ミュージカル座【I HAVE A DREAM】(2回目) | たかびの自己満観劇ブログ
ミュージカル座2月公演【I HAVE A DREAM】@光が丘IMAホールを鑑賞してきました。

キング牧師の人種差別撤廃運動の模様を描いた作品で、昨年の公演に続き2度目の鑑賞。

四季の様にロングラン公演ではなく、外部キャストも多く参加してるので、公演の度にキャストもガラリと替わります。

前回鑑賞時(2015/3/15)からの主要キャストは以下の通り

ジャネット:吉沢梨絵さん⇒RiRiKaさん
マイク:田中秀哉さん⇒飯田惣一郎さん

トム:中本吉成さん⇒北川辰彦さん
フィリス:河野由佳さん⇒中村萌子さん

スパイク:宮垣祐也さん⇒松永一哉さん
リン:中村百花さん⇒大胡愛恵さん

《アネットの店の黒人女工》
アネット:かわづ恵さん⇒変更なし
ベス :今井瑞さん⇒内田莉紗さん
リーナ:鈴木彬子さん⇒仲本詩菜さん
ダイアナ: 緒川真生さん⇒二本松広子さん
ステファニー:南條さゆりさん⇒熊瀬茜さん
プリシー:内藤もゆのさん⇒秋山美里さん
ポーラ:鈴木莉菜さん⇒飯嶋みずきさん
ジュディス:野沢美喜さん⇒枠なし
ジャッキー:滝口恵梨果さん⇒村上恵美さん
ヴァージニア:牧内ひよりさん⇒兼田いぶきさん
グレイス:大賀萌生さん⇒花音美燈さん
アンジェラ :金村瞳さん⇒蔵重美恵さん

《黒人不良グループ“キッズ”のメンバー》
スモーキー:森西健さん⇒晃映ヒロさん
タイガー:梶雅人さん⇒石田周作さん
バディボーイ:佐久間雄生さん⇒太田達也さん
ロンリー:粕谷成寿さん⇒変更なし
サンシャイン:中村ひかりさん⇒小林風花さん
マドンナ:児玉愛里さん⇒荒牧奈津希さん
ムーンライト: 高橋伶奈さん⇒杉山奈央さん
ウィーピー :川島めぐみさん⇒神谷美咲さん
レディーL :平栗ひろみさん⇒石丸海生花さん
ショーティー :岩崎若葉さん⇒井上美都さん
ナスティ:菅千鶴さん⇒秋田悠花さん
ベイビーラヴ:清水詩音さん⇒岡田カレンさん


前期、トムの恋人役のフィリスをダブルキャストで演じていた大胡愛恵さんが、今季はスパイクの恋人役のリンをシングルで演じているのも面白いところ。
観た事がある人ならわかるかと思いますが、フィリスとリンはビジュアルも性格も正反対。
清楚を絵に描いた様なフィリスと、クラブとかでバリバリ踊ってそうな(笑)ビジュアルのリン…と言えばイメージが伝わるかと。

あ、それと今季の記事を書きながら気付いたんですが…、前期のムーンライト役の高橋伶奈さん…四季の高橋伶奈さんと同姓同名?(笑)
同一人物って事はないよね?別人だよね?よね?よね?

<個人的備忘録>(まだこれしかわかんない…泣)

タイガー⇒怒ったぞー!の人?
ベイビーラブ⇒子役
ベス⇒一番臆病
リーナ⇒大学に行く眼鏡
アンジェラ⇒おばちゃん??

キッズメンバーの女性でマイクを不良に仕立てる色っぽいショートカットの女子、どの人?(笑) 配列的に考えるとサンシャインか?

プログラムも購入。


座席は二列センターやや下手より。

前期に続けて二年連続での鑑賞なんですが、今回ポスターからして前回とイメージが変わったなぁと。

今回のポスター(RiRiKaジャネット)

前回2015年のポスター(吉沢ジャネット)

ちなみに前々回2013年(花代ジャネット)の時はこんなポスターだったそうですが、13と15はさほどイメージは変わらないですね。

その前の2011年のポスターは青だったそうですが、一貫してアメリカ国旗+ジャネット(+民衆)って構図は変わってなかったものが、今季はそもそも星条旗がなく淡かった色も一気にダークな色に変わったのが原因かと。

変わったのはポスターのイメージだけではなく、キャストのイメージもだいぶ変わりました。

例えばジャネット。

細くて小さくて声が高くて、頭はカーリーヘアを束ねた髪型だった吉沢ジャネットだけど、RiRiKaジャネットは肩幅があって背も高めで声も低くて、おまけにカーリーヘアじゃない。

RiRiKaさんって元宝塚娘役らしいんだけど、娘役ってものに対して抱いていたイメージを力一杯叩き潰してくれました(笑)

