東京都の高校授業料実質無償化に関し、近隣の神奈川県、埼玉県、千葉県が格差の解消求め国に要望活動を実施したニュースを見ての感想です。

地方分権の時代であることから、それぞれの自治体が自主自立した財政基盤を確立し、政策に独自性を発揮することは重要なことだと思っています。

一方、子育て支援政策において過激なチキンレースが勃発しており、これに勝利した自治体だけが生き残れるという歪んだ都市間競争が激化している現状はいかがなものかと感じています。

特に水戸市は県都であり中核市でもあることから、水戸市ばかりではなく、少なくとも県央や県北地域の発展に資するような社会インフラを整備する責任があり、子育て支援政策の一本足打法で行政運営を語ることはできません。

それでも子育て支援を政策の1丁目1番地と位置付け、何とか財源を生み出し、中学生の給食費無償化、小学生は半額、小中新一年生への3万円の入学応援金支給、18歳まで所得制限無しでの医療費助成、放課後学級小学6年生まで希望者全員受入、休日夜間緊急診療所小児科365日体制などを実施しています。

しかし保護者の皆様からは、フルスペックで無償化をしている自治体の事例をあげられ、何で同じことができないのかとお叱りを受けることもしばしばです。

「水戸で子育てしていて、幸せと思ったことは一度もない」とまで言われたこともあります。

最後には「出来ないなら水戸から出て行く」と言われるのが最も辛いところです。

生まれてから高校生までの子育てや教育に係る負担の軽減や無償化など、ベースとなる施策については国が責任を持って実施していただき、日本全国どこの自治体に住んでも、一定レベルで公平に子育てや教育を享受できるサービスを提供していただきたいと願っております。

そして、それ以上のことは各自治体の個性や特徴で施策が展開されるべきではないかと、個人的には感じているところです。

今はベースのところで消耗戦を強いられているのです。

先日も茨城県市長会と町村会合同で、子育てに係る国要望活動を実施いたしました。

異次元の子育て支援策をご期待申し上げます。

そうは言っても国の施策実現はいつになるか分かりませんので、住民に一番近い地方自治体が頑張るしかないです。

私たち基礎自治体はマイクのスイッチを切ることはできませんので。