令和3年12月議会一般質問 【生活道路の交通安全対策】 | 清須市議会議員 高橋てつおオフィシャルブログ Powered by A,meba

令和3年12月議会一般質問 【生活道路の交通安全対策】

 

(質問)

我が国では、交通事故による死者のおよそ半数が身近な道路で発生しており、生活道路における交通安全対策の推進は政府の方針としても喫緊の課題と位置づけられています。

 

令和2年度、愛知県内では交通死亡者数154人。そのうち高齢者80人、うち歩行者38人、自転車21人の方が亡くなっています。

 

本市においても11月16日午後3時40分ごろ、下河原の堤防道路で、散歩に行く途中だった77歳女性が軽乗用車にはねられ死亡するという痛ましい事故が記憶に新しいところです。ここに謹んで哀悼の意を表しご冥福をお祈り申し上げます。

 

数年前にも西枇杷島町内の庄内川堤防道路で交通死亡事故がありました。言うまでもなく本市は堤防道路の多いまちです。二度とこのような事故がないよう堤防道路上の交通安全対策を今まで以上に講じて頂きます事を、この場を借りてお願い申し上げます。

 

さて令和3年3月29日政府決定の第11次交通安全基本計画では「交通事故のない社会を目指して」「人優先の交通安全思想」を基本とし「高齢化が進展しても安全に移動できる社会の構築」を基本理念として掲げ「生活道路における人優先の安全・安心な歩行空間の整備」を推進しているところです。

 

超高齢、少子社会の進展の中ではお年寄りや子ども達が健康的に活動し、安全で安心して暮らせる地域を構築することが、これまで以上に求められています。

 

翻って我が清須市の状況はいかがでしょうか?

高度経済成長以来の自動車優先思想からまちづくりが抜け切れていないのではないか?道路交通網の発展、名古屋大都市圏の一部という利便性の中で生活道路の安全確保は遅れをとってきたのではないか? コロナ渦で気づいた、かけがえなのない日常生活でほっとするような感性を後回しにしてきたのではないのか?と思いがめぐるところです。

 

例をあげますと幹線道路からの抜け道としての生活道路への自動車の流入。しかも速度は30キロ以上で危険。子を持つ親として子ども達を外で遊ばせることに躊躇します。また高齢者が歩いたり、車いす・ベビーカーが通るには穴だらけのガタガタな道路、壊れて危険な道路側溝、消えかかった道路標示、歩行すると体が斜めになる勾配のある歩道、段差、バリアフリーとは言い難くつまづきやすい、それゆえ歩くことを控えてしまう。生活道路を歩いているとそういう場所が目につきます。

 

 

少子高齢社会の真っただ中、そして「安心」で「快適」で「魅力」ある清須市をつくるためにも、身近な生活道路を、歩行や自転車などの簡易な手段で安全かつ自由に移動でき、かつ交通事故が無く、お年寄りから子どもまで元気に生き生きと活動できる、人優先の歩行空間として再構築していくことを、行政と市民が一丸となって真剣に取り組んでいかなければならないと考えます。

 

そこでお尋ねします

 

①本市の生活道路における安全性についての現状認識と把握している課題は何か?

②生活道路の交通安全対策の方針

③方針に基づいたハードとソフト両面の具体策

以上お考えを伺います。

 

 

以下答弁

 

①本市の生活道路における安全性についての現状認識と把握している課題は何か?

(土木課答弁)

生活道路の安全性につきましては、議員のご質問にありましたように幹線道路からの通過交通の抜け道となっており、清須市においては河川を渡る国道や県道に車が集中し、渋滞を避けるために生活道路へ進入すると考えます。このため歩行者や自転車の通行に危険であると認識しています。

 

さらに生活道路での交通死亡事故件数の減少割合は、幹線道路の事故数減少と比べると少ないため、生活道路での安全の一層の確保が重要であります。

 

このため、本来、幹線道路を走行すべき自動車が渋滞を避けるため生活道路へ流入することから、この流入する自動車を防止するよう幹線道路における交通安全対策、交通流の円滑化を進める必要があると考えます。

 

(高橋)

本市の現状として渋滞を避けるため幹線道路からの生活道路への抜け道としての流入が多く歩行者や自転車の通行に危険であるという認識、とのことでした。 そして生活道路への流入防止が課題であるとのことでした。

 

では本市の生活道路は歩行者や自転車にとってどのくらい危険なのでしょうか?特に高齢者 子どもたちの安全は確保されていますか?事故の現況や、把握している危険箇所数はどれくらいあるのでしょうか?

危険箇所の特徴はどんなものがあるのでしょうか?

