起業シリーズです。
小さいころに「ボクはしょうらい しゃちょうになって おおがねもちになるんだい!」
なんて言っていた方もいらっしゃるかもしれませんが、
本当のところはどうなのかをお伝えします。
では、いつもの様に結論から。
「経営者は儲かりません。」
以上!!
…つまりですね。
日本の会社法や商法というのはよく出来ていて、
会社を私物化できないようになっているんですよ。
まず給料ですが、これは年に1回しか変更できません。
「今月は少なめ」「来月は多め」なんて事が許されると利益操作となり、
国税からガッツリしぼられます。
変えるためには、きちんとした手続きが必要です。
株主総会を開き、議事録を作成し、それらを税務署及び職安に届ける必要があります。
どんなに会社口座にお金があろうが、一度決めた報酬に関しては
その期中に変更することは原則できないのです。
「そんなの俺が社長なんだから勝手にやらせろよ!」と言いたくなるのはわかりますが、ダメです。
ちなみに、それをやりたいなら、フリーランスなら可能だと思います。
現行法では経営者(代表取締役)というのは、会社のために生きるようになっていて、
会社から守られる様な仕組みはほとんど存在しません。
*逆に、雇用される正社員の方々にとっては、「社員を守る」仕組みになっています。
あ。
あとボーナスはありません。
役員賞与というのは「損金不算入」という扱いになります。
つまり、経費として扱われないため「課税対象」という事です。
それでも良いというなら役員賞与は支払えるのですが、そんな事を行う経営者はいないでしょう。
しかも、それで得た賞与にも所得税が課せられるという・・・。
「では、最初から高めに設定しておけばいいんだ!」と考えるわけですが、
売り上げも大してないのに、高めの役員報酬を設定すると、
会社の口座からあっという間にお金がなくなります。
そうすると「未払い金」という会社の負債(借金)に計上することになります。
経営者の役員報酬によって、会社の借金を増やすという、ワケのわからない事になります。
それでも強引にやろうとすると、当然「査察対象」となり、
税務署からのお叱りもしくは罰則が発生します。
ちなみに、税務署は怖いですよ。
国家権力の下、徹底的に調査と取り立てを行いますから。
昔、ある零細企業の社長が所得隠ぺいを行って査察を受けたのを目の当りにした事があります。
当然、追徴課税を受けたのですが、支払をだましだまし逃げていたら、
徹底的に取り立てられたそうです。
(麻雀やって朝方帰ってきたら、家の前に税務署員がいて、その日に勝ったお金を全部持ってかれたとか)
これらに加え、接待費や交際費などにも細かい縛りがいくつもあり、
「経営者の私的利用」をすると損をするようになっています。
ですから、「経営者は儲からない」のです。
ちなみに、巨万の富を得ている経営者もたくさんいらっしゃいますが、
そういった方々だって、同じ条件の下で経営をされているわけです。
年収が億の単位の方は、自分の会社の利益が数百億円単位なので捻出できるというわけです。
ですから、社長になったからといってお金は儲かりません。
意外と知らない方も多いようですので、ご参考になれば。
*ちなみにお金を手っ取り早く稼ぐなら、個人事業主が一番いいですよ。