日本は単一民族国家という勘違い | エスクローおじさんのブログ

日本は単一民族国家という勘違い

先日フジテレビ系列の報道番組を点けたら、「先程東京からお伝えしたニュースの中で『日本は海に囲まれた単一民族国家』という発言がありました。これは大きな誤りでありお詫びして訂正いたします。」とアナウンサーが伝えていました。

 

東京でどのような流れでその発言になっかたはわかりませんが、現代でも日本は単一民族国家と信じている人は相当数いるものと思われます。

 

たまたまいま日経サイエンス2月号(日経サイセンス社刊・1686円)の特集『DNAが語る古代ヤポネシア~縄文人の痕跡を現代人に探る』を読んでいました。

 

昨年話題となった東京大学大学院理学系研究科の渡部裕介氏と大橋順氏の研究、日本の現代人のゲノムから縄文人由来と見られる変異を特定し、現在の都道府県別に「縄文人度合い」を表示した地図が掲載されています。

 

それによると縄文人は1万年近く大陸の人と交配することなかったのですが、稲作をおこなう弥生人が渡来し、直ちに交配した地域と、なかなか交配せず縄文人を貫いていた地域が明確に分かれるというのです。

 

それによると東北地方(茨城県まで)や島根県・鹿児島県が縄文人度合いが高く、福井県から近畿、紀伊半島、四国は薄いとなっています。

 

これは稲作の進行や土器の変遷とも一致しているとのこと。

 

つまり稲作が一気に全土に広まったのではなく、ある地域ではなかなか受け入れられず、じわじわとしか進行しなかったことを裏付けています。

 

しかしその後、大量の渡来人が来日したことで渡来人と縄文人・弥生人が交配し、今の日本人になったものです。

 

したがって日本は海の囲まれてはいるものの、長期間の内に弥生人や渡来人を受け入れてできたということです。

 

私が興味を持ったのは、縄文人度合いが高いとされる地域は、東北=蝦夷・島根県=出雲・鹿児島=隼人や熊襲というように、ヤマト王権が征服していった地域に偏っていることです。

 

おそらく単に交配した訳ではなく、言うことを聞かなかった地域は武力で征服したのでしょう。

 

このように概略を見ただけでも単一民族国家ではないことは明らか。特に右派と言われる方に単一民族国家と主張する人が多いようですが、真の右派なら自分の国の歴史はちゃんと理解しておいてほしいものです。

 

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【昨夜の日本酒】

お客様のハワイ土産で、なぜかチョーヤの梅酒セットをいただきました。ハワイで珍しかったから買ってきたとのこと。重かったでしょうに。でも日本製みたい。