
同作品の鑑賞は昨年5月9日より約1年振り、電通四季劇場にも凄く久し振りに入った感じがしました。
キャストボード

以下、前回鑑賞時からの変更キャスト。
ファントム:高井治さん→佐野正幸さん
オペラ座初見だった京都公演以来1年8ヶ月振りの佐野ファントム。
あの時は大阪アイーダ→京都オペラ座単身弾丸遠征でした。
お盆の真っ只中で高速道路が大渋滞する中、夜行バス(定刻5時間遅れ)→ネットカフェ泊→夜行バスと言う、かなり体力的に厳しい遠征だった事に加えて、初見では理解困難なオペラ座の怪人…。
所々ファントムが瞬間移動してしまうという失態を犯してしまったワケですが、今思えばクリスティーヌ役の沼尾みゆきさん、四季所属最後の4公演中の2公演目だった同公演…非常に勿体無い事をしたな…と。
クリスティーヌ:高木美果さん→土居愛実さん
ラ・アルプなどの媒体で異例の大々的な告知を受け、鳴り物入りでクリスティーヌデビューしてから早10ヶ月…未だ酷評しか聞こえてこない土居クリス、ついに観る日が来ました。
ラウル:飯田達郎さん→鈴木涼太さん
丸の内ジャックの大階段の前でマスカレードしてる姿(パネルの事)を観てるので、過去に観た気がしないでもない涼太ラウル、実は初見です。
ムッシュー・レイエ:深見正博さん→林和男さん
ムッシュー・ルフェーブル:川地啓友さん→寺田真実さん
ジョセフ・ブケー:平良交一さん→佐藤圭一さん
席は最前列ドセン。
最前ドセンと言えば、目の前にマエストロの頭があるのはご存知の通り。
この頭とタクトを振る腕が常に目の前でフラフラしてるのが気になって仕方ないと言う点は、演出上見えないシーンがあると言う点と並んで、オペラ座最前のリスクではないかと思います(笑)
しかも今回のマエストロ、振り上げたタクトをタメて振り下ろす時に毎度毎度、フンッ!と言う鼻息が…フンッ!て…。
シャンデリアが浮き上がる瞬間、最前ドセンだと、やっぱり手を伸ばせばシャンデリアに触れるんじゃないかと言う錯覚に見舞われますね。
※ちなみに休憩中、落下したシャンデリアが二幕に備えて再び浮かび上がる時に手を伸ばしてみましたが、当然届きませんでした。
シャリュモー作ハンニバルのリハーサルシーン。
シャリュモーって、実はクラリネットの名前なんだってね。
ハンニバルはヴェルディーのオペラ・アイーダをモチーフにしてるとか。
このシーンで登場する新オーナーのアンドレ氏とフィルマン氏。
『この娘は誰ですか?ルフェーブルさん!』
『この娘メグ・ジリー、マダム・ジリーの娘です。(以下略)』
このシーンのアンドレの行動…メグがバレエを踊ってる中、ぶつかりそうになるのもお構いなしに踏み込んでいく姿…有り得ない。
アンドレは芸術に携わった事がないド素人だな、と言う感じを受けます。
一方のフィルマンは端っこに居て単独では一度も踏み込まない。
↑ウバルトに素人共が!と罵られて反応するのもフィルマン、切符が全部売れてると言うのにもしかしたら公演を中止しなきゃいけないかも知れないなんて…と憤るのもフィルマン…公演後に、払い戻しは一枚もなしだ!と喜ぶのもフィルマン…アンドレは本当に経営に関しても芸術に関してもド素人なんじゃないだろうか。
そう言えば、このシーンでクリスティーヌはスウェーデン人である事は明かされているけど、ウバルトはなに人なんだろう?
“ローマ”と“ローム”の発音違いの所で、フランス人ではない事はわかるけど…。
河村カルロッタ、初見だった前回は二階席だったので間近に観たのは初めてなんだけども、最近サウンド・オブ・ミュージックのツェラー夫人役で元カルロッタの種子島さんを間近に観たばかりだったので、あれま!カルロッタ随分若返っちゃったのねー!と(笑)
クリスティーヌの歌を聴いたフィルマンの『なかなかイケるじゃないか!』と言う台詞に説得力がない(クリスティーヌの歌が弱弱しくて自信なさげ)と、前回の鑑賞記にも書いたんだけど、実は『なかなかイケるじゃないか!』という台詞は誤訳で、本来は『本当にこの娘で大丈夫なのか?』とされるべきなんだとか。納得。
注目の土居クリス。
夢見心地の表情はいいと思う(あれは演技じゃなく素だという声もあるらしいけど…笑)
歌…確かに声量も響きも他のクリスティーヌに比べるとだいぶ劣るかも知れないな…でもそこまで毛嫌いするほどではないかな、と言う気がしました。
全くダメと言うワケではないしね、ハイトーンとか綺麗に出てると思うし…歌声がところどころ固く聞こえるのは声質の影響もあるかも。
何にしても、昨年12月公演のジーザスジャポ版のマリアを演じてた方の歌よりは全然マシだと思います。
ところが問題なのは台詞…固いを通り越して酷い棒読みですね。あれは酷評されて仕方ないと思う。
あなた、ラウルなのね!とか、棒読み過ぎてびっくりした。
やっぱり声質も影響してる部分はあると思うけど、でももう少しどうにかして貰いたい。
佐野ファントム…ビーストでもそうだけど、声の憂いがいいね!
特にファントムの心境を表すのに佐野さんの声は凄く良いと思います。
歌の迫力は高井さんの方が上かもだけど、全体的なファントム像は佐野さんの方が好きかも。
佐野さんのThe Music of the Nightヤバイですね。
ただ、佐野さんと土居さんではどうもバランスが…Wandering Childとか、本当なら最前で聞いてれば鳥肌もののナンバーな筈なんだけど、イマイチ迫力不足。
最後のファントムが消えるシーン、佐野さんマント?を広げるのに少し手間取っていたので、もしや…脳裏に浮かぶはファントム脱出失敗の巻…笑。
デカントム(身体がデカ過ぎて度々脱出に失敗していたという伝説の大山ファントム)の話を聞いてから、観たくないけど観てみたい、でも観たくないファントム脱出失敗シーン…笑
結局脱出は成功したワケだけど、マントの裏で何かカポカポ音が鳴ってるのが気になって仕方なかった(笑)
カテコは、熱心な涼太&佐野ファンがいたのか、盛り上がりました。
ファントム、クリス、ラウルの三人だけ閉じられた幕の隙間から出てきて挨拶するパターンは初めて見たな。
そんなワケで、久し振りのオペラ座でした。
土居クリスに関しては、気になる部分は少なくないけどトータルするとまぁ気にする程ではないかな、と言うのが個人的な感想。
もちろん、出来が良い舞台を観てればそれには劣るな、と感じるのは仕方ないと思うけど、気にするから気になるレベルだと思う。
次回の四季鑑賞は再びオペラ座の怪人。
奇しくも前回鑑賞日と一日違いの5月8日です。
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