長文ですが重要なお知らせを含んでおりますので最後までお読みくださいますようお願い申し上げます。

水戸市においては4月6日(月)より市立小中学校及び義務教育学校(以下学校と言う)を再開いたしますが、このことについて私の想いを述べさせていただきます。
ギリギリまで状況判断をしておりまして、本日(4月4日)市内において新たな感染者が発生しなかったことを受けて、学校再開直前の投稿となりましたことを心からお詫び申し上げます。
現在新型コロナウイルス感染症に対する懸念が広がる中、再開に心配(反対)する声、逆に再開を望む声など賛否両論の声が私のもとへは届いております。
ツイッターなどのSNSでは圧倒的に再開反対の声が上がっています。
一方で学校長会の会議の中では学校や部活の再開を望む声も少なくないと報告を受けています。
臨時休業したときは、圧倒的に休業に反対の声があがり、早く再開してほしいという要望が寄せられましたが、1か月前と現在とでは状況が違いますので、一概に比較はできません。
賛成の方は声をあげないという統計的傾向もあるため保護者の皆様のご意向について、どちらが多いかということも判断に悩むところです。
保護者の不安の声と疫学的知見など専門家のご意見との間で、難しい判断をしなければなりませんでした。
参考までに茨城県内44市町村のうち、「感染拡大要注意市町村」を中心に13の市町村が休校延期を決めています。
水戸市は「感染拡大要注意市町村」ではございません。
なお本文章の投稿後、市内において新たな新型コロナウイルス感染症患者が確認されたり、近隣市町村においても感染拡大が懸念される状況に急変したりなど、大きな変化が発生した場合は、方針が大きく変わることをあらかじめ申し添えます。

【水戸市の感染状況について】
現在の水戸市の新型コロナウイルス感染症の状況ですが、4月1日に20代男性の感染が確認されましたが、濃厚接触者である妻や二人の子についてはPCR検査の結果、陰性が確認されております。
現在患者様は入院しており、ご家族は4月16日まで自宅で健康観察が行われており、水戸市保健所より消毒や清掃の指導も入れたところです。
勤務先にも協力をいただき聞き取りをさせていただいておりますが、社内に濃厚接触者はいらっしゃらないとのことです。
社内の消毒清掃は既に完了しています。
引き続き濃厚接触者を含めた積極的疫学調査を実施しているところです。
未就学児もいらっしゃることから、様々な詮索はご遠慮いただくなど、ご配慮いただければ幸いです。
その後現時点(4月4日18時00分)で水戸市内では新たな感染者は確認されておりません。

【専門家会議の提言について】
現在のところ水戸市は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議おいて提言された「その地域の学校の一斉臨時休業も選択肢として検討すべきものとされている『感染拡大警戒地域』」となっておりません。
ちなみに『感染拡大警戒地域』とは直近1週間の新規感染者数やリンクなしの感染者数が、その一週間前と比較して大幅な増加が確認されているが、オーバーシュートと呼べるほどの状況には至っていない。また直近1週間の帰国者・接触者外来の受信者についても、その1週間前と比較して一定以上の増加基調が確認される地域を指します。
また現時点の知見では、子どもは地域において感染拡大の役割をほとんど果たしてはいないと考えられており、学校においては地域や生活圏ごとのまん延の状況を踏まえていくことが重要であるとの考え方が示されております。
一方、子どもに関する新たな知見が得られた場合は、適宜、学校に関する対応を見直していくとしています。

【学校再開における諸条件及び留意事項について】
専門家会議の提言を踏まえ、本市においても学校再開については数度にわたる水戸市新型コロナウイルス感染症対策本部会議、水戸市学校長会での協議、水戸市保健所からの専門的な助言などプロセスを経て再開の判断をいたしました。
もちろん通常と同様に再開するものではなく、様々な留意点を学校現場に要請しました。
特に集団感染が確認された場に共通する「①換気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる」の3条件が同時に重なった場を避けるなど徹底した感染症対策を実行していただくことなどを条件とした再開であり、学校長会でも確認いたしました。

諸条件及び留意事項については以下の通りです。
1始業式について
4月6日(月)に実施する
◯実施にあたっての留意点
・校内放送を活用するなど各学校において新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めること。

2入学式について
小学校4月7日(火)、中学校4月8日(水)、幼稚園4月8日(木)に実施する
◯実施にあたっての留意点
・新入生、保護者及び教職員で実施することを基本とし、学校の実情において在校生の参加も可能とすること。
・マスク着用かアルコール消毒の励行、会場の椅子の間隔を空けるなど、新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めること。
・風邪のような症状がある方や、37.5度以上の発熱のある方は参加をご遠慮願うこと。
・式典の内容を見直し、時間の短縮に努めること。

