東宝ミュージカル【ファースト・デート】 | たかびの自己満観劇ブログ
定休日の昨日は、東宝ミュージカル【ファースト・デート】を鑑賞してきました、

劇場は、初めて訪れるシアター・クリエ。東京宝塚劇場の真向いです。

当日は台風かと思うような強風を伴う雨で、劇場に行くのも一苦労…。

シアター・クリエはビルの地下2階にある劇場で、東宝系の劇場の中では比較的小さな劇場ですが、それでも劇団四季の劇場と比べると、一番大きな四季劇場・春の二階と三階を取っ払った程度の広さはあります。

当日は作品内容なのか出演者目当てなのか、女性客が本当に多かった!

劇場に入る時も出る時も、10人前後乗れるエレベーターに男は自分一人…。

地下の劇場周りにホワイエがあり、軽食やグッズはそこで買えます。上演中こそ飲食は禁止ですが、飲食物を客席内に持ち込めるのはいいですね。

プログラムを購入。


座席は12列の上手側端から2番目、と位置情報だけだとかなりの劣席に聞こえますが、前列が通路で段差も程よく、また端の席でも圧迫感は感じず舞台をそれほど横から見るわけでもない、と意外に観易い席でした。

舞台は生オケ…と言うより生バンドによる演奏。
ギターやドラムスなどのロックバンドにピアノとサックスを加えた6ピースバンド…だと思います、間近に観たわけではないのでわかりませんが。

オーケストラピットは奈落など客席側ではなく、舞台奥に設置し、その手前にセット(と言っても奥のバンドが見える様な形状のもの)を設置して、バンドの奥に背景となるニューヨークっぽい夜景がある様な感じ。

さて、ファーストデート。

素性も何も知らない相手と、初めましてからいきなり二人きりでデートをするという『ブラインド・デート』を題材に扱ったミュージカル・コメディで、ブロードウェイで上演されたばかりの日本初上陸作品の様です。

作品は休憩なしで僅か100分間と言う短編ながらに、デートに不慣れな真面目で野暮ったい男とワルが好みの遊び慣れた女が初対面でデートをしたらどうなるか、これでもかこれでもか!と言うほど笑わせてくれる内容でした。

ニューヨークのとあるBarを舞台に、あるある!そう言うのあるよね~と言う野暮ったい失敗から、え!いくらなんでもそれやっちゃう!?って様な信じられない大失態まで、更にそれを遠目ながらに見守りつつ、何とか助け船を出そうとするマスターの心が裏目に出たり、各々の仲間たちがそれぞれの脳裏に(当人たちの想像で)登場して、更にハチャメチャに引っ掻き回す…とにかく笑いどころ満載!

登場人物、及びキャストは以下の通り。


アーロン/中川晃教さん…真面目で野暮ったくてデート慣れしてない冴えない男。彼の口から次々に飛び出す“デート的にNGなトーク”に周り(主にウェイター)は冷や冷やさせられたり、ズッコケさせられたり。

ケイシー/新妻聖子さん…派手な身形でいかにも遊び慣れてる感じの尖がった女。アーロンとブラインドデートする事になるも、アーロンのあまりの野暮ったさと不慣れ感に嫌気を感じながらも、徐々にアーロンと向き合おうとする。

ウェイター/今井清隆さん…二人がデートをしてるBarのウェイター。アーロンの身形にダメを出したり、アーロンの口からNGなトークが出る度に、ケイシーの死角から“その話題はダメ!”と合図を送ったり、しまいには自作のミュージカルを即興で演じてしまう、なかなか存在感があるお方。

ゲイブ/藤岡正明さん…アーロンの友達でイケイケタイプ。アーロンのデートを上手く進めようと(アーロンの脳内に)何度も登場してアドバイスを送る。

アリソン/昆夏美さん…アーロンの元カノ。アーロンが次のステップに進もうとするのを(アーロンの脳内で)思いっきり邪魔する悪女。

レジー/古川雄大さん…ケイシーの友達のゲイ。知らない男とデートするケイシーの事を心配して何度となくケイシーの携帯に連絡するも、ケイシーが全て無視した為、暴走的な想像をしてケイシーのもとへ向かう。

