日時: 2022年9月19日(月)14:00
場所: かつしかシンフォニーヒルズモーツァルトホール
曲目: ルスラントリュドミラ序曲、チャイコフスキーピアノ協奏曲、交響曲2
指揮: 松林慧(けい)
独奏: 永沼絵里香
珍しくチャイコフスキーの交響曲第2番を聴けるというのがこの日聴きに行った主な理由。好きな曲というわけではないが、数か月前にFM放送で耳にした演奏が自分に合っていたらしく初めて楽しめたことから、また聴く機会を探していたのである。
自宅からバス停までと最寄りの青砥駅からホールまでの間、台風14号の余波で激しい雨に降られ、膝から下はびしょびしょで到着。帰りはもっとひどくなるのかな、と心配したがこれは大丈夫だった。
MASUOという楽団名は楽団創設時にシューベルトの「鱒」を演奏したかったから、とのこと。東京電機大卒業生を中心に誕生し、その後は幅広い団員が参加して発展してきた楽団のようだ。
さて、開幕時のこと、指揮者が現れ拍手が湧く、普通の光景だったのだが、指揮者は指揮台に飛び乗るとやにわにグリンカを振り出したのである。まだ拍手が切れていないタイミングだったのでびっくり。超特急のテンポの曲なのだから、こんな始まり方で楽団は揃った演奏をできるのかい、と心配したのだが、揃った快い演奏が楽しめた。オーバーアクション気味の指揮ぶりで、随所に曲の表情に変化を付ける工夫が施されていた。その聞こえてくる演奏は「てにをは」のはっきりした分かり易い演奏だった。良かった、好きな指揮者がまた一人増えたのだった。この序曲の演奏で、私が一番気に入った「ふりつけ」(?)はテーマの合間に放たれるティンパニーの強打の繰り返しだった。
チャイコフスキーの協奏曲では前週に引き続き素晴らしい独奏者に出逢うことが出来て、期待を大きく上回る音楽体験に酔いしれた。オケの伴奏も引き続き明解な演奏で見通しの良いものだった。望外の悦び。これまでに聴いた中で一番印象に残る演奏だったと思う。独奏者の肩、肘、手の角度がほとんど変わらないことにもびっくり。普通はオケと張り合うように前のめりになっていき、ピアノに覆い被さるくらいになる、という印象だったのだが、永沼さんは姿勢を崩さず、しかも肝心なところで音量が足りないということも起らなかった。
こうなるとメインステージの交響曲も当然良い思いが出来るものと思ったのだけれど、開始後10分くらいしても良く分からないまま延々と曲は続き、第二楽章の途中辺りからは聴く集中力も切れ、うとうとが始まった。盛んに大音量が続くのだが、それがうるさく感じられて疲れたのが原因だろう。演奏が始まる前に目を通したプログラムの解説に依れば、第3楽章にスケルツォがあったはずなのだが、その覚えがなく、また賑やかな速い曲が続いているのでこれがスケルツォかと思っていたら、そのままやたらと盛り上がって演奏が終わってしまった。ということで、残念ながら今回はこの曲の魅力を理解出来ぬまま会場を出た。