NHK大河ドラマ『光る君へ』のここは違うこと
名古屋学院大学の公開講座シティカレッジ『日本史学者と楽しむ「光る君へ」』(全2回)を受講してきました。
同学国際文化学部の曽我良成教授に、最新の研究成果に基づいて平安時代の誤解や番組内での疑問点などをお話ししていただきました。
『光る君へ』の時代考証は教授のお知合いの倉本一宏氏がされている関係で、細部にわたるお話を聴くことができました。
その中で1点「これは違う」と思っておられることがあるとのこと。
番組では公卿が黒装束を着て集まって協議するシーンが出てきますが、これを『陣定(じんのさだめ)』と呼んでいます。
当時公卿による協議の場は3つあったそうで、
1.御前定(ごぜんのさだめ)
清涼殿の天皇の御前で御簾越しに話す形。番組でも何回も出て来るシーンです。
2.殿上定(でんじょうのさだめ)
清涼殿の殿上の間で協議するのですが、「櫛形の窓」から隣の部屋にいる天皇が覗き見することができる状態なので、公卿は意識しながらの会議になる。
番組では次の関白を誰にするか協議しているシーンで一条天皇が覗き見していました。
3.陣定
天皇が立ち寄ることがない「左右近衛府の陣」において、思い思いに意見を言う会議。天皇が居ないので本音トークが炸裂。
番組では道長が「陣定で話し合います」というシーンが何度も出てきて公卿たちが協議するのですが、これは陣定ではなく殿上定が正解とのこと。
倉本氏が考証しているのにおかしいので、何かNHKの意向があったのかもとおしゃっていました。
本音→忖度→奏上となっているところが日本的だなぁ・・・
90分の講義でしたが、やはり専門家の話は聴くべきですね。いろいろと教えていただきました。
最終回の次回は受講者からの質問にお答えいただけるそうです。楽しみだ。
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【昨夜の日本酒】
お客様にいただいた『久保田 萬壽 純米大吟醸』を豚のミョウガ炒めとともにいただきました。
40数年ぶりに飲みましたが、昔感じたただ辛いだけではなく少しまろやかさが残る感じ。自分の味覚が変わったのか?造り方を変えたのか?