小説 4! | 高木豊オフィシャルブログ「感動の裏には努力が存在する!」Powered by Ameba

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今年の仕事始めは、7日からと遅かった。
休みを利用し、伊勢先生のところにも何度か通う事が出来、随分良くなってるように感じる。
「お~ぃ、行ってくるぞ」
「はいはい、行ってらっしゃいませ、仕事始めですね」
「今年も、頑張って下さい」
会社までは、バスと徒歩で通勤している。
車を使っても良いのだが、健康の為を思って、もう10年近く同じ方法で通っている。
バスの席に座れたとしても、決して甘える事無く、立ったまま会社に向かう意志の強さがあった。
しかし、「今年からは座っても良いかな」と思ってしまう。
伊勢先生にも言われた。
「今は、とにかく無理をするなよ」
この言葉が、勇介の頑な気持ちを軟化させていた。
素直に座ってみると、景色が全然違う事に

気がつく。image
「奇麗な富士山だ」
今まで、バスに乗っても感じた事の無い、気持ちのゆとりを勇介は実感していた。

仕事初めはは、新年の挨拶と決まっている。
皆、笑顔だ。
一時のストレス発散が、上手くいったのだろう良い顔が並んでいる。
「さぁ、今年も頑張ろう」
勇介の一声で、いつもの業務が始まった。
椅子に長い間座ると、また、背中に張りのような、痛みのような違和感を感じる。
トイレに行こうと立った時、以前にも似た激痛が、背中と下半身に走った。
「まずい」
皆に悟られるのが怖かった。
年明け早々、心配かけるのも嫌だったが、何より言い訳するのが「めんどくさい」と瞬時に考えたのだ。
今度はゆっくりと立ち、様子をうかがった。
「大丈夫ではないが、なんとか行けるな」
周りに分からないように、颯爽と歩いてトイレに向かう。
つく頃には、脂汗が滲んでいた。
「長く座ると、筋肉が固まる感じなんだな」
そう考える方が、勇介にとっては楽だった。
席に戻ると、部下の小出が目の前に立っている。
小出は、野球部で投手をしており、今年の成績次第では、ドラフトにかかるくらいの逸材である。
「部長、今日の野球部の新年会、19時からです」
「宜しくお願いします」

「おぅ、楽しみにしてるよ」

「忘年会で、つまらない、と言われたので、仕込んできましたよ」
「楽しみにしといて下さい」
と小出は言って、その場を離れようとしたが
「部長、どこか痛めてますか」
「何でだ」
「いゃ、ちょっと歩き方が猫背になっていたので」
「そんな事は無い、限界まで我慢してたからな」
「腹でも痛かったんすか」
「そんな感じや」
何とかその場を凌いだが、悟られるのは時間の問題であることを、勇介は感じた。
そんな事を考えると、新年会が辛く重苦しいものに感じられてきた。


どうでしょうか?
フィクション、想像の世界に入り込むのも悪くない感じがしてきました(笑)
続きも楽しみにしてくれるかな?