第三者委員会報告書と特別委員会解散 | 清須市議会議員 高橋てつおオフィシャルブログ Powered by A,meba

第三者委員会報告書と特別委員会解散

本日13:30より
第4回 大河ドラマ館事業精査・検証特別委員会が開催されました。
「清須市職員の不祥事における第三者委員会」が25日に市長に
提出した報告書がメインテーマでした。

清須市HPにもすでにUPされております。是非ご覧ください。
http://www.city.kiyosu.aichi.jp/topics_futekiseikeiri/index_houkoku.html
清須市の清洲城隣りに大河ドラマ館が建設され、平成23年3月20日から11月30日まで開催された大河ドラマ館事業で、未払い金が発生した問題について調査を進めてきた第三者委員会〔委員長=杦田(すぎた)勝彦弁護士始め3人〕による調査報告書がまとまり、2月25日に加藤静治市長へ提出されました。今後は、この報告書を基に、二度とこのようなことが起こらないように対策を講じ、再発防止に努めてまいります。市民の皆様には、改めて深くお詫び申し上げます。(清須市HPより引用2月27日)


以下少し補足説明を。。。

≪第三者委員会の調査≫

◎11月21日より2月25日まで6回の第三者委員会が開催されており
 一回当たり約2時間、のべ10時間くらいの調査
◎調査資料は59点

◎ 関係者の聞き取り調査は 柴田企画部長、葛谷企画部次長、
  飯田元企画政策課長の3名。中日新聞社に対してはしていないとのこと

◎委員は 石原総合法律事務所 杦田(すぎた)勝彦 弁護士
     内藤公認会計事務所 内藤昭治 公認会計士
     キリンビール㈱名古屋工場 宮川昌一 副工場長の3名 


≪報告書の特徴≫

◎名称:大河ドラマ「江」清須市推進協議会における
 未払い金発生問題調査報告書
◎全26ページ

◎「不祥事」という用語は前提として使用せず
 「未払金発生問題」とした(8ページ)


≪要約≫

1、未払金発生問題における問題点。

◎見込み収入の大部分を占める入場料収入についての十分な検討が
 なされていない。
◎PDCAサイクルを意識せず不十分な企画でスタートしたことが問題
◎市民の代表者を集めただけの推進協議会が収支事業を担うのは不適切。
◎以上の点から赤字リスクが当初より内包されている。
◎赤字の最大の原因は入場者数が目標より大幅に少なかったこと。
◎追加事業などの支出自体は不適切ではない
◎予算の積算根拠が不十分で予算作成過程自体に大きな問題があった。
◎事業主体の組織能力の不備と事務局長への権限集中。チェック不能。
◎契約書・発注書が存在せず、すべて口頭発注は問題、
 一般論として考えられない。
◎上記については事務局長の責任と
 チェックを怠った推進協議会の責任を指摘。
◎電子メールの記録など消去あるいはサーバー容量不足で
 中日新聞とのやりとりが残っていない。
 エビデンスとしての記録の保存方法に大きな問題があった。

2、事務局長の責任

◎清須越四百年事業の未払い3150万円を未報告のまま
 大河ドラマ館事業の予算で流用したこと
◎書面による契約を交わさずに予算額以上の事業について
 口頭発注を繰り返したこと
◎開館中も「収支は最終的に合うという」議会答弁、
 上司にも繰り返し予算内で事業は行われるなどの虚偽の報告。
 推進協議会に報告せず放置していたこと。
◎1億1千500万円の中日新聞社に対する未払金を隠していたこと。
※その上で聴収した限りでは私利私欲のための行為は無いと判断。
※十分な組織作りと運営が行われないまま全ての役割を事務局長が担い、
 自分の発言が原因とは言え、赤字が許されない状況に追い込まれたものの
 責任追及のみに終始することはあってはならないと考えるという指摘。

◎部下である他の事務局職員は事務局長から相談や詳細な
 連絡報告を全く受けておらず、指示どおり事業運営を進めていた
 立場に過ぎないので責任を問うのは適切ではない。

3、総括

◎事業主体や事業運営のあり方が「大河ドラマ館事業」に
 おける最大の問題であり、未払金発生問題の最大の原因
◎赤字額が大きかったことが事務局長の責任とはいい難く、責任は限定的。


★この他 今後の再発防止策や市の関与の適正化については割愛します。


(私の感想)
私たちが特別委員会で行ってきた以上の目新しい指摘はありませんが
推進協議会に対しては厳しい指摘も見られます。
また調査の範囲が中日新聞社を対象していない等限定的になっております。
これは時間的予算的な問題もあったかもしれないとも思っております。
しかし前提として未払金発生問題と限定したためか推進協議会や事務局長の
責任については触れられているものの、事業を立ち上げ、推進協議会を
招集し事務局長を任命した市長はじめ上司の責任、当初の事業スタートに
対して決をとった議会の責任(この点の私たちのケジメも課題です)
には触れられておらず、「犯人捜し」が調査の目的ではないという
企画部長の言葉に表されているのか、本質的な責任の所在については
不明瞭な表現の印象でした。第三者委員の皆様大変お疲れ様でございます。


★★★★★

さて本日の第4回特別委員会は冒頭市長より発言があり、
この報告書の説明が企画部長からあったのち質疑応答になりました。

私からはこの報告書が提出された今、市長はこの報告書をどう受け止め
市民から失われた信頼を回復していくために、
また市政が前に進んでいくために
どう責任(ケジメ)を果たしていくのか? 
また今こそ市民の面前に立ち不祥事の総括的報告
(市民報告会あるいは記者会見)
をされるお考えは無いのかと尋ねました。

しかし市長はすでに3か月30パーセント減給により管理責任を果たしている。
責任は再発防止策を講じていくことで果たす。
報告はインターネットHPと広報でされるというお考えだそうです。

他の委員からも様々な意見が出されました。
しかし午後3時10分頃
第三者委員会の報告書が提出されたこと、
当委員会も所期の目的(400年事業、大河ドラマ館事業の精査・検証)
も達成されたということを理由に八木委員長より委員会解散の提案がなされ、
是非が問われたところ賛成多数により本委員会は解散することとなりました。

今事件の全容をいまだ住民の皆様の前に
明らかにすることができないこと、
十分なる説明責任が果たせずにいること
清須議会民主政治における多数決原理の前では
私が無力な存在であったことについて
深くお詫び申し上げるものです。