劇団ノートを鑑賞するのは、昨年3月の【絆~俺達は何故、人を助けるのか~】
以来二度目になります。
前回、今回と、『絆』をテーマに、消防士達の活動を描く作品となっていますが、東京消防庁や中野消防署、そして今回は更に気仙沼消防署の協力を得て制作されたそうで、前回鑑賞時にその題材の良さと芝居の迫力の凄まじさに深いインパクトを残し、今回某“格笑集団”の会場で渡されたチラシの中にこのお芝居の告知を見付け、観に行った次第。
劇場は中野ポケットスクエアのテアトルBONBON。
前回公演時に使用したお隣のMOMO劇場より3割程キャパが大きい箱でしたが、空席無し…良く入ってます。
次回公演は更に5割程キャパが大きいお向かいのザ・ポケットで出来る程の成長を期待したい。
今回の題材はタイトルからわかる通り、東日本大震災。
前回公演の【絆~俺達は何故、人を助けるのか~】 の上演終了後間もなく東日本大震災が起きたそうです。
芝居は、冒頭から阪神淡路大震災で柱に押しつぶされた人が息絶えるまでを描くという衝撃の幕明け。
劇場の床が揺れる程の音で響く建物の燃える音、崩れる音が恐怖を煽り立て、早くも冒頭から感情を揺さぶられる作品となっていました。
劇場の床が揺れる程の音で響く建物の燃える音、崩れる音が恐怖を煽り立て、早くも冒頭から感情を揺さぶられる作品となっていました。
舞台を蹴る余裕すらない程(笑)に舞台に近い席で観たのもあり、その迫力はもう半端ない半端ない。
前回同様、消防士達の日々の鍛練、消防署に寄せられる理不尽なクレーム、火災現場に立ち向かう姿、そして消防士の家族が抱える不安などを描く前半。
実際に本物の装備品をその場で短時間で装着して見せたりなど、相当な稽古を積んだんだろうな…というシーン、実際に聞くことは出来ないけど消防署内では毎日こんな無線が飛んでるんだろうな…と思える様な出動要請の無線など緊迫したシーンを見せつつ、コイツとは絶対に会いたくないと思う様な強烈かつ特異過ぎるキャラクターが登場したりなどの笑い所も見せつつ、常に気を張り詰めている消防士が一瞬気を休める事が出来る家族との会話シーンを挟みつつ、これから思いも寄らぬ大災害に見舞われるなんて誰もが考えもしなかった東北の人々の日常生活(方言や訛りが可愛らしかった)を描きつつ。
火災現場への突入シーンで、命綱に使うロープが解けなかったというハプニングはあったものの(実際の現場でそんな事があったら大問題でしょうが…笑)良い緊張感が保たれた芝居だったと思います。
後半の震災シーンでは、実際の緊急地震速報のアラームや、報道番組で散々流された物を元に作られたであろう大津波警報が流れたり、津波で街が流されるのを成す術なく見詰めて泣き崩れる人の姿や行方不明になった身内が無事に見付かったか、そうでなかったかという明暗をくっきり見せ付ける様なシーンがあったり、人によっては観てるのがつらいんじゃないかなって思う様なシーンの連続。
その中で地元消防士と地元消防団と応援部隊との連携がどの様にして行われたのかが描かれていました。
そう言えば、震災のがれきの中で結婚した夫婦や、生まれてきた命など、実際に話題になったものに則ったシーンも。
終盤、それまでの迫力の連続から、突然やけに芝居臭くなったな…と感じはしましたが、相変わらずもの凄い迫力のお芝居でした。
物語の特性上か、声を荒立てて叫ぶシーンが多く、その勢いで行ってしまってるであろう部分もあるんだろうし、役者さん達の喉も心配ではありますが…(^-^;
また次回作、絆をテーマに来るなら是非観に行きたいと思います。