ローレン/未来優希さん…ケイシーの姉。ケイシーにも自分の様に幸せな結婚生活を送って欲しいと願ってあれこれ(ケイシーの脳内で)ちょっかいを出す。

以上、出演者は全7名。アンサンブル枠は無く、ゲイブ、アリソン、レジー、ローレン、ウェイターの5人がアンサンブルも兼ねています。


以下、思い切りネタバレします。笑いに使われてるネタとかも書いちゃうので、読みたくない人はスルーして下さい。

まず、新妻さんのイメージがぶっ壊れた!(笑)
ショートのアシンメトリーなヘアスタイル、露出の高い黒系の服、ダークなメイク、尖がった女性像…これまでの新妻さんの柔らかくて女性らしいイメージの真裏を行きましたねー。

一方の中川さん、格好いい俳優さんなのに、もうどうしようもない(笑)
初デートの会話なのに、元カノの話を出す、信仰の話を出す、しまいにはどんな話題をしたらいいのかとケイシーに聞いちゃう(笑)

そしてウェイターの今井さん…もうリアクション大王ですね(笑)
ケイシーの背後からアーロンの話題にバツマークを出す、アーロンの話のオチにトレイを落とす、自分でミュージカルショーを演じちゃう…。
今井さんって渋い二枚目のイメージだったのに、三枚目だったんだ…(笑)

先述の通り、ゲイブ、アリソン、ローレンは(レジーも?)、主にアーロンとケイシーの脳内に登場する、と言う設定。

こう!と決めた事に対し、邪念の如く現れて、そうじゃねーだろ!みたいに出てきて、そこで喧嘩する、みたいな。

笑いのネタとしては、アーロンの的外れな話題そのもの、それに対してシラケる、或いはツッコミを入れるケイシーやウェイター…と言う場面の空気的な面白さと、間にチョコチョコ挟んでくる小ネタ的な面白さとありました。

まさに現代の風潮を皮肉ってる様なシーンとして、アーロンはケイシーと会う前にケイシーの事をググってた事が発覚(笑)

そこでウケたのが、お返しに!と言う事でケイシーがアーロンの事をググった結果、アーロンが高校時代に【ミス・サイゴン】のジジ役を演じてた事が発覚!

ちょwジジ役ってw
ジジってミス・サイゴン=ナンバーワン・コールガールじゃんw
中川さんがあのセクスィーな衣装を着てジジを演じてる姿を想像しちゃったよw

また、アーロンと同姓同名の犯罪者がいたりとか、とにかくこのネット情報社会を皮肉ったシーンが面白かった。

他にも、食事のシーンに於ける、本音で食べたい物とイメージと言う名の建前で食べるべきものってのが面白かった。

ケイシーは肉食で肉料理を、アーロンは草食でサラダを食べたいのに、ついつい建前でお互いが逆のモノを頼んでしまったり…、笑いを誘うとともに、あるある…と頷かせる要素がたくさん散りばめられてました。

そしてウェイターのミュージカルシーン!

ひとしきり歌った後、もう一度…と思ったところを、アーロンとケイシーが同時にそれを拒否ってウェイターがガッカリする…みたいな(笑)

さて、歌唱曲ですがバックのオケがバンドなので、とにかくドラムの音が凄いです。

全員で陽気に歌うナンバーはオケの大きさも手伝って歌詞はほとんど聞こえません。

もちろん、ケイシーやアーロンのソロナンバーも。

ケイシーの【傷つかない】って曲が良かったなー。

あっと言う間の100分、本当に楽しいミュージカルでした!

機会があればもう一度観たかったなー。

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