本の広告シリーズ ~ 北欧幻想を高めてくれる「セックスでいっぱいの国」(昭和41年7月) | 高木圭介のマニア道

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~浮世のひまつぶし~

昭和41(1966)年7月。北欧の在日記者が白夜のSEXを描いた問題のベストセラー セックスがいっぱいの国 北欧版キンゼイ報告(S・アンデルセン著=荒地出版社)の新聞広告。        

 

      

私の年代だと、街中に無造作に貼られた 洋物ポルノ映画ポスター のキャッチコピーやら、東京12チャンネル名物『金曜スペシャル』における北欧モノで、さんざん 北欧=フリーセックス北欧=エロの本場 といった偏ったイメージを植え付けられたモノだが、この 北欧幻想 とやらは一体、今の何歳ぐらいまで通用するモノなんだろうか?

この本の著者であるアンデルセン氏は デンマークの特派員 なんだそうだが、他にも スウェーデンフィンランド西ドイツ など、そこが北欧かどうかも知らないが、よくその手の映画のコピーに使われていたものだ。

かの 大宅壮一 氏までが「北欧のセックス文化の実体を知るにつけ、感心するやら圧倒されるやら最後まで興味深々だった」と語っているほどだから、この時代はまあ、こんな認識で間違いでもなかったのだろう。

ラブホテルの名前にも、北欧各国や地域の名前がよく使われているのも、この時代に培われた啓蒙の名残りなんだろう。そういや「北欧」なんて、その物ズバリなラブホもある。横浜駅西口。

国名その物が 風俗産業の一形態 の名称となっていた トルコ よりはマシだが、今や「デンマーク」とか「スウェーデン」と耳にしても、頭に思い浮かべるのは IKEA に代表されるお洒落家具お洒落小物、あとは(小さなバイキング)ビッケ や(長くつ下の)ピッピ。フィンランドといえば ムーミン といった感じ。これも国際化が進んだ証拠なんだろう。