教育遺産世界遺産登録推進協議会国際シンポジウム「海外から見た近世日本の教育遺産群」が京都市で開催されました。
教育遺産世界遺産登録推進協議会は水戸市、足利市、備前市、日田市で構成されており、共同で教育遺産の世界遺産登録を目指して連携事業を行なっています。
構成資産は水戸市が弘道館と偕楽園、足利市が足利学校、備前市が閑谷学校、日田市が咸宜園と豆田町です。
これまで学術的研究や啓発事業など、様々な事業を継続的に行なってきました。
一方世界遺産登録には、近世教育遺産群の普遍的価値を国際社会において認めていただかなければなりません。
そこで今年度は、これまで研究に携わっていただいた専門家の先生に加え、お二人の海外の専門家をお招きし、国際シンポジウムを開催いたしました。
開催地も世界文化遺産を多数有し、日本の歴史や文化の代表的な発信地である京都といたしました。
約100人の歴史愛好者や研究者の皆様が参加してくださいました。
第1部は、コペンハーゲン大学のマーガレット・メール先生から「海外から見た近世日本の教育遺産群」と題し、ヘリテージモントリオール政策部長のディヌ・ブンバル先生から「世界遺産としての教育遺産〜近世日本の教育遺産群の場合〜」と題し、それぞれの研究分野を中心に基調講演をいただきました。
第2部は、4人の専門家の先生方を加えてパネルディスカッションを実施し、それぞれの立場から近世教育遺産群の世界遺産登録の課題や可能性についてお話をいただきました。
現在、近世日本の教育遺産群の世界遺産登録の動きについては文化庁により「世界遺産暫定一覧表候補の文化遺産(カテゴリーⅠb)」に位置付けされております。
この暫定一覧表候補の再募集があったときには、いつでも応募できるようにしっかりと準備をしておかなければなりません。
単なる申請のための準備ではなく、熟度の高い研究資料を揃えておかなければ暫定一覧表入りは実現できません。
今後とも4市がしっかり連携協力し、専門家の先生方のご意見をいただき、さらには市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、引き続き学術的研究や啓発活動を積極的に展開してまいります。