
今年上半期は結構な頻度で通っていた映画ですが、気が付けば【舞妓はレディ】以来三か月ぶりの映画館です。
しかも、今回の鑑賞は映画ではありません。
映画【リトル・ダンサー】(原題:Billy Elliot)をミュージカル化した舞台作品、ビリー・エリオットの舞台収録映像を映画館で流すと言う、ニアライブに近い試み。
2014年9月28日公演を収録した作品の様で、ヨーロッパではニアライブ、それ以外の地方ではやや遅れての公開となった様です。
この作品は、東宝系の極々限られた映画館のみでの上演だった様で、TOHO CINEMAS 日劇とTOHO CINEMAS 六本木ヒルズ(共に上映終了)を起点に、日劇からの延長のTOHO CINEMAS有楽座(上映終了)、有楽座からの延長のTOHO CINEMAS みゆき座(23日まで)、と都内のみの非常に小規模な展開の作品の様です。
ただ、観たミュージカル仲間たちの評判が概ね良く、気になって有楽座期間中に観に行った次第。
前売りでは余裕で買えたものの、映画館に到着すると当日券売り場に長蛇の列がありびっくり。
ストーリーは映画版をどうぞ。
観た感想としては…
まず、キャストによる楽屋案内やクリエイティブのインタビューなどがあり、ドキュメント映像か何か(DVDについてる映像特典みたいなもの)の様な立ち上がり。
そして序盤は、正直言ってどういう状態なのか良くわかりませんでした。
映画用に様々なカット割りがされているものの、それ用に作られた作品ではないので、カメラ寄り過ぎ、視点切り替えが頻繁過ぎ、かつ早過ぎ、役者の動きが速すぎて映像を見てると疲れる…などなどの問題点が。
やっと話の流れがつかめてきたのは、バレエのレッスンを受ける頃?
ただ、ストーリーの流れを掴めずとも、コメディとしての演出も良く出来てるので笑えました。
炭鉱夫の地位改善の為にストが起きていた時代。
親の意向でボクシングを習うも、人を殴るという競技を理解できずにいたビリーが、ひょんな事からバレエに触れ、バレエに興味を抱き始める。
それが父親にバレ、ボクシングの為の月謝をバレエなんかに使いやがって!と激怒。
バレエをやる男はゲイだ!と罵る家族、女装の何が悪いと胸を張る変な友人、ビリーの才能に気付き伸ばしてあげたいとするバレエ講師、そして追いつめられるビリーの脳裏に出てきて励ます亡き母。
そんな展開。
圧巻だったのは、1幕ラスト(4分間の休憩があるんです、映画なのに)の、ビリーが狂ったように乱れ踊るバレエシーン。
父親はこの姿を見てビリーの才能を確信したという設定だけど、本当に凄い。
思わず見入ってしまいます。
そして、節々に出てくる母親の存在が泣ける。
母親の手紙を朗読するシーンとか、思わず涙。
展開としては、バカにされながらも突き進んで認められる、みたいな感じで、赤毛のアンと似てるなぁ?なんて偏見も感じつつ、これは観れて良かったなぁ。
舞台の方は一度、劇団四季が制作権を取得しつつも制作を頓挫した、と言う噂を耳にしたので、それは残念ですが、あんな凄いレベルの子役を日本で探すのは困難だろう、と言う納得も。
終演後には歴代ビリーが勢ぞろいして踊る豪華なサプライズも。
↑開演前に舞台挨拶でバラしちゃってたけど、海外ではサプライズって事前に告知するものなの?
いや、観に行けて良かったです。
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