ジジイの英語から「京大英作文」への道(8)
自分で京都大学を7回実験しただけでなく、京大受験生の指導を10年も続けると「どういう英語を書く子が京都大学に合格できるか」がよりハッキリと見えてきた。
多くの受験生の方は誤解されている。「どうだ、こんな構文(熟語、単語)を知っているぞ!」とアピールするつもりで、ほとんど使われていない古臭い言い回しの英作文を作る方が多い。こういう受験生は、受験が加点法だと信じている。
しかし、受験は加点法ではなく減点法だ。たとえば、
「失敗して初めて彼の気持ちがわかった」
という英作文があるとする。多くの受験生は
It wasn't until I filed that I knew his feelings. (受験英語)
どの受験用の参考書にも書いてある有名熟語だからです。私が受験生だった40年前から何も変わっていない。これをAI(DeepL)に翻訳させると
It was only when I failed that I understood how he felt.(資格英語)
かなり改善されましたが、ネイティブはこう言わないと思う。私なら
I knew his feelings only after I failed. (ネイティブ英語)
こういうことを書くと、すぐに「お前は not until の構文を知らないのか」「有名予備校の講師はそんなシンプルな構文を勧めなかった」と批判が集まるので、反論されたら「そうですね」としか言わない。
どうせ言っても分かってもらえないし、そういう受験生には落ちてほしい。受験はイス取りゲームだから私の塾生以外の方には落ちてもらいたい。少しでも自分の塾生が合格する確率が増す。「オレ様はこんな構文を知っているぜぃ」と思いたいなら思えばいい。
ジジイの英語なのにね。二次試験では高く評価されないよ。
現実に「京都大学医学部医学科」に合格した3名の答案はというと、私のようなシンプルな英語に加え「三単現の s、単数・複数の区別、時制の一致、冠詞の使用法」など基本事項はきっちり間違えなかった。
ところが、そういう現実を私が口にすると「そんなことは分かっている!」と逆ギレする人もいるわけです。そういうミスで減点されて落ちるのに、評価されない構文の暗記に必死になっている。
そりゃ、落ちるわな。