先般「倭の五王」を読んだ感想文をアップした折、友人から「根拠のある古代史に触れたければ考古学的証拠に基づいた研究を読まないと分からないよ。」と助言をいただき、この本を紹介されて読んだ。弥生時代後半から6世紀前半に掛けての朝鮮半島南部と西日本の交流を、主として古墳の形式、出土品の性格、墓制の特徴の分析から推測しようとしている本であり、その中から新羅・百済の圧迫にさらされ懸命に生き残りを図る伽耶の国々や栄山江流域の人々が倭国との関係を強めようとしている姿が浮かび上がってきており、印象的だった。「吉備の反乱」、「磐井の乱」に付いても、当時の朝鮮半島南部の政治情勢や倭国側の勢力分布の絡みを説く流れで説明されていて、ためになる読書をすることができたと思う。
考古学資料を、これまでの研究で積み上げてきた定説(今現在一番信頼できるだろうと考えられている説)により解釈し、その時代に関する推理を勧めているので、発掘などで新たな証拠が出て定説がひっくり返ることもあり得るわけだ。私は気が短いからか、そういうのじゃなくて確かなことが知りたいの!と叫びたくなるのだが、それが出来ないから皆さん苦労して地道に研究し続けているのだ。私の生きている間にどのくらい研究が進むのか分からないが、どのくらい発展するのか、楽しみにウォッチして行きたい。