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「日本の食糧安全保障を強化する自助・共助・公助(前半)」三橋貴明 AJER2024.7.2

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

「銀行預金は"キーボード"から生み出される…!?」財務省が勘違いしている2つのお金の生み出し方[三橋TV第886回]三橋貴明・菅沢こゆき


https://youtu.be/jyJPWOPBO9M
 

 改めて時が流れるのが(この歳になると)早いと感じてしまうのですが、今月26日にパリ五輪開催となります。東京五輪から、はや三年。


 それにしても、パリ五輪か。このタイミングで・・・。


 昨日、フランスのアタル内閣が総辞職しました。

フランス・アタル内閣が総辞職へ…マクロン大統領率いる与党連合の下院選大敗、後任首相めど立たず
 フランスのガブリエル・アタル首相率いる内閣は、先に行われた国民議会(下院、定数577)選挙でマクロン大統領の中道与党連合が大敗したことを受け、総辞職する方針を固めた。16日にもマクロン大統領が辞表を受理する。
 最大勢力となった左派政党連合を含め、いずれの勢力も過半数には達しておらず、後任の首相はめどが立っていない。(後略)』

 とりあえずはアタル氏が「暫定内閣」を率いて、オランダ同様に正式な内閣発足までのつなぎをするのでしょうが、問題はフランスはオランダよりも「ややこしい」という点です。


 下院選挙の結果、フランスの政界は与党連合、新人民戦線、国民連合に三分割されました。三国志ならぬ、三党志という感じですね。


 マクロン大統領は、議会の「多数派」を踏まえて内政担当の首相を選定しますが、現時点では議会における多数派形成は困難です。


 新人民戦線はマクロン政権の年金改革(要は年金削減)に猛反発しており、失業保険制度改革(要は失業保険削減)にも反対しています。社会保障制度をめぐり、マクロンの与党連合と新人民戦線は水と油です。


 そして、移民政策を巡っては、国民連合と新人民戦線は水と油。互いに絶対に妥協できないでしょう。

 

 さあ、どうする?
 

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 だから、話し合うんですよ。議論をするのです。


 新人民戦線は、与党連合の緊縮路線に絶対に賛同しない? そりゃそうでしょ。


 国民連合が、移民問題で新人民戦線と妥協できるはずがない! でしょうね。


 それでも、三党の議員たちが話し合い、グダグダグダグダと議論を重ね、妥協し、突っぱね、譲歩し、譲らず、会議を踊り続け、新たな政権を発足させるしかないのです。


 同じ「フランス国民」として。


 もちろん、わたくしはフランスの情勢について楽観視しているわけではありません。それでも、民主制とは「同じ国民」が、たとえ互いに意見や主義(イデオロギー)が異なれど、話し合いを重ね、つまらない結論に基づき、何とか前に進める、進めざるを得ないものだと思います。


 何しろ、他に方法がない。
 

 日本でいえば、「同じ国民」として自民党と共産党が連立しても構わないんですよ。同じ、日本国民なんだから。

 

 SNS発展を受け、政治家や政党について「あれは○○だから」と、一部を針小棒大に取り上げ、全否定する傾向が強まっています。いや、お前と完璧に意見が合う政党はないし、政治家もいないから。なぜ、100%「同一」を求める。いや、求めているのは共感か? あれか? 構ってちゃんというやつか?

 

 自分の意を100%汲んで欲しいのか? 甘えるな!世界はお前のお母さんではない! 意見が異なる人々が集い、それでも何とか物事を前に進めるのが、現実の世界だ。

 

 それはともかく、フランスの民意が「三党志」になってしまった以上、それを踏まえた上で、各党の議員たちは政治を前に進める責任があるのですよ。
 

 ここで、全てを投げ出し、
「もういい加減にしろ!〇〇党とは分かりあうどころか、話し合うのも嫌だ!」
 などと短絡的な思考に走ると、昨日のエントリーに繋がることになるのですよ。


 すなわち、暴力を追い求める、と。それは、ダメ。


 特に、フランスで「そちら」に走ってしまうと、色々とマズいでしょ? 本家テロール(恐怖政治)の国なのですから。


 それにしても、トランプ元・大統領銃撃事件といい、今回のフランス三党志といい、現代の民主制は確かに「試練の時代」に突入しています。これを、果たして乗り越えられるのか? というか、いかに乗り越えるのか?


 ちなみに、わたくしは民主制を「政体の一つ」としてしか認識しておりません(だから「民主主義」とは言わんでしょ)。それでも、確かに人類が過去に発明した各政体の中では「マシ」と言わざるを得ない。


 だからこそ、これからアメリカやフランスで起きることをしっかりと受け止め、日本国を「どうするのか?」について考えたいのですよ。もちろん、わたくしの主権は日本全体の一億分の一に過ぎませんが、それでも真剣に考えることこそが、未来への責任を果たすことであると信じているのです。 
 

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