劇団四季【エルコスの祈り】(3度目) | たかびの自己満観劇ブログ
劇団四季のファミリーミュージカル【エルコスの祈り】を鑑賞してきました。

同作品を観るのは4年振り3度目(エルリック・コスモスの239時間時代を含む)

これまで主に『ニッセイ名作劇場』と、『こころの劇場』を含む全国公演で上演されてきた作品で、常設劇場での上演は今期が初めてなんだとか。

こちらキャストボード。


前回鑑賞(2011/1/5)から主な役を比較すると…。

◇エルコス:五所真理子さん⇒古田しおりさん
◇ストーン博士:岡﨑克哉さん⇒宇龍真吾さん
◇ジョン:中村匠さん⇒北村優さん
◇ダニエラ:菅本烈子さん⇒松田佑子さん
◇パルタ:青羽剛さん⇒玉城任さん
◇ダーリー:川口雄二さん⇒奥田直樹さん
◇理事長:高林幸兵さん⇒沓沢周一郎さん
◇セールスマン:塩地仁さん⇒川島創さん


エルコス役の古田さんをコーラスライン(クリスティン役)で。

ジョン役の北村さんを赤毛のアン(ギルバート役)で。

ダニエラ役の松田さんをライオンキング(シェンジ役)で。

パルタ役の玉城さんをマンマ・ミーア!(スカイ役)で。

ダーリー役の奥田さん/セールスマン役の川島さんをジョン万次郎の夢(寅右衛門/五右衛門役)で。

チェリー役の高橋さんをふたりのロッテ(ロッテ役)で。

アミー役の生形さんを思い出を売る男(花売り娘役)で、それぞれ観た事がある程度。

そのほか、ストーン博士の宇龍さん以外は、残念ながらお名前も存じ上げない俳優ばかり。

でも、興味深い話として、理事長役の沓沢さんはなんと15年ぶりの四季の舞台なんだとか。

プログラムも購入。

今回はグッズの一つとして『サイダー』が売っていると聞いていたので、何故にエルコスでサイダーなんだろう??と、ご一緒した友達と相談しながら劇場に向かったんですが、間もなく「ひょっとして、エルコスのエネルギー源であるFZIを表現してるのかな?炭酸はバイオエネルギーの気泡を表現してるのかな?」と自分で勝手に閃き、自己完結(笑)

劇場到着が開演ぎりぎりだった為、休憩時間にFZIを購入!なんてネタにしようと思ってサイダーを購入。

瓶に小さくFZIと書いてありました。やっぱりこの発想は的を射ていた(笑)

お土産用と書かれたこのサイダー、小さめの瓶が2本で600円。
劇中に登場する様なデザインもなされていない普通の瓶に普通のサイダーでこのお値段は、ちと高い気もするが、これで480時間不眠不休でも大丈夫なんだから仕方あるまい。
(240時間×2本)

蓋を開けた瞬間に大気と混ざって化学反応が起きて、飲んだら気化したりして←。

そうそう、ファミミュだと子供への配慮からか、プログラムはもちろん配られるキャスト表にも読み仮名が書いてあるでしょ?

びっくりしたのがこれ。

ダニエラ役の松田佑子さん、ライオンキングのシェンジ役の時も声使いがかわいくて(…エドは?の部分)好きなんだけど、『まつだ ゆうこ』じゃなくて『まった ゆうこ』と読むそうです。

誤植かと思ってプログラムも確認したけど、プログラムにも『まった ゆうこ』と書いてありました。

松田と書いて『まつだ』じゃなく『まった』と読むなんて初めて知りました。人名って難しい。

座席はセンターブロック最前列、ドセンよりほんの少し下手寄り。

後方には小学生の団体がいたけど、笑う時は思い切り笑って、その他はとっても静か。お利口さんでした。

セールスマンの『50年後の地球へ!』を合図に2065年のユートピア学園へ。

頭の中には2009年版のDVDの記憶(五所エルコス/吉谷ストーン博士/鎌滝ジョン)のイメージが強く、比較しながらも先が見える展開に、自然に頷きながら観る感じに。

ユートピア学園のテーマやセールスマンソングなど、ハモりがどうしてもDVDの様に綺麗にいかない曲はあるものの、初めて目の前で見るエルコスの世界に満足。

やや、子供達の台詞が固かった、棒だったのが気になったかなぁ。

そして実は初見だった宇龍さんの声の良さにやられました。かっこええ。

しかし、DVDでは吉谷さんが演じていたストーン博士、神保さんが演じていたセールスマンが共に若い事に違和感を感じつつ(前回の鑑賞も若かったけど)、またDVDでは藤川和彦さん(リトマの脚本を書いた方です)が特徴的な甲高い声で演じていたダーリーも、なんだか普通。

そしてエルコス役の古田さん、コーラスラインのクリスティン役の時はなんだか地味ーな印象でしたが、エルコスでは見事に華やかでした。こんなに印象変わるんだなぁ。

エルコスと言えば、困ったちゃん眉毛に大きな目、そして底抜けに明るい笑顔、ですよね?

