『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』(House of the Dragon)をU-NEXTで見ている関係で『The Gilded Age』も見ています。脚本は『ダウントンアビー(Downton Abbey)』のジュリアン・フェロウズ氏なので「上流階級を舞台にした群像劇」は同じです。ちなみに「The Gilded Age」は直訳すれば「金メッキの時代」。米国史においては1865年の南北戦争終結から1893年恐慌までの28年間、あるいは特に1870年代と1880年代をさす歴史用語とも。gildedには中身はゴールドじゃなくて外側だけゴールドを塗ってごまかしたとか、見せかけの成金という意味もあるとか。「The Golden Age」でないところがミソですね。

 

 シーズン1は9話構成ですが楽しめました。個人的には舞踏会のワルツが好き。シーズン2は2023年の春公開予定だと。今から待ち遠しいです。ジュリアン・フェロウズ氏の脚本ですから上流下流の対立のみならずゲイも登場。今回は舞台がアメリカなので人種問題も大きなテーマの一つ。しかし当時の現実は「人種分離法」(ルイジアナ州1890年)が可決されるなど黒人への差別が苛烈な時代であり、法的に人種差別を禁止した「公民権法」が成立したのは74年後の1964年のことでした。

 

 主演はルイーザ・ジェイコブソン。「それ誰?」だと思いますが、女優メリル・ストリープの末娘。9話まで見ると慣れましたが、最初は「母親の七光り」とも感じました。ちなみにルイーザが演じているのはマリアン・ブルックという将軍の娘。ただしお金がないので叔母を頼ってニューヨークに来るという設定。ブルック?もしかして実在のブルック・アスターがモデル?ブルック・アスターはアメリカ社交界に長らく君臨した女王。105才まで生きましたが、晩年は痴呆症になり、実の息子に財産を横領される羽目に。

 

 もちろんジュリアン・フェロウズとそのスタッフはリサーチ済みで虚実ないまぜで話を進めるのでしょう。アメリカ赤十字を設立したクララ・バートンや社交界の実力者アスター夫人は実在の人。シーズン2でどう動くのかも楽しみです。

 

 

 そういえば『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』が9月30日(金)から日本公開が始まります。こちらも楽しみです。「主要キャストの一人が亡くなる」設定という噂も?ちょっと不安です。