 

(土木課答弁)

歩行者や自転車の乗車中の死亡者数が全体の約半分を占め、歩行中・自転車乗用中の死者の約半数が自宅から500メートル以内で発生しており、また、75歳以上の高齢者の死亡事故件数が高いとの統計結果あります。これにより十分な安全対策は確保されているとは一般的には言いがたいと考えます。

また清須市での事故発生の状況につきましては、令和2年度は262件の交通事故が発生し死亡事故が2件、この内子供や高齢者の市道での事故は18件発生しています。令和元年度は349件の交通事故が発生しこの内2件の死亡事故が発生し、子供や高齢者の市道での事故は25件になります。

これらの子供や高齢者の事故の詳細は不明であるため、状況を把握することは難しいですが、事故の発生形態から出合い頭の事故が多いため信号機の設置されていない交差点で事故が発生していると考えます。

 

(再質問)

警察からは事故の件数の情報提供はあるが、詳細は不明で状況把握が難しいとのことですが、

どの場所で、どんな事故があったのか?原因は何なのか?市として分析できるような詳細な情報を警察から常に得て状況をまずは把握する必要があると思います。

それは可能ですか?

 

(総務課答弁)

交通事故の発生件数については、県民安全課より前日分を毎日メールにて情報提供いただいておりますが、詳細な情報について、報道発表以外は個々のケース対応となります。交通事故には、不慮の事故だけではなく、犯罪等の事件性のある場合も含まれます。警察の事件捜査に支障をきたしたり、関係遺族への配慮等がございますので、全ての情報を即時に開示することは難しいようですが、収集したい情報を限定すれば一定期間ごとに提供いただくことは可能と思われます。

       

(高橋)

 一定期間ごとであれば事故の発生場所や状況などの限定した情報であれば警察より提供してもらえるとのことでしたが、その情報を基に生活道路での安全対策に利活用するお考えはありませんか。

 

(土木課答弁)

 警察より提供してもらった情報と通学路交通安全プログラムより危険な個所と指摘があった場所を精査して事故原因の分析検討を行いまして、次回開催する通学路交通安全プログラム会議で、交通安全対策の計画策定に活用してまいります。

 

(再質問)

是非お願いします。警察からの交通事故に関する詳細な情報をもとに現状を把握し、分析して対応を探ることが重要だと考えますので、今後も警察との情報共有を緊密にして頂くことをお願いします。また獲得した情報は市民の皆様に対しても定期的に様々な情報媒体を活用してわかりやすく伝達していくことをお願いします。(例えばあま市はマップ上に事故のあった箇所を落とし、詳細な説明をつけた「ヒヤリ・ハットマップ」というものをHPなどで公開しております。)

 

 

②生活道路の交通安全対策の方針

 

(土木課答弁)

交通安全対策の方針につきましては、通学路の安全対策について「清須市通学路交通安全プログラム」を策定し、各学校である生活道路の危険箇所等の報告に基づき、「通学路交通安全プログラム点検」により危険箇所の対策方法を検討し実施しております。具体的には、カラー舗装や防護柵、警戒標識の設置など含め、県道管理者である愛知県や警察署と連携を図りながら適切な対応を探り、安全対策を進めて参りたいと考えております。

 

 

(高橋)

ただいまご紹介頂きました清須市通学路交通安全対策プログラムは平成27年に清須市通学路安全推進会議が策定したものです。このプログラムにのっとり通各小学校が4年に一回のローテーションで通学路の安全を点検し対策をするものです。主体は学校や保護者で意見を集め、通学路の交通安全を検討し、実効的な対応がされていることは承知をしております。

しかしながら 対象が通学路に限られることや、参画するのは学校や保護者に限られております。

 

それゆえ、一度清須市としての交通安全に関する理念、目標、方針などを整理し体系的にまとめてはいかがでしょうか

そして、それを市民の皆様にお示しして、オール清須で共有し、共に交通安全対策に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか?

 

そこでお尋ねしますが、

 

交通安全基本法第26条の交通安全計画策定と第18条の交通安全対策会議を設置する考えはありますか?