3教育活動の再開における留意点について
⑴保健管理等について
・検温などの朝晩のチェックを行い、発熱等の風邪の症状が見られる場合には、登校を控えること(体調チェック表の活用)
・学校では、こまめに窓を開けるなど換気を徹底することとし、室内の気温によっては服装に配慮すること。
・学校再開の準備として、ご家庭において手作りマスク作成に協力をお願いすること。
⑵学習指導について
・3月末までに指導すべき内容の指導を行うことができなかった部分については、新学期始めの1週間で履修すること。
・各教科等の指導においても、感染症対策を講じるとともに、それでもなお感染の可能性が高い一部の実技指導などにおいては、指導の順序の変更等を工夫すること。
⑶学校給食について
・給食当番はもとより、児童生徒全員が食事の前の手洗いを徹底すること。
・給食は飛沫を飛ばさないよう児童生徒が向かい合って食べないようにすること。

4年度初めの学校行事について
・春の遠足、宿泊学習、小学校運動会等の行事については、今後、通常開催、中止・延期、時短・縮小開催等を検討すること。
・PTA総会については水戸市PTA連絡協議会会長から各PTA会長宛自粛を要請しており、今後、各校で検討すること。
・健康診断については、例年6月までの実施としているが、今年度については、水戸市医師会及び水戸市歯科医師会の意見を踏まえ、2学期以降に延期すること。

5部活動について
・密閉、密集、密接を避けることの徹底を図ること。
・活動内容を工夫し、活動時間の短縮に努めること。
・一度に大人数が集まって密集する活動とならないよう配慮すること。
・校庭や体育館、教室等において十分なスペースが確保できない場合は、活動の日程に配慮すること。
・体育館や教室など屋内で実施する活動については、ドアを広く開け、こまめな換気や消毒を行うこと。
・近い距離での会話や発声、高唱を避けて活動すること。
・過度な練習とならないよう練習内容や練習方法などに配慮すること。
・部活動における他校との練習試合、交流等については、当面の間実施しないこと。

【再度の臨時休業について】
もちろん、いかなる状況変化があろうとも学校を続けるという固定的な考えはまったくありません。
本市を含めた近接自治体等における感染拡大等の状況を見極めながら、後手に回ることなく迅速な見直しを行なってまいります。
そのため感染症拡大懸念による再度の臨時休業の検討については、前例に捉われることなく思い切った政治判断を視野に入れております。
私から教育長へ、いつでも臨時休業に入れる準備をしておくことを指示してあります。
また児童生徒や教職員が感染したときの危機管理マニュアルはすでに策定しており、陽性反応確認から臨時休業に至るまでのスキームは役割分担も含めて本部会議で決定しており、学校長会でも確認済みです。

【学校再開に不安(反対)を抱いている保護者様へ】
学校再開について強制的に同調を求めるものではございません。
本市がどのような方針や体制を構築しようとも、現況下においてお子様を通学させることに不安を感じている保護者の方におかれましては遠慮なくご相談ください。
持病等の体調不安や感染症に対する精神的不安を抱えている児童生徒、保護者の方もいらっしゃると思います。
状況を確認させていただき、どうしても休みたい、或いは休ませたいという児童生徒においては出席停止とし、欠席扱いとしない方針とさせていただきます。
個々人の判断を尊重いたしますので遠慮なくお申し付けください。
一方、個別のお休みについては、ご家庭だけに責任を丸投げするものではないかと指摘される方もいらっしゃるかもしれませんが、そのようなことはございません。
教育は関係者全員が責任を共有するものだと考えております。
したがいまして、お休みを選択された児童生徒の学習支援や生活指導についても連絡を取り合ったり、プリントを作成したりするなど、できる限りの配慮をし、学習等に遅れが生じないように努めてまいります。
またそのような児童生徒が差別やいじめを受けることがないよう努めてまいります。
ただこの場合、どうしてもご家庭の協力が必要不可欠となります。
お互いの責任や役割をしっかり共有していきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
また自分の子どものことだけを心配して再開に反対しているのではなく、水戸市すべての児童生徒を心配して休校を要望しているという市民や保護者の方もいらっしゃると思いますが、そのご意見については、前述の通り様々な対策を講じたうえで学校運営を行なってまいりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
なお学校現場は児童生徒の安全管理等が加わっていることから業務量が増えています。
教職員が疲弊することがないよう相談等の時間帯等についてもご配慮いただければ幸いです。
ちなみに本案件については水戸市教育委員会学校保健給食課が担当しています。

今後ともご家庭と学校現場、そして行政がしっかり連携協力し、児童生徒の安全を最優先に衛生的な環境を整え、良好な学校運営に努めてまいります。
賛否両論あることは十分承知いたしておりますが、保護者様をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。

水戸市長 高橋 靖