日本FP協会と新自由主義
FP(ファイナンシャル・プランナー)とは、お客様の人生上の目標の達成のために財政上の計画(ファイナンシャルプラン)を立案して、その実行を支援しメンテナンスする人です。
しかしそのプランは一様ではありません。FPによって異なるプランが出てきて当然です。
それは「どの金融商品を売ったら自分が儲かるか?」というような判断にも影響されますし、FPがどのような考え方を持ってプランニングするかによっても異なります。
ですからFPにはファイナンシャル・プランの前に、判断の基準となるファイナンシャル・フィロソフィー(哲学)が重要だと思っています。
さてそのFPさんが加入する最大の団体にNPO法人日本FP協会があります。会員約20万6千名で会員数・予算規模で日本最大のNPO法人です。
2004年この団体の理事長に就任したのが加藤寛氏(当時慶応義塾大学教授で、その後千葉商科大学学長に就任されました)です。
当時加藤氏は政府の経済関係の要職に就いておられ、小泉内閣の重要な課題である「民間にできることは民間に」の学問的なベースになった新自由主義の論者として有名でした。
取り巻きには竹中平蔵氏や渡辺喜美氏、塩川正十郎氏などがいました。(協会のイベントでもこの方々がよく挨拶をされていました)
2009年、名古屋で初の「FPフェア」(協会の全国大会)が開催されることになり、私は実行委員として企画を練ることになりました。
本部から「偏った内容のセミナーはしないように」との通達があったので、「そもそも理事長が新自由主義の旗を振っている人で十分偏っているのですから、何を持って偏っていると判断するのか?」と質問したことがあります。
これに対しては「まぁまぁ」ということで、当時の理事からは明確な回答はありませんでした。
何を言いたいかというと、新自由主義であれ共産主義であれ学術的な主張で1つの哲学なわけです。
FPの中には、それぞれを哲学としている人が居てもおかしくありません。堂々と公の場で討論したら良いと思います。
残念ながらその後新自由主義は世界的に退潮してしまいましたが、完全に消滅した訳ではありません。今でも「小さな政府」を求める人はたくさんいます。
当時新自由主義に熱狂した人たちは、今どうしているのでしょうか?
そんなことを知る意味でも、それぞれのFPさんの哲学を確認することが大切だと思います。(別に主義を持てと言っているのではありません)
その哲学に共感してファイナンシャルプランを依頼するというのは、とても大事なことだと思います。
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【昨夜の日本酒】
岐阜県下呂市の天領酒造さんの『純米吟醸原酒 ひだほまれ 55』を、お薦めで飲むことに。『天領』ってただ辛いだけだよねと思って、深く考えずに青森県田子町産の新ニンニク丸焼きを肴に頼みました。
これがよくマッチ。新ニンニクで良く焼いてあるのでホッコリで臭くない。(と自分だけが思っているだけかも)