日時、場所: 1月27日14時より、カルッツ川崎にて
指揮: 児玉章裕
コンサートマスター: 苗村賢一
曲目: ウォルトン「ポーツマス・ポイント」序曲、ブリテン四つの海の間奏曲、コルサコフ「シェエラザード」
私の苦手な「シェエラザード」がメインのようだからちょいと気が進まないながら、「四つの海の…」が大好きな曲。前回の演奏会でバルトークの管弦楽のための協奏曲をびっくりするレベルで聴かせて頂いている楽団であるからブリテンが楽しみだ。もしかするとシェエラザードを好きになる糸口を作ってもらえるかもしれない、と期待し、初めての会場、カルッツ川崎に向かった。川崎駅から歩くと少し遠いが、大通りの一本道であり、地図ソフトで見ると競馬場と競輪場に挟まれた分かり易い場所だった。
そして演奏は素晴らしかった。響きの良い楽団だ。どのパートも音楽的にしっかりしていて聞き惚れた。ここのところ毎週末アマオケの演奏会に通っているけれど、このように最初の曲から最後まで「おーいいねー」と楽しみながら聴ける楽団にはなかなか巡り会えないものだ。会社勤めの傍ら日曜指揮者として永らく活動してらっしゃるという児玉さんの織り成す音楽には感服するばかり。なんで日曜指揮者がこんな風に的確な音楽表現をアマオケに振り付けられるのだろう。
ウォルトンの序曲はどことなくコープランドの曲を思わせるようなリズム構成であり、説得力のある演奏だったと思う。
ブリテンはこちらの思い入れが強すぎたのか、少し地味目の音色に聞こえたけれど、十分楽しませていただいた。
さて私が苦手にしているシェエラザードである。これが始まって5分ほどで「こんなに良い曲だったか。」と演奏に引き込まれた。思うにこの曲の肝はシェエラザードの語りにあたるヴァイオリンソロにあるようだ。このソロが気持ち良く聞こえるようにオケが十分気を使わなければ台無しになってしまう曲なのだ、と思った。そのお膳立ても良かったし、コンサートマスターのソロも素晴らしかった。チェロのソロも力むことなく役目を果たした。シェエラザードが語っているという大前提を意識しながら全体を楽しむことができた。これは収穫だ。
惜しむらくは客席の入りが5割強くらいだったこと。一生懸命拍手をしたけれど、演奏している側には聴衆がどのような反応をしたとして感じられたのだろうかと気に掛かった。しかし、アンコールを終え客席に挨拶した後互いに笑顔で歓談を交わし始めた楽団員は、そんなことを超越しているようにも見えたのだった。
ホームページを拝見すると自らの音楽活動に自主性を持たそうと考えながら実践している団体のようで一層惹かれるものがあった。
次回は8月、横浜でバッハの編曲モノ、ジュピター、ブラームスの4番を演奏するとのこと。行けるといいな。なお、プログラム上の案内は8月27日(日)と誤表記されているので注意が必要だ。