劇団四季【恋におちたシェイクスピア】 | たかびの自己満観劇ブログ

もう二週間ほど前の話ですが…笑

 

劇団四季、12年振りの新作ストレートプレイ【恋におちたシェイクスピア】を鑑賞してきました。

久し振りに訪れた自由劇場。

雰囲気あるアプローチは白い鉄板の壁に囲われて、何とも殺風景な通路へと変貌を遂げ、そして入口にあった葡萄の紋が付いた看板も無くなっていました。

そして隣にあった春・秋の劇場、手前にあったJRの施設の建物とすべてが更地になり、奥まった地にあったはずの自由劇場が何とも開放的になってました。

今後、このあたりはどんな変貌を遂げていくんだろう?

さて、劇団四季のストレートプレイは昨年のブラックコメディ以来1年強振りの鑑賞。

こちらキャスト。なかなかに豪華です。

こちらの作品、ストレートプレイと言っても完全な台詞劇ではなく、バロック音楽を全編に渡って使い、コーラスを取り入れた音楽味豊かな作品。

シェイクスピア作品ではなく、シェイクスピア自身にスポットを当てた作品で、シェイクスピアの代表作のひとつである【ロミオとジュリエット】は、執筆中に彼が実際に体験した恋物語を下敷きに書かれた作品である、と言う体で、その実際の恋愛(物語自体フィクションだが)をコメディタッチに描かれた作品でした。

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~あらすじ~

エリザベス朝の時代。
上流階級の貴族たちが演劇を観る芝居文化が花開いていた。

当時ロンドン北部にあった「カーテン座」劇場は、ナンバーワンの人気役者バーベッジが出演し、大盛況。
一方、ヘンズロウがテムズ河対岸に建てた「ローズ座」は、資金難で苦境に立たされていた。

ヘンズロウは、作家ウィル(シェイクスピア)の次の新作を収入のあてにしていた。
しかし、肝心のウィルはスランプの真っ只中で、まだ台本も完成していないのに出演者オーディションが始まってしまう。

そこにトマス・ケントと名乗る青年がやってくる。
実はケントは、資産家レセップス卿の娘、ヴァイオラの男装した姿。女性が舞台に立つことは公序良俗違反にあたるとされていた時代だった。
演劇を心から愛するヴァイオラは、モノローグを完璧に演じて見せ、ウィルはその才能に惚れ込む。
ケントを追ってレセップス卿の館まで来たウィル。ヴァイオラは本来の女性の姿に戻っていた。そうとは知らないウィルは、一目で恋におち、館のバルコニーの下から愛の言葉を投げかける。

ケントがヴァイオラの仮の姿だとは気付かぬまま、ウィルは新作の稽古を開始。
主役ロミオを演じるのは、ケント。ヴァイオラと出会ってから、筆が進み、稽古にも熱が入った。

しかしヴァイオラはまもなく、親が決めた相手であるウェセックス卿と結婚しなくてはならなかった。別れの手紙を受け取ったウィルは、ふとしたきっかけからケントがヴァイオラであることを知る。
燃え上がる二人。その後も人目を忍んで愛を育み、やがて二人の恋のかたちが『ロミオとジュリエット』のストーリーを創り上げていった。

しかし、稽古が終盤シーンまで来たある日、ケントが女性であることが発覚してしまう……。

(公式HPより)


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という訳で、作品ではなく作家をモデルにした作品、と言う意味では同じ四季のミュージカル【アンデルセン】と似てるかな?と思って見たり。

初っ端からローズ座のオーナー、ヘンズロウが借金の返済を迫られ、焼石に足を乗せられる拷問を受けているという衝撃…と言うより笑撃のシーンがあります。
そのシーンが既に、この作品の雰囲気を物語ってますね。

台詞全編に言葉遊びや数字(お金)にまつわるetcが散りばめられていて、それをテンポ良く紡いでいく事で笑いを生み出していくシーンが多い印象でした。

まぁ、一番笑ったのはアンサンブルの川口雄二さんが演じる役がウィルの独り言を、自分に対する咎めと勘違いして号泣するシーンだけどな!あれは反則だ!笑
ぶっちゃけあのシーンがどのシーンよりも印象に残ってるわ!

話はフィクションながら、実在の人物を登場人物として登場させたり、実在の人物から名前や存在を創作されたであろう人物がいたりします。

例えばヴァイオラが演じた、トマス・ケントと言う名前は、どうやらマーロウの友人であったトマス・キッドから創作された名前の模様。作中では、マーロウの方にキッドと言う名前が付いていますね。

作中ではとにかく、トマスに宛がわれた役を自分がやるんだ、と言う部分に固執していたジョン・ウェブスターは史実ではシェイクスピアと同時代の劇作家だったり。

実際の人物はどうだったのか、どこから来た名前なのか、調べてみたらそれはそれで面白そうですね。

シェイクスピアという名前からはなかなかに連想しがたいほどのバタバタしたコメディで、客席からも遠慮ない笑い声が飛ぶ作品で、これまでの劇団四季のストレートプレイとは随分と印象が変わったなぁ、と思いながらも笑って楽しめた作品でした。

 

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