こんばんは。
高島宏希35歳です。
アラサーを卒業して、昨日からアラフォーの仲間入りを果たしました。
さて、昨日は福井県で初めてのフルマラソン、「ふくい桜マラソン」が開催されました。
私は女子エリートのペースメーカーとして参加しまして、無事役目を終えることができました。
高校生から本格的に陸上部で長距離を初めて、かれこれ20年の月日がたちました。
フルマラソンに関しては2018年から出場を続け6年目になります。
これまで出場したフルマラソンは、福知山、木曽三川、東京、福岡国際、富山、防府読売、大阪。
全て泊まりがけで行かなければいけない県外での開催でした。
近くにフルマラソンを走った経験がある人はほとんどいない。
真剣に走っていると、どこか変な人?扱いされたり、自分は特別みたいな見られ方をしてしまう。
県外にいれば、全く走ったことがなかった人が、走ることで自分を変化させてきたところをなん度も見てきた。
だから福井でもフルマラソンが開催されれば、絶対にみんなもっと走ることを好きになるし、人生を豊かにできる。
そんなことを思いながらずっと開催を待ち侘びていた福井県での開催が昨日実現しました。
ーーーーーー
今回のフルマラソンが自分にとってどういうものであったか。
やっぱり特別だなーって感じてます。
走り終わってからなんだかわからないけど凄く嬉しいような、そうじゃないような、不思議な感覚が続いていました。
それから1日経ってようやく自分の感情に気づいてきました。
ーーーーーー
・自分の挑戦ではないフルマラソン
まず初めに、今回自分自身にとっては挑戦的なマラソンではありませんでした。
ペースメーカーという大役を与えてはもらいましたが、自分の限界に挑戦したり、逆境に打ち勝とうとするような気持ちでは望んでいません。
そのため普段感じている達成感や、緊張感からの解放は特にありませんでした。
そうではあったものの、仕事をやり終えたような達成感とはまた違う、嬉しさや安心感のような感覚が湧き上がってきた。
それがまず初めに感じた違和感。
自分の挑戦ではないフルマラソンに充実感を得ている自分がいる。
不思議!!!
ーーーーーー
・仲間が増えた嬉しい感覚
マラソン前後、職場や家族、SNSで自分の親しい人たちが一気にマラソンについて話をしたり、投稿を上げていくようになりました。
東京マラソンやFUJIのようなビックイベントの時にランナー界隈が湧き上がることはこれまで何度もありました。
ただ今回は自分の周りの人たちほぼ全員です。
どこへ行っても自分にマラソンの話をしてくれます。
ゴール後にはペーサーなのにアナウンスの司会者が福井を代表するランナーとか言ってインタビューをしてくれます。
兄弟や幼馴染、同僚やいつも行ってる美容室のイケメンもみんな走っている。
「なに!この地元感!!!!!」
みんなマラソンを走ったり応援して感動しているーーーー!!!
マラソンは国境を超えたーーーーーー!
みんなマラソンで感動する仲間だーーーー
って嬉しくなりました。
ーーーーーー
・自分が肯定されやすい環境になった安心感
福井県ではこれまで走ることを趣味にしている人は多くありませんでした。
特に冬は寒いし、雪降るし、晴れないという、北陸はランナーにとってとても厳しい環境でもあります。
ただ今年は違いました。
昨年の春から明らかに運動公園の周りを走る人が増え、冬になっても走る人が凄く多かった。
2週間前の急に晴れ間が出た土曜日には、間違いなくこれまでで一番福井の街中を走る人が多い週末となっていました。
そして昨日天気が良かったこともあり、ランナーだけではなく沿道にも多くの福井県民がマラソンの応援で駆けつけてくれていました。
そして走り終わったらみんな「すごい、すごい」と言ってくれます。
これまでは街中を走っているだけでも、チラチラ見られて少し場違い?な感じがしていた。
真夏に走って汗だくで電車に乗ったりすると白い目で見られたりもした。(たぶんこれはこれからも?)
