↑ネタわかった人挙手。
17日、劇団四季のファミリーミュージカル【ジョン万次郎の夢】を鑑賞してきました。

鎖国時代に日米国交に尽力した実在の人物、中濱萬次郎を題材としたミュージカルです。
ファミリーミュージカルと呼ばれるものを大人になってから観るのは、エルコスの祈り、王様の耳はロバの耳に続き三度目。
決してそんな事はないとはわかっていながらも、はだかの王様や王様の耳はロバの耳など童話を題材にした作品が多く、どうしても子供客が多そうなイメージが抜けないファミリーミュージカル…(^-^;)
今回は平日ソワレと言う事もあり、中学生の団体こそいたものの、大多数が大人…むしろ子供は数える程しかいませんでした。
プログラムも購入。

ファミリーミュージカルはチケット代が安いのはもちろん、プログラムも500円と他の作品のプログラムに比べると随分と安価。
キャストボード。

何気に豪華なキャストについて。
この作品は1人数役を務める役者さんが多いのも特徴。
ジョン万次郎/岸佳宏さん…オペラ座のラウル以来一年二ヶ月振りに拝見しますが、相変わらずのイケメンでござる。
今回は14歳から大人まで幅広い年齢を演じるので、その変わりぶりも注目でした。
ホイットフィールド船長・島津斉彬・ブルック大尉/田島了祐さん……リアル・ガストンこと田島さん。外見はガストンそのもの…ホイットフィールド船長なんか、ガストンが20年経ったらこうなるんだろうな…と言った感じでした。しかし、田島さんって外国人の役が似合うよな…(笑)
伝蔵親方・役人・老中/高林幸兵さん……アイーダのアモナスロ以来の拝見。アモナスロの時は独特の間、大袈裟過ぎる動作、台詞のおかしな切り方などがとにかく不評だった役者さんですが、今回は別にそう言ったおかしな点は全然なかった様に思えます。ただ、歌う時に顔がブルブル震える癖はどうにかならんもんかな…(^-^;)
重助/川口雄二さん…好きな役者さんですが、最近は全国公演中心の出演が続いていたので、久し振りに拝見しました。今後もファミリーミュージカル中心の出演になるのかなァ。
そう言えば、お兄さんの川口竜也さんもレ・ミゼラブルのジャベール役で出演されますね。観に行く回に出るので楽しみにしたいと思います。
寅右衛門・幕臣/奥田直樹さん…名前は見覚えあるんだけど…多分初見の役者さん。
五右衛門/相良昌彰さん…こちらは正真正銘初見の役者さんです。
福澤諭吉/三宅克典さん…役者さんは初見。しかし超有名人がド脇役という設定が面白い(笑)
役人・親藩藩主/牧野公昭さん…大好きな役者さん!相変わらずドスが聞いた声で演じる威厳ある役が似合い、そして突然声色を変えて笑いを取る演技も健在。
アリー/提水流奈津子さん…“さけずる”という苗字が非常に珍しい役者さん。ジーザスのアンサンブル(と言うかバクステの時の案内係)で見掛けたかな?アリー、ポリー、キン、ギンは、ファミリーミュージカルでは良くある役柄なのかな?舞台と客席の中間にいて、両方に話しかける事が出来る役柄。
ポリー/山西里奈さん…アリーの相方。役者さんは初見かな?
キン/谷口あかりさん…AOLのジェニー役以来出演がなく、持ち役だったマンマのソフィーも北海道では岡本瑞恵さんに代わってしまい一度も出演がなかったので、退団したのでは?と言う噂もあった谷口さんが久し振りの登場でした。
ギン/林香純さん…キンの相方ギンは、『青い鳥』の猫のチレット以来の拝見となる林香純さん。そう言えな犬のチローがアンサンブルにいますね(笑)
その他アンサンブルにも、飯村和也さん(シンバ)、出雲綾さん(ロージー)、倉斗絢子さん(タンス夫人)、織笠里佳子さん(ミセスポット、グリザベラ)など、主要役を持つシンガーが混じっているのも注目。
座席は最前センターやや上手寄り。
んだば雑感。
オープニングはキン&ギン、アリー&ポリーの歌による事のあらましのご紹介、ファミリーミュージカルだな~って感じがしました。
アメリカのお人形みたいな格好をしたアリー&ポリーと、かたや尻からげの瓦版売りなキン&ギンと言う、全く違う世界の二組が交わる絵的にも面白いシーンでした。
序盤は、万次郎が高知県出身と言う事で、出てくる人がみんな土佐弁で、~じゃけん。~じゃきに。~ぜよ。など独特な言い回しがあるものの、テンポも良く台詞そのものが歌に聞こえる様なシーンもありました。
坂本龍馬の歴史に興味ある人なら土佐弁って割と身近な言葉だけど、そうでない人にはどう聞こえるのかな?
海に乗り出し嵐に遭って遭難する伝蔵親方ご一行、と言う流れを描く中で出てくる船のセット、そして黒子(白子?)の人力による波と、木の葉の様に煽られる船の動き…どう見ても、大井町でやってる某海物語ミュージカルよりも遥かにリアリティがあり出来が良い。
