空き家問題を助長している3つの原因
前回までに空き家が発生する原因を3つを書きましたが、それを助長した3つの要素があります。
1.新ニーズの創造によるミスマッチ
住宅業界に限らず、どんな産業でも「ニーズの創造・喚起」によって売り上げを伸ばします。車だってモデルチェンジをしますね。
住宅産業も絶えず新しいニーズを創造して売り上げを伸ばしました。車なら買い替えれば新ニーズに追いつきますが、住宅はそうはいきません。結局、そのために純和風、入母屋屋根の和室4間続きの家なんて、誰も見向きもしなくなりました。
中古住宅として売ろうと思っても、昔の型の家は売れないのです。これにより建てた住宅は解体するしかなくなりますが、解体しない場合は空き家になります。
2.市場ニーズとは別の節税目的の賃貸住宅の大量供給
所得税・相続税・固定資産税の節税のために、市場ニーズを無視した賃貸住宅が大量に供給され続けました。
また賃貸住宅を建てた人はほとんど経営らしい経営をしないので、市場ニーズに合わず賃料を下げるか空き家にしておくしかなくなったのです。
賃貸住宅の空き家率が持ち家に対して高いのは、この理由にあります。
3.特定地域への人口の偏り
よく「空き家問題は都市部に人口が流入したために地方で発生した。」という人がいますが、はずれではありませんが正解ではありません。
いまや都市部の空き家の方が問題視されており、地方だけの問題ではありません。空き家件数は東京都が最も多い事実もあります。(絶対数が多いので当然ではありますが)
しかし都市部への人口の偏りが、空き家を助長したという点は間違いないと思いますので、助長要因として挙げておきます。
以上3つの助長要因で空き家が急激に増加しました。
では次回は最終回。今後予想されるさらなる助長要因を2つ挙げたいと思います。