予防原則と風評被害 | 高橋みほ オフィシャルブログ「みほの突撃日記」Powered by Ameba

予防原則と風評被害

私は大学生のときに国際法を勉強していましたが、そのとき「予防原則」という言葉は習いませんでしたし、加えて、「環境法」という授業自体ありませんでした。



しかし、近年、国際法、特に国際環境法の分野では「予防原則」はかなり重要なものと理解されています。私が大学院でついた先生が、予防原則について研究をされていらっしゃいましたので、私はこの分野は特に関心があります。



この「予防原則」とは、読んで字の如くですが、重大または回復不能な損害が発生するおそれがある場合に、完全な科学的根拠がなくても、環境の悪化を予防すべきであるという考え方です。



これは、厳密な科学的証拠が得られるのを待っていては、回復不可能な損害が発生し、手遅れになることを防止するためのために主張されたのです。



現在、「風評被害」を防ごうという論調が新聞紙上などでよく見られます。100%安全な物を安全でないと喧伝し、その結果、物が売れないのは完全な風評被害ですが、安全か安全か分からないようなものを避けることは「風評被害」ではありませんよね。「予防原則」に則った行動ともいえます。



生産者の方が、「風評被害」を被っていると言うと、皆さん、何か応援したくなりますよね。しかし、政治家が「風評被害」「風評被害」というとき、本当に「風評被害」なのか、グレーのものを白といいくるめようとしていないか、立ち止まって考えて欲しいのです。そして、是非、「予防原則」という重要な原則を思い出して欲しいものです。





おまけ・・先日、西岡水源地にてどんぐりから二葉が出ている様子を見ることができました。これが立派な木になるにはどの位かかるだろうかと思うと、感慨深いものがあります。



北海道の中心で政策をさけぶ-しいの実