現実の世界では、21世紀になった現在でも、その子孫同士による交流が絶えていないと言われる、万次郎とホイットフィールド船長の出会いを描くシーン…。
※万次郎の御子孫が観劇した時の記事が公式にアップされてますね。
本当に英語で喋るアメリカ勢(もちろん『はじめての英語』レベルの簡単な英会話ではありますが…)の台詞を、聞こえたままに日本語で解釈する日本人…これがまた殆ど駄洒落に近い(笑)
例えば、『Nice to meet you!』と言う挨拶を、鎖国下に於ける国禁(外国人との交流)を犯した事を内緒にしてくれ!と言う意味で『内密!』と聞き違えてみたり…。
『Nice to meet you!』と握手を求めるアメリカ勢に対し、頭の上で手を合わせ『内密!』と許しを請う日本人、と言う変な図式が出来上がり、客席も笑いが起きるワケです。
しかし、良くこれだけ発音が似ている(そこまで似てない物もあるけど)日本語を見付けてテンポよく割り振ってるな、と感心します。
いちいち引き合いに出して申し訳ないけども、一番最近観ていて且つ似た要素がある作品と言う事で、大井町でやってる某海物語ミュージカルでやってる言葉遊びとはセンスの違いを感じます。
英語、土佐弁と、標準語以外の言葉が割と頻繁に混ざってくるのに、台詞に違和感を感じない。脚本家、演出家の影響は大きいなと思わざるを得ない。
ちなみに話は変わるけども、作中では無人島としか表現されてない万次郎とホイットフィールドの出会いの地は、八丈支庁鳥島…つまり東京都に属する島だったそうで、高知県から伊豆諸島まで流された事になるワケですね。
また、作中に出てくる“アホウドリ”を食いつないで…と言うもの事実で、当時この島に流された多くの人はそうしたそうです。現在じゃアホウドリは天然記念物なので捕獲禁止ですが…(笑)
史実を調べて照らし合わせると、より面白い作品ですね。
さて、本当に英語で喋るアメリカ勢がいつ日本語で台詞を喋り出すか注目していたのですが、これがまた面白い。
万次郎が日本語で『クジラだ!』と言った事に、言葉がわからず無反応のアメリカ人。
しかしそれを万次郎が英語で言い直した途端に、“日本語で”『どこにもいないじゃないか!』と喋り出し、以降はずっと日本語なワケです。
もちろん設定上は英語で喋ってる事になってるんでしょうけども、現実には日本語には応えず英語には日本語で応えると言う、奇妙な展開ですね(笑)
アメリカで登場するホイットフィールド夫人を演じるのは織笠さん。
とても良い夫婦の様で、差別など色々な事から万次郎を守ってくれます。
史実では、万次郎がアメリカに渡った時にはホイットフィールド船長は既に奥様と死別していたとか。
ファミリーミュージカルのプログラムには、基本的に曲目のリストが載ってないので、いい曲は沢山あるんだけど、全く曲目とかわからないのが残念。
一幕のラストで、日本に帰る事を決心した万次郎が、ホイットフィールド船長を始めアメリカ人たちと歌うナンバーとか良かったんだけどなー。
二幕は日本に戻ったシーンから始まる訳ですが、さっきまでアメリカ人だった人が大名になってたりして面白い(笑)
↑田島さんの事ね(終盤にはまた、ホイットフィールド船長とは別のアメリカ人になる)
牧野さんと高林さんが演じる役人がとてもいい味を出してます。
このシーンでも、結局駄洒落的な英語と日本語の聞き違いが出てくるけど、『デモクラシー』→『でも苦しい』は文字通り少々“苦しい”んじゃないかな…(^-^;)
二幕終盤、エンディング直前に感動的なシーンがありました。
アメリカに再度渡る船の上で些細な事から始まった日本人とアメリカ人の対立を万次郎が仲裁に入る事でお互いに過ちを認め友情を確認し合うシーン。
その直後のシーンからエンディングまでの動画がありました。
ファミリーミュージカルではお馴染みの、テーマ曲の合唱がなかったので、おや?と思いましたが、俳優によるお見送りは健在でした。
今回はかなりたくさんの俳優さんと握手したので、正直誰と握手したのか…。
牧野公昭さん、田島了祐さん、織笠里佳子さん、提水流奈津子さん、林香純さん、三宅克典さん、谷口あかりさん、岸佳宏さんは握手しました。

並びは多分こんな感じだったと思う。一応矢印の流れで前を通った人とは全員握手してるので、それだったら誰々とも握手してる!と言う情報があれば是非教えて下さい(笑)
これはもう一度観たい…残念ながら今季の公演ではもうスケジュールが合わずに観に行けないけど、また公演があった時には是非観に行きたいです。
子供の頃から通算してもファミリーミュージカルを観た回数は6回程度と少ないけど、再度観たいと思ったのはエルコスと万次郎だけだな。
エルコスは二度目を観るまでに20年掛かってしまったけど、万次郎は出来れば早々に観たいです(笑)
この記事にナイミ~ツ!