(愛知県下54市町中26市町が策定済み)

 

(総務課答弁)

市町村交通安全計画については、努力義務とされているところであり、県内の自治体の約5割が策定しています。当市を含め未策定の市町は、比較的小規模の自治体が多く、必要性が大きくないと判断されているようです。当市においては、交通安全計画に準ずる位置づけとして、年次における交通安全関連事業計画書に基づき実施しております。また、当市は上位計画である愛知県交通安全計画の実行機関である西枇杷島警察署の所在地であり、密なる連携が可能なため、実情に応じた市内交通安全の推進が可能となっています。しかしながら、その必要性については、策定市町から効果等を調査させていただき、今後の参考にさせていただきたいと思います。

 

 

(高橋)

是非先進自治体の策定状況を調査して頂き前向きに策定を検討して頂くことを要望します。それから本市には交通安全推進協議会があります。規則第二条で交通安全対策の計画が掲げられています。

ここでもんで頂ければと思いますが、計画を策定していく為には学識経験者を交えるなど多様なメンバー構成も検討頂くことを要望します。

 

国においても交通安全基本計画は内閣総理大臣が会長を務める中央交通安全対策会議が策定しており、官邸主導により交通安全対策は推進されております。

本市の交通安全推進協議会も永田市長が会長となっておりますので、

今一度市長に交通安全計画を策定することに関してご見解を伺いたいと思います。

 

(永田市長答弁)

交通安全、交通事故防止は本当に大切な施策だと思っております。

ちょうど今月から交通安全県民運動が始まり、昨日清須の交通安全協議会の皆さんが自転車ヘルメットのキャラバンをつくられ、これはおそらく県内でも事例が無い事のようですが、西枇杷島警察署で出発式がありました。警察の皆さん交通安全協会の皆さんのご尽力には感謝しているところでございます。

 さて質問の計画についてですが、今総務課長が答弁しましたが、毎年事業計画をつくって、それに基づき交通安全対策に取り組んでおるところです。

「(法定)交通安全計画」策定につきましては、努力義務ですが、策定している自治体もありますので、しっかりと調査しまして、参考にできるといいかと思っています。

いずれにしましても尊い命が交通事故で亡くなってはなりませんので、しっかりと取り組んでまいります。

 

(髙橋)

永田市長は総務課出身だと存じておりますので、是非とも交通安全対策につきまして市長のリーダーシップを期待しております。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

③方針に基づいたハードとソフト両面の具体策

 

(土木課答弁)

ハード面の対策としましては、通学路交通安全プログラム点検により検討した対策案に基づき対策を実施しています。

また交通安全施設の改良工事により、区画線等の引き直し、道路標示やカーブミラーの設置などを行っています。

自動車の通過速度の速い箇所にイメージハンプを設置することにより、通過速度の抑制を図る安全対策も実施しました。

ソフト面の対策としましては、清須市交通安全協会において、ゼロの日早朝啓発活動や保育園交通安全教室、小学校交通安全教室等を実施し交通安全の啓発を図るとともに、高齢者交通安全教室を開催し交通安全意識の向上に努めています。

また自動車乗車中の交通事故死者の6割以上は主に頭部の損傷が原因のため、ヘルメットを着用することで死者の割合がおおよそ4分の一に低減すると言われていることから自転車乗車用ヘルメットの購入補助も実施しています。

 

(高橋)

ハード対策として通学路の対策や区画線の引き直しやイメージハンプの設置などこれまで実施した対策を述べられました。

 

国の第11次交通安全基本計画では

○ 生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備の具体策として

・最高速度30キロメートル毎時の区域規制「ゾーン30」の整備推進

・ 車両速度の抑制や通過車両の抑制によるエリア対策

・ ビッグデータの活用による潜在的な危険箇所の解消

・ 通学路や未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路における交 通安全を確保するため、関係機関が連携して対策を推進

・ 高齢者、障害者等の安全に資する歩行空間等の整備

とあります。

 

本市の場合 生活道路への通過交通の進入の抑制と速度の抑制、歩行空間の確保が重要かと考えます。そして特に抜け道となるような道路とその進入口への対策として車両通行止め、進入禁止、一方通行、歩行者専用時間の確保などの道路規制に加え、道路標示、ハンプや狭さく、ライジングボラードの設置が効果的と存じます。まずは抜け道とそのエリア進入口の重点的なチェックを行い、必要な対策を講じていくべきかと存じますが ご見解を伺います。

 

また区画線ですが、車両の通行抑制と歩行者空間の十分な確保のため拡幅していくという視点が重要かと存じますが見解を伺います。

 

(土木課答弁)

議員の言われるとおり通過交通の進入抑制や速度の抑制、通過交通の抜け道対策として、ハンプや狭さく、ライジングボードの設置等は、そこを日常的に利用しない区域外の者にとっては有効であると考えますが、一方でその生活道路を日常的に利用する地域住民にとっては毎日の生活に多大なる影響がおよびます。このためそれらの設置に当たっては地域市民のご理解が得られるなどの合意形成が必要なことから、実現可能な地域から計画していくこととなると考えます。

