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「日本はなぜ経済成長したのか(前半)」三橋貴明 AJER2024.6.4

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

「少子高齢化と国立大の学費高騰」~なぜ出生率が下がっていき、大学の学費は上がり続けるのか?【[三橋TV第877回]三橋貴明・saya


https://youtu.be/fehn6ZlyRc8

 日本の24年5月の消費者物価指数が公表されました。色々と特徴的というのが感想です。正確な定義とは異なりますが、本エントリーでは物価変動率を「インフレ率」と呼ぶケースもあります。

消費者物価、5月2.5%上昇 エネルギー関連が押し上げ
 総務省が21日発表した5月の消費者物価指数(CPI、2020年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が107.5となり、前年同月比2.5%上昇した。電気代が14.7%と大幅に上昇した。再生可能エネルギー普及のため国が上乗せする賦課金を引き上げた影響が出た。
 前月の2.2%上昇から伸びが拡大した。QUICKが事前にまとめた市場予測の中央値は2.6%の上昇だった。2年9カ月連続で前年同月を上回った。
 エネルギーの上昇率は7.2%と前月の0.1%から急拡大した。電気代が14.7%上昇となり、生鮮食品を除く指数の伸びを0.49ポイント押し上げた。16カ月ぶりにプラスに転じた。(後略)』

 今さらですが「変動の大きい生鮮食品を除く総合指数」は意味がないというか、なぜそこに注目するのか分からないのですが、わたくしは、
1.全体の傾向(エネルギー価格含む)を掴むため総合を見る(※CPI)
2.実質賃金の状況を予測するために、持ち家の帰属家賃を除く総合を見る
3.輸入価格の影響を可能な限り排除するため、食料(酒類除く)及びエネルギーを除く総合(※コアコアCPI)
 で見ることにしております。
 

 というわけで、三つの消費者物価指数の対前年比をグラフ化しました。

【日本の消費者物価指数の推移(対前年比%)】


http://mtdata.jp/data_91.html#CPI24May
 

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特別コンテンツ「三橋貴明×宇山卓栄:日本人はどこから来たのか(前編)」がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 現在(今年4月)、日本の輸入物価指数は円ベースで対前年比で+6.6%、契約通貨ベースで▲4.1%となっています。つまりは、契約通貨ベースではすでに輸入物価は「下落」を始めており、円安の影響でプラス化しているだけなのです。


 為替レートの予測はしませんが、とりあえず↑これが「現状」というわけです。


 輸入物価が落ち着き、国内の需給関係が悪化(需要過少)になっている場合、インフレ率は下がっていくことになります。


 もっとも、人手不足により上昇する人件費が価格に転嫁されているならば、必ずしもそうはならない。


 現実は、どうなのか。


 人手不足による価格転嫁は不十分のようです。さらに、物価上昇に影響を与えていた「契約通貨ベースの輸入物価指数の上昇」の影響は消えつつある。


 もちろん、コアコアCPIとはいえども、輸入物価の間接的な影響を受けます。(例:美容院が電気代の上昇を受けて値上げをした。電力会社は輸入燃料価格上昇で値上げをした)とはいえ、CPIのように全面的に輸入物価上昇の影響を受けるわけではない。


 現在、コアコアCPIは急激に低下していっています。つまりは、輸入物価の影響を(相対的に)排除したインフレ率を引き上げる力は、パワーを失いつつある。(これだけ人手不足であるにも関わらず!)要するに、需給関係が「デフレ化」しつつあるのではないかという懸念です。


 同時に、円安の影響で持ち家の帰属家賃を除く総合は+3.3%。4月の同数値は+2.9%でした。春闘で「賃上げだ~!」とやったところで、結局、実質賃金はマイナスでした。


 ということは、5月はインフレ率が高まり、賃上げ効果は一息ついているはずなので、実質賃金のマイナス幅は拡大する可能性が高い。


 26カ月連続の実質賃金下落は、もはや確定でしょう。


 恐らくというか、確実に、岸田総理がいきなり、
「電気・ガス料金の負担軽減策について8月からの3カ月間行う。ガソリンや灯油など燃油価格の抑制策は年内に限り継続する」
 と、言い出したのは、この消費者物価指数のデータが出たためでしょう。


 とりあえず、今月や来月は電気・ガス料金の負担軽減策がなくなっているため、インフレ率はおよそ1%押し上げられることになります。当然、実質賃金のマイナス幅は拡大する。


 さあ、どうする? 


 この状況で「消費税廃止」「社会保険料減免」を言わない国会議員は、政治家である資格はないよ。与野党限らず、まともな思考能力を持つ国会議員の皆さん。今こそ、声高に「消費税廃止」を叫んで欲しい。
 

「声高に消費税廃止を叫べ!」にご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!

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