全くそのつもりは無かったんだけども、急に思い立って未だ焦げ臭いニオイが立ちこめる有楽町駅前を通り抜け、レ・ミゼラブルの鑑賞以来となるTOHO CINEMAS 日劇へ。
時間潰しに日劇館内を歩くと、何ともバブリーなギラギラ。

さて、鑑賞した映画は【永遠の0】です。

なんでも、原作も映画も大変な話題作らしいですが、無知なオレは何も知らずに観たのでした(笑)
映画館に着いて、掲示されている作品のポスターを観て、また太平洋戦争の映画かぁ~…と思ったほど(爆)
↑『風立ちぬ』『少年H』『永遠の0』と、三作連続で太平洋戦争時代を扱った映画を観てるもんで。
ストーリーの方は無知なオレとは違い皆様ご存知でしょうけども…。
以下、wikipediaより(多分、映画ではなく原作版のストーリーだな。映画とはやや違う)
大学生の佐伯健太郎と、出版社に勤める姉の慶子は、亡くなった祖母・松乃の四十九日から暫くした頃、祖父・賢一郎から実の祖父の存在を知らされる。 「お前たちの母・清子を連れて松乃は太平洋戦争後に私と再婚した。お前たちの実の祖父は、松乃の最初の夫で終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵だ」――。
それから6年後、司法浪人が長く続き人生の目標を見失っていた健太郎は、フリーライターとなった慶子から、新聞社で主宰される終戦60周年記念プロジェクトの協力を頼まれる。プロジェクトを進める高山は、神風特攻隊のことをテロリストだと語るが、祖父の話もありその考えに釈然としない慶子は、このプロジェクトに際して特攻隊員だった実の祖父・宮部久蔵のことを調べようとする。姉弟はわずかな情報を元にその足取りを追い始めた。
戦闘機搭乗員としてラバウル航空隊で一緒だったという男は、久蔵について「海軍航空隊一の臆病者」「何よりも命を惜しむ男だった」と姉弟に蔑みの言葉をぶつけた。健太郎は元戦友から初めて聞く祖父の話に困惑し、調査を続ける気を無くしていたが、母から健太郎と同じ26歳で亡くなった父・久蔵がどんな青年だったのか知りたいと改めて頼まれ、更に手がかりとなる海軍従軍者たちを訪ね歩く。だが、生前の久蔵を知る者達の語ることはそれぞれに全く違っており、調べるほどにその人物像は謎に包まれていた。戸惑いつつも二人は、国のために命を捧げるのが当然だったと言われる戦時下の日本と、そこに生きた人々の真実を知っていく。
凄腕のゼロ戦乗りで、卑怯者と誹られても、「娘に会うまでは死なない」と松乃との約束を守り続けていた久蔵は、なぜ特攻に志願したのか? 終戦60年目の夏に、長きにわたって封印されていたその壮絶な生涯と驚愕の事実が明らかになる。
もう公開から一ヶ月近く経ってるけど、一応ネタバレ注意って事で。
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確かに来年で戦後70年だけど、なんでこんなに昨今、太平洋戦争時代を扱った映画が多いのかと小一時間。
この作品は、戦争映画の中でも特攻隊として命を落とした人の、残された家族を思う愛に焦点が当てられており、感動的な作品でした。
一級の零戦操縦技術を持っていたのに極力戦闘を避け、一億玉砕が叫ばれた時代に自分の命を一番に考えた事で、かつての戦友たちから臆病者呼ばわりされていた宮部久蔵。
しかし、物語が進むにつれ、その行動の理由が明らかになって行き、妻と子供の為に絶対に生きて帰ると誓った男が何故、特攻隊に志願したのか、そして出撃直前に起きた運命のいたずらを、ドラマティックに描いた内容。
歴史が好きだった子供の頃から、当然特攻隊、特に神風特別攻撃隊の事は知っていたし、映画の中にも見覚えあるシーン(出撃直前の隊員達が酒を飲み干すシーンなど)が幾つも出てきました。
戦争のシーンは、安っぽいなと感じる部分(被爆シーンが明らかに合成とわかる、など)も、結構な迫力があるシーンもあり、一言でどうとは言えない出来。
ただ、零戦の特徴的なエンジン音は妙にリアルでクリアだな、と思いました。
調べてみたらそれもその筈、エンジン音は実際の零戦の機体(現存する唯一の飛行可能機体だそうな)から直接収録されたんだそうです。
ただの戦争時代の昔話ではなく、登場人物たちの関係が凄く複雑に絡み合っていて、それが物語としての面白みを作り出している気がしました。
例えば、物語の序盤にヤクザっぽい景浦が部屋に飾ってある日本刀を見る健太郎に向かって『その刀は血を吸っているから気をつけろ』と言ったシーンが、作品の一番最後に結局明かされず終いだった、襲われた松乃を助けた人物が誰だったのかを暗に物語ってたり。
宮部と同じ特攻部隊として出撃したのに、宮部の申し出で機体を交換したばかりにエンジントラブルで不時着して突撃せずに済んだ人物が、後に宮部の妻・松乃の再婚相手となり、この物語の真意を語った健太郎たちの祖父・大石賢一郎だったり。
うまく出来てるなぁ~と(笑)
ただ、折角これだけ宮部の家族や部下を思う愛に感動させられる作品なのに、後半に出てくる大石と松乃の抱擁シーンのせいで台無し…と言うのが個人的な感想。
だから、同じ愛でも人間愛の中に恋愛の要素を混ぜちゃったら途端に安っぽい作品になっちゃうんだから駄目だって…。
恋愛要素として意図してるか否かはともかく、抱き締められる女性の顔のアップなんて、恋愛映画に有り勝ち過ぎるカットでしょうが…。それにこの時の大石の台詞…なんかもうがっかり…。
まぁ、それを差し引いても良い作品だと思うし、機会があればもう一度観てみようか、とか原作を読んでみようか、とか思ったからいいんだけどね…。
出演者も豪華ですね。
宮部久蔵役にV6の岡田准一さんだったり、健太郎役に三浦春馬さんだったり、松乃役に井上真央さんだったり、慶子役に吹石一恵さんだったり、清子役に風吹ジュンさんだったり、戦友の中に橋爪功さんがいたり。
松乃、綺麗でした。←
ちなみに、賢一郎役の夏八木勲さんは昨年亡くなったそうで、この作品が遺作なんだとか。
しかし、全く関係ない話なんですけど、今日は定休日で暇してたので、PCに保存されてる動画とかを観てたんですよ。
観た中に『伝説のスポーツ名勝負 10.19 近鉄vsロッテ』と言う野球の特番番組の動画があって、結構好きな動画なので、時々観るんですけど…。
今日気付いた。
この番組のナレーションをしていたのが、夏八木勲さんなんですねぇ。びっくりですねぇ。
そして、その野球の試合の映像に近鉄バファローズの吹石徳一選手が出てきます。勝ち越しホームランを打ってます。
慶子役の吹石一恵さんの親父さんですねぇ~(笑)
何の因果でしょうか?(だから関係ないってば)
あ、あと最初に宮部を『臆病者』呼ばわりする長谷川役で平幹二郎さんが出ていたのもビックリ。
劇団四季の舞台『ヴェニスの商人』『鹿鳴館』で最近間近に観てる俳優さんです(笑)
そんなワケで、今年の映画はじめでした。
近年は年に1~2回しか映画館に足を運んでないけど、今年はもっと行けるかなぁ?