成人映画広告シリーズ~丸の内・カジバシ座の実演とピンク映画2本(昭和43年1月) | 高木圭介のマニア道

高木圭介のマニア道

~浮世のひまつぶし~

昭和43(1968)年1月、丸の内・カジバシ座劇団炎の実演と、カラー作品のピンク映画2本の新聞広告。当時はこういったピンク女優と劇団による実演&ピンク映画上映というセット興行が流行していた模様だ。

 



荒々しいタッチの挿絵が目を引く実演は 淀君と摂政関白 続残酷悪婦伝 聚楽第の妖姫 全6景 (作・演出 山川春夫)と凄まじいタイトルに「地獄の魔王か!悪魔の化身か!血で血を洗う大殺戮ドラマ」と、これまだ凄まじいコピーが光る。

ピンク映画のほうはヤマベプロダクション制作で、辰巳典子や桂奈美が出演の 肉魔 (三樹英樹監督)と、大蔵映画制作で谷ナオミや林美樹が出演の 悪女乱行 (小川欽也監督)が上映。

実演全6景を観たあとに、ピンク映画2本を観たら、これだけでもう、結構おなかいっぱいな感じもするが、どうなんだろう?

『悪女乱行』小川欽也監督は、400本を超える監督作を誇るレジェンドとして知られる存在だが、キャリア初期の昭和34年、ニッサンプロダクションと近代テレビ映画社によって共同制作されるも、予定されていたTBSで放映されることはなく、そのままお蔵入りとなってしまったテレビ映画 大海獣ゲボラ を監督されていたそうな。

もしフイルムが残っているのならば、ぜひ観てみたい。ヒトデが巨大化して暴れる映画なんて、それだけでワクワクしてしまう。

そういえばバカ映画の巨匠・河崎実監督が構想43年を経て制作したという禁断の新作 三大怪獣グルメ (5月23日より後悔…いや公開)は巨大化したイカとタコとカニが大暴れした挙げ句、完成間もない新国立競技場にて巨大海鮮丼にして食べられてしまう映画らしいのだが、もしかすると61年前の『大海獣ゲボラ』も、お蔵入りした理由は「早すぎたバカ・テレビ映画」だったからなんだろうか?