エーーールーーーこーーーーすーーーーどぇーーーーす

わがりやしたああ!

…などなど、笑わせるポイントに子供達の反応も上々。

ちなみにセールスマンがエルコスのスペックを紹介するシーンの例えが…。


2009年(DVD)⇒脚はベッカム、腕はボブ・サップ
2015年⇒腕はジョコビッチ、脚はウサイン・ボルト

でした。

2011年の時はなんだったかなぁ?覚えてないなぁ。

1幕の好きなナンバー『本当の自分を見つけよう』もしっかり堪能し、そして1幕ラストの『語りかけよう』の直前の「ありがとう!」のシーンで早くも涙。

「ありがとう!」のシーンと、『忘却の湖』~『私はロボット』~『語りかけよう-Reprise-』が個人的泣きポイント。

2011年の公演の時の様に自然に目から涙がこぼれて頬を伝う様な事はありませんでしたが、やはり涙でした。

特に『私はロボット』は、歌詞を頭の中で復唱すると、尚泣けますね。

♪私は作られた 人の役に立つ為に ただその為だけに


自分が存在する意味を完璧に理解し自覚してる人間なんていない。
でもエルコスはロボットであるが故に、それを完璧に理解し自覚した上で、その為だけに一生懸命生きてる。それが『人の役に立つ事』

なんだか切ないです。

あ、そうそう。

私はロボット⇒語りかけよう-Rep-のシーン、つまりエルコスが気化するシーンの演出、変わりましたよね。

以前はエルコスの背後にストーン博士が居て、リフトで上がりながらスモークの中にエルコスが消えていく、と言う演出だった筈なんだけど。

今回は下手側から電動で動く高台にストーン博士が乗って登場し、エルコスも階段でストーン博士の高さまで登って、それからエルコスの台だけ分離して、ストーン博士は下手袖に消え、エルコスは舞台中央で、薄いスモークの中、消えると言うよりは、リフトで台の中に降りる、と言う感じになってました。

それに伴って、語りかけよう-Rep-の並びも、以前の半円からV字に変更になってました。

V字は別にいいんだけど、エルコスが消えるシーンは以前のものの方が好きだったなぁ。

まぁ、カテコのラストのエルコス(右手の人差し指を高く掲げながらゆっくりと舞台奥に消えていくエルコス)は変わってなかったので良かったです。

良かった。感動しました。

今年はこのエルコスが観劇納めですが、来年の観劇初めもエルコスです(笑)

次回は1月6日なので、前回の2011年1月5日から丸5年ですね。



小学校6年生の時に学年全体で日比谷の日生劇場にこの作品を観に行ってから、間もなく四半世紀が経とうとしてます。

今日も小学生の団体が来ていたけど、彼らが四半世紀後に、同じ事を思いながらこの作品をもう一度観てるかも知れないって考えると、ちょっと面白いし、もし本当にそうならそれは凄いことだと思う。

人に対して素直な気持ちで接する事、心からありがとうと言う事、そういった事が難しくなった大人にこそ観て欲しい作品です。

残念な事が一つ。

若手主体で、大ベテランと呼べる世代の俳優が殆ど出ていなかった今公演。

お見送りの握手で【子供の頃に観た作品をもう一度観に来た】と伝えたい世代の役者さんがいなかった事です。

ひょっとしたら自分より年下かも知れない若い世代に伝えても、それは伝わらない事だと思うから。

せめて、丹靖子さん、青山弥生さん、坂本里咲さん世代の役者さんが出ていてくれたら、真っ先に向かったんだけど、それはもう難しいのかも知れませんね。

(丹さんも里咲さんももうお辞めになってるし、青山さんもキャスティングされてはいるものの、スーパーバイザーの方が主だろうし)

また上演してくれて、ありがとう。
上演しつづけてくれて、ありがとう。

【ありがとう】を言いたい時に【ありがとう】を伝えたい相手はもういない。
人生と一緒、なのかも。

唯一伝わりそうな世代の沓沢さんは、小さなお子ちゃま達とハイタッチしてて大人が近付く気配は一向になかったので、諦めて古田さんエルコス、宇龍さんストーン博士と握手をしてきました。

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