抜け道の進入口の確認につきましては、通学路安全プログラムでの点検で指摘される通過交通の多い道路と重なるところがありますので、安全プログラムで確認をします。

 また、区画線の拡幅につきましては、拡幅することにより視覚的に道路が狭く感じ走行速度が減少すると効果がありますが、反対に路上駐車が増えることも懸念されるため、道路沿線の利用や道路幅員等をふまえ関係機関と調整して進めていきたいと考えます。

 

(高橋)

当然物理デバイス設置には地域住民の合意形成が必要です。合意形成を図るよう是非住民の中に一歩飛び込んで頂きたいと思います。歩行者空間の確保の為の区画線の拡幅について路上駐車が増加することが懸念されるとのことですが、そうだとすれば駐車禁止にすればいいし、そもそも生活道路は歩行者優先の空間という思想を徹底することが重要だと思います。是非 区画線の拡幅は前向きに考えて頂きたいです。

 

続けて質問させて頂きます。

 

ソフト対策では交通安全協会における啓発活動、交通安全教室やヘルメットの購入補助など現在の取り組みを述べられました。

啓発教育で是非お願いしたいのは「人優先の交通安全思想」の普及を徹底して頂きたいです。

また西枇杷島警察では現在交通取り締まりに力を入れていると伺いましたが、

是非、可搬型オービスでの市内の生活道路など狭い道路での取締りを強化するよう要請をお願いしたいと思います。

 

他にもソフト対策としましては先ほども申し上げましたが速度規制、通行規制などの交通規制が効果的です。しかしこれも地域の合意を得ていくことが大変ハードルが高いです。しかし、手をこまねいていても前進しません。

 

国は地域を国道や県道、幹線道路、河川、鉄道などでゾーン区分し、ゾーン内の地域住民が生活道路の安全対策について地域課題を抽出して対策を協議し実施していくことを推進しております。警察庁の「ゾーン30」や国交省の「生活道路対策エリア」の取り組みがありますが

こう行った取り組みの推進に関してのご見解を伺います。

 

(総務課答弁)

地域住民が自分たちの住んでいる地域から交通事故をなくすため、住民一人ひとりの意識が必要であるというご意見に対し、その通りだと思います。しかしながら地域、自治会ごとの考え方や様々な運営の形がありますので、地域主体の自主的な取り組みについて市主導で一律に進めていくということは慎重に考えていく必要があると思います。本市といたしましては、特定の地域からではなく、まず市全体、全市民に対し、交通安全思想の普及を第一に推進しております。ただ、市民の協力なしには運動を展開・発展させることはできないため、自治会、警察、各関係団体と良好な関係を保ち、理解と協力を得ながら、地域住民の声に耳を傾け、どのような手法による交通安全活動がより効果的か意見を聞きながら検討していくことで、効果的な交通安全対策につながると考えています。

 

 

<髙橋要望>

なかなか地域に入っていくことは職員の皆さんは躊躇されますね、生活道路のゾーン対策についても総務課からも慎重なお考えを伺いました。この点は国も強く推奨していますし、技術的援助や財政援助も用意されています。様々な先進事例があるので是非研究して頂きたいと思います。また本市でも古城小学校区でのゾーン30の取り組み、生活道路対策エリアとして4地区登録もあります。しかしこれも取り組みがストップしていますので、今一度継続するのか、再検討するのかも含め取り組みを進めて頂きたい。

 

 

さて最後になりますが、繰り返し申し上げます。

効果的な生活道路対策を進める為には地域住民とのコミュニケーションが何よりも重要です。コミュニケーションできる仕掛けを工夫しましょう。コミュニケーションの為に情報を発信しましょう。情報を発信すれば必ず反応があります。そして住民と行政の適度な間合いを模索しましょう。もちろん市の押し付けでもダメだし、住民に全部お任せの放任放置でもダメだと思います。住民と情報を共有しながら、意見をぶつけあいながら、共感できる点を模索しながら進めていかなければならないと思います。

 

住民にも気のある方は自ら交通安全対策を講じられている例も市内で散見されます。例えば飛び出し防止の注意喚起看板を掲げる方、ミラーを設置する方、自前のオービスを設置する動きもあるという話も伺っております。そういった住民との連携も是非進めて頂きたい。パワーがいります、骨がおれます。しかし効果的な生活道路の交通安全対策はその道しかないと思います。

 

是非行政もその点一歩踏み出すことを前向きに考えて頂いて、地域住民と共に前向きに一緒になって安全な地域づくりができることを祈っております。私も協力しますので是非頑張って頂くことをお願いして質問を終えます。