鉄筋コンクリート造の住宅は古くても安全か?
ここのところ鉄筋コンクリート造(RC)の既存(中古)住宅の購入を検討しているお客様からの相談が続きました。
「築年数が古くても木造住宅より頑丈だと思うので、買うならRC造だと思う。」というお声がほとんどです。
その上で購入したい物件が出てきたので、念のため耐震診断をしてほしいという依頼が来ます。
木造住宅の耐震診断は、ほとんどの自治体で補助金が出ますが、RC造住宅には出ません。(マンション一棟には出ることがあります)
また木造の耐震診断と違って、構造計算をしなければならないので20~30万円程度の費用が必要になります。
さらに構造計算をするには設計図書がなければなりません。残念ながら築年数が古い住宅で設計図書が存在しているケースはほとんどありません。
以上3点によってRC造の住宅の耐震診断は難しいということになります。
あとは「RC造だから木造より安全だよね。」という思い込みにすがるしかありません。買うか買わないか・・・バクチですね。
あとこんなケースもありました。
壁式のRC造(壁状のコンクリートを組み立てる工法)の場合、設計図書もそろって構造計算ができる場合、木造や鉄骨造、一般的なRC造と違って件数が少ないので計算ソフトが市販されていないそうです。
構造計算を手計算ですることになり結果が出るまでに2ケ月程度は欲しいと構造設計の先生に言われました。
これでは物件が他で売れてしまいます。
ということで築年が古いRC造住宅の購入では、耐震性を確認することができないケースがほとんどだということをご理解ください。