東宝ミュージカル【レ・ミゼラブル】プレビュー公演 | たかびの自己満観劇ブログ
昨日は、帝国劇場で行われている東宝ミュージカル【レ・ミゼラブル】を鑑賞してきました。
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昨年の映画のヒットも記憶に新しいこの作品、鑑賞は2011年4月以来2度目。
前回はオリジナル演出版、今回は新演出(ツアー演出)版という事で、キャストも一新。
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しかし、今回のレ・ミゼラブル、キャスト面に於いて本当に災難続きの様です。

当初発表された主演ジャン・バルジャン役→山口祐一郎/キム・ジュンヒョンのダブルキャスト。

山口氏が体調面の問題で降板し、キム・ジュンヒョン/福井晶一(ジャベール兼任)/吉原光夫(ジャベール兼任)のトリプルキャストに変更。

福井氏、稽古中にアキレス腱負傷で一時降板になり、当面の間はキム・ジュンヒョン/吉原光夫(ジャベール兼任)のダブルキャストに変更。

キム氏、アイーダ韓国公演中に負傷し一時降板、代役立たず吉原光夫バルジャン&川口竜也ジャベール、それぞれシングルで強行。

実質シングルでの長期公演は不可能との判断から、まさかのゴールデンウィーク真っ只中の4日、5日のソワレ(夜公演)を公演中止、今後も公演中止の可能性(今ココ)


いやぁ~…呪われてるとしか思えませんね…( ̄ウ ̄;)

しかし、キム・ジュンヒョン氏に関してはアイーダ韓国公演のラダメスをやりつつ日本の稽古に参加していた、という事になる訳で、更に韓国アイーダ終わりで休みなくすぐに日本のレミゼという、とんでもなく無謀なスケジュールだった様で…起こるべくして起こった…とも言えなくはなく。。。

この流れだと、吉原氏も怪我でバルジャン全滅…なんて前代未聞の出来事も…。

さてそれはさておき、当日はバルジャン=ジュンヒョン、ジャベール=川口さんというキャストだったものが、バルジャン=吉原さん、ジャベール=川口さんに変更されました。

吉原さんも元四季ではあるものの、福井さんやジュンヒョン=金田さんとは違い全く知らない俳優さんだったので、どうなるものかなーとテンション↓↓でしたが、直前になって公演中止にされちゃった人よりはマシかな…と。

キャストボード。
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観た感想として、まず吉原バルジャン、思ってたより全然いい!
でも、どちらかと言えばジャベールが似合う印象かな?

後から知ったけど、吉原さんは旧演出版だった2011年からジャベールをやってるらしい。

前回観に行った時のバルジャンは別所哲也さんだったけど、その裏に吉原さんがいたって事かな??前回のチラシを見てみました、確かにいる。
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↑最近、バブル期の映画【波の数だけ抱きしめて】のDVDを見てて、そう言えばそれに若き日の別所哲也さんが出ていて、キザで女ったらしな役が凄く似合っていたのを思い出し驚愕中…バルジャンは若い頃女たらしだったかも知れない…(笑)

逆にジャベール役の川口さんが、いまいちジャベールじゃないんだよな…ジャベール(ラッセル・クロウのイメージが付いてしまってる…)には少し細いと言うか、貫録不足と言うか…そう言った点で吉原さんはジャベールだなと。

里アンナさん演じるファンティーヌ、名曲【夢破れて】は声量もあったし自分的には悪くなかったと思うけど、前に観た時の知念里奈はどうだったかなぁ。

個人的に前評判最悪だったエポニーヌ役の平野綾さんが意外と良くてビックリ…逆に他のミュージカルなんかでも時々名前を見掛ける山崎育三郎さんのマリウスの歌がイマイチだった印象…見た目は凄くいいんだけどね。

ただ、平野さんもめちゃくちゃ良かったかと言うとそうでもなく、オン・マイ・オウンなんかイマイチだったし。

歌声の印象と言えば、コゼットの青山郁代さんは微妙過ぎた…歌声全体に凄いビブラート掛かってるみたいで、声量も伸びもない。

歌声で凄く印象が良かったのが、アンジョルラスの杉山有大さんとマダム・テナルディエの浦嶋りんこさん、この二人は声量も存在感も凄い。

特にマダムテナルディエは、歌だけではなくキャラそのものに存在感がないと務まらないけども、それも申し分なし。

以前に観た旧演出版の事は良く覚えてないので、演出が変わってどう変わったのかはあまり良く比較が出来ないんだけど、一番変わったな、と思ったのが、マリウスがエポニーヌに連れられてコゼットの家を訪れる時。

以前は家の門や塀が上手側から出てきていて、その塀を境に奥にコゼット、手前にマリウスとエポニーヌ、マリウスが塀を乗り越えてコゼットと逢瀬している間に、愛する人(マリウス)が他の女(コゼット)に夢中になって取り残されている独女(エポニーヌ)を中心に描いていたのだけど、新演出版ではこれが全て真逆。

門と塀は下手側から、塀を境に手前にコゼット、奥にマリウスとエポニーヌ、場面の描写はコゼットとマリウスの逢瀬が中心で、エポニーヌは歌い出すまで塀の向こうにいて見えません。

あと、砦のシーンが以前は茶色い砦と黒い背景で非常に観づらかった印象なんだけど、今回は黒い砦と白い背景(ライティング)になっててとても観易くなったなと。

それから、リトルエポニーヌとリトルコゼットのエピソードがだいぶライトになった様に感じます。映画版の様に完全に端折ってしまっているワケではなく、きちんと幼少時代のエポニーヌとコゼットの上下関係は描いているんだけど、旧演出版のエポニーヌの方が卑劣だった様に感じます。

全体の雰囲気は映画版に近い(…と言うか、映画が新演出版を元に作られた、という方が正解か)と感じました。

前回観た時よりは確実にわかりやすかったけど、それは映画を観たからわかりやすかったのか、作品自体わかりやすくなってたのかは不明。

フィナーレは、25thコンサートのDVD観ちゃったら、あれには叶わないよね(笑)

次回、レミゼは7月4日にジュンヒョンバルジャン、福井ジャベールで観る予定だけど、 その時までには本来あるべき姿に戻ってますように。

この記事に嗚呼無情