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「日本の食糧安全保障を強化する自助・共助・公助(前半)」三橋貴明 AJER2024.7.2

  

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移民問題に揺れるフランス...7月7日の国民議会選挙で起きた異常事態とは?[三橋TV第887回]三橋貴明・菅沢こゆき


https://youtu.be/4j3Ld3-fVZ8

 まさに、さあ、どうする?


 昨日のエントリーで取り上げたフランス総選挙の結果について、同じ懸念? あるいは着目点に注力した記事がエコノミスト誌に出ていました。


 さあ、どうする?

必死に「政府」を探し求めるフランス、議会選で不確実性の時代に突入
◆政党のライバル関係が妥協を阻み、政治が膠着する恐れがある。
 安堵の後に混乱が訪れた。
 7月7日に行われた議会選挙の決選投票でマリーヌ・ルペン氏率いる極右勢力が有権者に拒絶された時、フランスは崖っぷちから引き返した。
 極右勢力は第3位に後退し、議会はどの勢力も過半数に達しない「ハングパーラメント(宙づり議会)」に戻った。
 だが、おかげでフランスは新たな不確実性に陥った。
 日刊紙ル・パリジャンは困った表情をしたエマニュエル・マクロン大統領の顔写真を1面に載せ、その上に「さあ、どうする?」という見出しを掲げた。
 欧州のほかの国なら話は簡単だ。ライバル政党が膝詰めで議論し、どうすれば連立政権を組めるかを探る。
 ところが、フランスでは政治において妥協することは好まれない。
 フランスは誰なら国を統治できるかを探りつつ、はったり、ポーズ、混乱、そして駆け引きが展開される局面に入った。(後略)』

 さあ、どうする?
 

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 いわゆる民主主義(今回は民主制ではなく民主「主義」)は、試練に直面している。


 民主制とは、ナショナリズム(国民意識)を共有する有権者が議論し、投票し、多数派を確認することで政策を決定する政体です。少なくとも表向きは。


 つまりは、いかなる選挙結果になろうとも、先日のイギリス総選挙のスナク・前首相のように、負けが確定した際には、潔く敗北宣言し、勝者を称え、「ノーサイド」の精神で共に国家を前進させなければならないのです(建前上であっても)。


 思えば、2020年のアメリカ大統領選挙で、トランプ・元大統領はバイデン大統領に敗れましたが、敗北宣言はなされませんでした。
 

 そして、今回、フランスの国民戦線は敗北宣言をしていない。もちろん、与党連合もマクロン大統領も。
 

 結果が、「完全なる勝者がいない」形になってしまい、三党志状況に陥った以上、仕方がないのかも知れませんが、現在のフランスの政治家らは、
「同じ国民なのだから、共に政治を進めよう「」
 といった国民意識が全く感じられない。
 

 ナショナリズムを否定する真正グローバリストのマクロン政権が続いていた以上、当然と言えば当然ですが、現在のフランスは「グローバル化疲れ」に加え、そもそも民主制の基盤となる国民意識を喪失してしまっているように思えてなりません。(無論、日本にとっても他人事ではない)
 

 しかも、国民意識の喪失、ナショナリズムの崩壊は、明らかに移民受入に代表されるグローバリズムによって推進されたのです。


 整理しますと、グローバリズム、特に移民受入と緊縮財政が、グローバル政権(マクロン政権)への反発を呼び起こした。
 

 話がこれで終わればシンプルなのです。「グロバーリズム 対 反グローバリズム」になるだけなので。ところが、移民問題を巡り、反グローバリズムが左右に分裂し、三すくみ状態に陥ってしまった。
 

 さあ、どうする?
 

 果たして、マクロン大統領やメランション氏、ルペン氏、そして彼らが率いるフランス議院たちが、
「同じ国民なのだから、議論し、何とか妥結点を見つけ、新内閣を発足させよう
 と、できるのかどうか。


 何しろ、現在のフランスはから、まさにこの「同じ国民なのだから」が失われているように思えてならないのです。


「国民連合にとって(あるいは新人民戦線にとって)、新人民戦線は(あるいは国民連合は)絶対に分かり合えない不倶戴天の敵なのだ!」
 などとやっていた日には、フランス新政権樹立は遠のくばかりでしょう。
 

 それにしても、人々がトランプ派とバイデン派に分かれ、互いに「国家の敵」呼ばわりして攻撃し合っているアメリカと、実によく似ていますね。


 国民が分裂してしまった国において、健全な民主制は成立しうるのか? これが、現在の民主「主義」が突きつけられた問いなのです。
 

 ちなみに、わたくしは「不可能」という意見でございます。

 

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