あ、でもRiRiKaさんの、節々にネトっとした感じの艶っぽさが入る歌い方、嫌いじゃないです。

ジャネットに関しては上に挙げたポスターで確認出来るそのままの違いなんですが、そう言えばリンも、カラーメッシュが入ったボンバーな頭(笑)だった前回とは違い、今回はオールバックでポニーテール…みたいな、まるでベリーダンサーの様な(笑)出で立ち。

キャラクターごとに髪型指定があって、似合っていようがいまいがカツラを被ってでも指定通りの髪型にする…という良くあるキャラクターとは、どうやら違うらしいです。

かと言えば、トムなんかは前期と同じ人か?と思う程良く似ていたけど。

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フィクションでありながら、アメリカで1950年代に起こった人種差別撤廃運動になぞっており、実際に起こった出来事(モンゴメリー/モントゴメリー バスボイコット事件や、キング牧師が実際に幼少の頃に受けた迫害のエピソードなど)を盛り込み、散歩をしていた黒人は死刑、黒人に石を投げて溺死させた白人は無罪…など、黒人目線で受けた迫害の数々を感情的に述べるシーン、暴力に暴力で返してはいけないと述べるキング牧師の演説…心が震えるシーンの連続です。

I HAVE A DREAM/自由への行進、と作中に何度か歌われる2つのビッグナンバーのうち、特に1幕ラストで歌われるキングの演説を交えた【自由への行進】は、某フランス革命のミュージカル(笑)1幕ラストの【ワン・デイ・モア】(言っちゃったー!)に似たシーン(反対勢力の行進という意味で)ではありますが、感動的で大好きなシーンです。

二幕になると、それまで白人対黒人と言う図式だったものが、白人対暴力派の黒人対非暴力派の黒人という、黒人同士が争う、より悲惨な図式になってきます。

誰もが『自分こそ正義』と思ってるのが見える痛ましいシーンですね。
みんながみんな『聖書にこう書いてある!』と聖書の一節を引用するんだけど、読む側の思想によって、聖書ってどうとでも解釈出来てしまうんだって位、真っ向から対立してる。

だけど、スパイクのダンスがまたとんでもなく格好いいんだ。←

その中で屈指の名シーンであろう、Kidsのリーダー、スパイクが死ぬシーン。

スパイクとの平和な未来を最後まで望んでいたリンが、スパイクの亡骸に対し気丈に、そして優しく『やっとゆっくり休めるんだよ』『(一緒になって自分たちの家族を持つという)約束は、次(来世)に会えた時の為にとっておくよ』など弔いの言葉をかけていくも、最後に耐えられなくなって泣き崩れるシーン、泣けます。
そこに歌を被せて、リンの慟哭をハッキリと聞かせない演出がまたニクい。

ちなみにオフィシャルの『I HAVE A DREAM』ナンバー動画に、恐らく初演の頃の物と思われるこのシーンのカットが出てきます。2:08頃。


そして、それに続くもう一つの名シーンであろう、キッズ解散のシーン。

唯一の子役でありながら大人顔負けのダンスと堂々とした立ち振る舞いを見せるベイビーラブが、子供らしさを見せるシーンでもあるかと。

どんな危ない目にあっても泣かなかったベイビーラブが声を挙げて泣いて、リンも顔をくしゃくしゃにして泣くシーン。一緒になって泣きます←。

でもそこで、リンが大切な大切な台詞を噛んでしまったのが残念だった。

暴力的で不良チームのリーダーなワルだったスパイクが、本当はリンとの将来を考えていたんだって事がわかるシーンの台詞だっただけに、台詞の前後があべこべになった上に、言い直しをしてしまったのは勿体なかったなぁ。

まぁ、そこで冷めても、しっかり泣きましたけど←

初日だったのもあってか、この日はミスが目立った、と言うのが正直な印象でした。

リンの他に、アネットも台詞を噛んだし、上手袖からリズム取り用なのか何なのか、赤いランプが一幕のあいだ常にチカチカしてるのが見えて気になったし、誰かが台詞をすっ飛ばしてそれを上手くフォロー出来なかったかの様な妙な間が空いたシーンもあった。

初日だからってのは、プロなら通用しないもんね。残念な点でした。

最後の最後、多分ラストのI HAVE A DREAMの時だったかと思うけどジャネット役のRiRiKaさんも泣いてたのを見付けてしまいました。

振り返る時にさり気なく涙を払ったのが見えた。

昨年も吉沢ジャネットもこの曲を歌いながら泣いてたなぁと思い出したり。

演じる方は泣いちゃいけないとは良く耳にするけど、なかなかそうは出来ないんだろうなぁ。

今立ち上がり 私達は歩き始める 自由の道を確かに踏みしめて 明日へ続く暗いこの道を腕を組んで歩いてゆこう 希望へと…

作品を観る前と観た後では全然印象が違う曲です。

また再演時には観に行く。これまでも二年おき位に上演してるみたいだから、多分すぐに観に行く。

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