坂戸エンターティメント・グランワルツミュージカル【Freckleface Strawberry】を鑑賞してきました。
タイトルをそのまま訳すると【そばかす顔のストロベリー】ってなるのかな?
ストリベリーは主役の名前ですが、確かにイチゴは果肉の表面に種があってボツボツしてるなぁ、と。
オフ・ブロードウェイ(ブロードウェイの中でも中小規模の劇場の公演)作品の様です。
作品自体初めて知ったし、もちろん公演も観に行く予定はなかったのだけど、ひょんな事から出演者の方と知り合い、それが縁で観に行く事になった作品です。
劇団四季や東宝、ホリプロなどの大手を殆ど観に行っていなかった約10年前はこの様な手法で、小規模ながらに良い作品にたくさん出会えていたものです。
今回を除くと、演者との出会いがきっかけで観に行ったのは、演劇実験室◎万有引力の赤糸で縫いとじられた物語が最後かな?
劇場は初めて訪れた銀座の博品館劇場。
綺麗な劇場でしたが、座席の段差が薄く、中腹部では前列にどんな人が座るかに大きく影響を受けてしまうのが残念。
せめて座席配列が千鳥(互い違い)ならよかったのに。
さて、初めて見る作品の内容ですが、大まかなあらすじとしては、【みにくいアヒルの子】や【赤毛のアン】の様に、昔から存在する《外見へのコンプレックスを乗り越えて大成していくサクセスストーリー》と言ったところ。
当日の前説を聞くまで知らなかったし、当日客席には子供はほとんどいなかった様に思えますが、ファミリーミュージカルなんだそうですね。
出演者全員の衣装の色使いが恐ろしく派手で、キラキラした世界と言うよりはチカチカした世界、という感じの舞台で繰り広げられる物語。
学校で散々容姿をからかわれ、家で激しく落ち込んで…と、恐らくは思春期に体験した人も少なくないであろう出来事に、嫌気が差したストロベリーが、仮面で顔を隠す事を思い付き、仮面をかぶって学校に行ったら、確かにからかわれなくなったけど、代わりに存在にすら気付いてもらえなくなる…という、一見すると、いやいやいや…と感じる展開から、やがて見た目が綺麗で傍目には人気者に見える子も、人知れず悩みを抱えている事や、本当はみんな外見ではなく内面で付き合ってくれている事を少しずつ知っていって、最後は外見のコンプレックスなんか気にしない!となってハッピーエンド。
仮面とか、ないだろ!と思いつつ、あの仮面はきっと【殻】をわかりやすく表現してるんだろうな。
大人になれば、あからさまな外見いじりのイジメは少なくなる(なくなる訳ではない)けど、
大人になると、
外見を弄る⇒キャラクターを求める、に変化して
殻を被る⇒求められたものに応えられなくなる、に変化して
無視される⇒面白味のないヤツ、という烙印を押される、に変化して
殻を破る⇒面白いヤツ、として可愛がられる、に変化する。
少し形が変わるだけで、似た様な事はずっと続くもんな。
確かに作品の内容として、クラスに仮面を被ってる明らかにオカシイ奴が存在してても誰も気に留めなかったり、普通に話かけたり、たかが仮面1枚付けただけで服装も何もかも同じなのに誰も正体に気付かなかったりと、あまりにリアルとかけ離れたおかしなデフォルメが目立ったり、登場キャラクター達の心理の変化が(行間に恐ろしく多くの心理の変化を求められているんだろうが)表面的にはあまりに短絡的、というファミリーミュージカルらしい特徴が確かにあったので、ああ、ファミリーミュージカルなんだなぁ、という感じはしましたが、物語の本質としてはとても良いものだったと思います。
あ、そう言えば主演の滝川光さんは、ものまね四天王のコロッケさんの娘さん。
当日客席にはコロッケさんもいらっしゃいました。
に!
しても!
クラスで1番ファンキーで1番目立つのが先生ってどういう事!?
↑多分、実社会でいたら、面白いヤツを飛び越えて、一番敬遠されるタイプ。