の部類のお話。


大層曰くありげな雰囲気の


少女を救う為に


ルパン一家が


殆ど「タダ働き」に近いカタチで


ひと肌脱ぐと言う時点で


正直な話、切なさが半端ないのだが


特に切なかった場面は


2500年と言う長い歳月を経て


漸く不老不死の術から解放された


今回のヒロインである


イアンヌが


ルパンに抱きしめられ乍ら


ゆっくりと永遠の眠りにつく場面。


30分アニメと言う制約上


ざっくりとした背景の


説明しかなされなかったものの


彼女は生まれてから眠りにつく迄


自分で何かを選択すると言う事が


叶わない人生だったに違いない。


況してや他人と心を交わすなどと言う事は


ご法度中のご法度だっただろう。


其の様な立場だった彼女が


唯一「自由な立場」で


発言が出来


且つ行動出来た瞬間が


永遠の眠りにつく


間際の事だったとは。


「会うは別れの始まり」とは


ホント良く言ったモンだ。