囲裏窯跡発掘調査現地説明会が実施されました。

囲裏窯は水戸市の中央部、沢渡川左岸の台地上お呼び斜面部に位置しており、沢渡川改修事業に合わせて発掘調査が行われていました。

水戸藩では江戸時代末期に第9代藩主徳川斉昭公によって偕楽園内に七面製陶所が開かれていましたが、囲裏窯も出土遺物や遺跡の立地から、ほぼ同時期の開業と考えられています。

窯跡には平窯跡、連房式登窯跡、掘立柱建物跡の他、縄文時代の陥し穴や奈良時代の竪穴住居跡なども発見されています。

出土した陶器は日常雑品の破片が多いことから、七面製陶所が上級武士や上流階級向けの陶器類を製作していたのに対し、囲裏窯は下級武士や庶民に供給される陶器類を製作していたと考えられています。

囲裏窯跡は、江戸時代末期の水戸藩の生活様式を知る上で貴重な資料となります。

水戸藩における激動の幕末の様子を想像するとワクワク感が高まります。

調査保存にご尽力されている茨城県教育財団関係者の皆様に心から敬意と感謝の意を表します。