ただ昨日は凄くみんなランナーに注目して、凄く肯定的に捉えていた。
ああこれから僕たちランナーにとっては凄く生きやすい環境になっていくんだろうなー。
そんな安心感を感じさせてくれた経験でした。
ーーーーーー
・寂しさ
さて最後に寂しさについて書きます。
ここにきてネガティヴです。
ちょっと話は変わりますが、皆さんにとって魅力的なランナーってどんなランナーですか?
私にとっての魅力について何人かのランナーとともに紹介します。
①後久さん
福井マラソン会の兄貴的存在!後久さん。
初めての出会いは10くらい前の陸上福井選手権5000mです。
後久さんは陸上未経験者にも関わらず、経験者でも社会人になるとほどんど走らない福井選手権に出場していたのです。
今でこそ2時間40分を切るランナーが福井にも多くいますが、この当時はほとんどいませんでした。
そんな中、私が消防署で夜勤をして、金沢マラソンのゴールシーンを見ていたところ、2時間40分ちょっとでゴールする後久さんの姿を目にしました!
当時私はまだフルマラソンに挑戦したことがなかったこともあり
「後久さんすげーー」ってなりました。
いや、ほんとに。
これって今言ってもあまり伝わらないし、そんなことわかっているけど、当時の僕の周りのニッチな福井ランナー界隈では本当すごいことで、
「俺もマラソンいつか挑戦してみてーーーー」
ってなったこと今でも鮮明に覚えています。
②福井哲也さん
トレイルランナーの福井さん。
昨年の滋賀一周ラウンドトレイル2022(通称シガイチ)という総走行距離438km、累積標高28,300mの壮大なレースの優勝者でもあります。
先日岐阜県に行き、福井さんと練習させていただきました。
福井さんとはそれまでほとんど話をしたことがなく、MJ20というイベントですれ違いざまに2言程度会話したのみでした。
ただ、すごい方だけど多分自分を受け入れてくれそうな余裕というか安心感を感じさせてくれました。
練習をしながら話をしてみると、とても438kmのレースで優勝したとは思えないような優しさを感じ、その中でもあまり他のランナーにはないやんちゃさを感じました。
福井さんは岐阜にずっとお住まいだそうで、練習も一人でやることが多い。
その独特な雰囲気はおそらく岐阜で一人で走りながら磨かれているのかな?
凄くふわっとしているけど、自分の中では絶対そうだ!と思えた。
そんな独特の魅力を感じました。
ーーーーーー
さて話をもどして、ふくい桜マラソンが終わって感じた寂しさについて。
上記2人に対して私が感じていることとして、
「孤独の中で磨かれた魅力」があると思っています。
後久さんの場合、まだ福井でほとんどの人がエリート市民ランナーを目指していなかった頃から、コツコツフルマラソンの練習を続けている。
それが私に感動を与えてくれた。
福井さんの場合も同様、岐阜県というトレランがあまり盛んではない地域で、時には県外に出向き、多くは1人で練習して、それで培った総力で438kmという壮大なレースで優勝してします。
普通だと、フルマラソンとか100マイルで自分のコミニティーで1番になったら満足してします。
だけど孤独だから、そこら辺のネジがはずせてします。
そんな魅力があるのだと思います。
そう言った意味ではこれまでの福井県ってランナーが少ない分孤独な環境は作りやすかったのだと思います。
私は福井のランナーに対して、これまで少なからず上記のような魅力を感じてきました。
ただそれが、今回のふくい桜マラソンで福井県民のマラソン人気に火がついたころで失われていく。
別に全部そうなるわけではないけど、そんなことを思うと少し寂しい気持ちになった。
人間って手に入れたものよりも失われたことに大きい痛みを感じるというじゃないですか。
今回私にとっては絶対プラスになることが多いと思うのですが、それだけでは終わらなかった。
いやーーーなんだかいい感じだなーーーー
って感じた福井県初めてのフルマラソンでした!!
以上おしまい!!!!