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「積極財政派と緊縮財政派の死闘が始まった(前半)」三橋貴明 AJER2024.5.28

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

高度経済成長期と今の日本は似ている⁈ 人手不足は日本復活の大チャンス [三橋TV第868回] 三橋貴明・saya


https://youtu.be/VgUIOUAq74k

 永濱利廣先生が、今回の定額減税について、
「政府は(定額減税の)実感を受けてもらいたいということが大きいと思うんですけども、ただ、日頃から給与明細って、みんなが見ているわけではないと思うんですよ。逆に今回のいわゆる減税の金額が出るってことになると、今まで見てない人が明細を見ると“あっ、日頃こんなに引かれているんだ”ってことで、むしろ負担感を実感して、私は消費には逆効果の可能性があると思います」
 と、仰っていました。確かに。給与明細って、あまり見ませものね。


 さて、ポール・クルーグマンが現在の日本の「円安パニック」について、「何やってんの?」とコメントしていました

円安は日本にプラス、パニックの理由でない-ポール・クルーグマン氏
 ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は2日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、日本経済にとって需要押し上げにつながる円安に日本の通貨当局がパニックとなっているのは理解し難いと語った。
 クルーグマン氏は「日本がなぜ円安をこれほど懸念しているのか当惑させられると言わざるを得ない」と指摘。「円安は多少の時差を伴って日本の物品・サービス需要に実際には前向きとなる」とし、「なぜこれほど多くのパニックを引き起こしているように見受けられるのか不可解だ」と話した。(後略)』

 クルーグマンの言う通り、円安には円安のメリット・デメリットがあり、円高には円高のメリット・デメリットがある。

 

 円安は、
◆ メリット:輸出企業が好調となる。輸入物価上昇により、国内生産のインセンティブが高まる
◆ デメリット:輸入物価上昇により、国民の実質賃金に下落圧力がかかる
 わけでございます。


 となれば、メリットは享受し、国内における投資を増やし、さらに物価上昇による国民生活への悪影響を「財政政策」で緩和すればよろし。


 具体的には、消費税廃止、ガソリン税廃止、最エネ賦課金廃止などになりますね。要は、物価上昇分の負担を政府が負えばいい話です。物価上昇の影響が消え、国民の実質賃金、可処分所得が増えれば、消費拡大により企業は益々「国内」に投資をしていくことになります。


 ちなみに、円高は、
◆ メリット:輸入物価下落による物価安定
◆ デメリット:輸出競争力(要はグローバルな価格競争力)が低下し、企業が生産拠点を外国に移す。輸入物価下落により、国内生産のインセンティブが下がる。
 になります。


 物価安定はもちろん望ましいことなので、放置すればいい。その上で、政府は企業が生産拠点を外国に移さないように、「財政政策」で対処する必要がある。あるいは、輸入ではなく国内生産に財政的な支援をすればいい。


 いずれにせよ、日本にとって、円安はパニックになるような話ではないのです。
 

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 笑えるのが、今回の円安を「日本の国力が下がったから」等、それっぽい割に意味不明(国力って何だ?)なレトリックで説明しようとする連中がいることです。じゃあ、お前ら、円高の時期に「日本の国力が上がったから」と説明していたのか?
 

 どうせ、円高の時は「円高で日本は破綻する~」とか言っていただろ。
 

 今回の円安は、2020年のコロナ禍において、日本政府の財政出動が不十分過ぎたことが原因です。逆に、十分だったアメリカは経済が過熱し、FRBが前代未聞の利上げをした。


 日本は、当然、利上げできない。結果、日米金利差が5%超にまで拡大し、ドル買い、円安になった。


 ただ、それだけでしょ。国力(国力って何だ?)とやらは関係ない。財務省の緊縮財政こそが、今の円安(というかドル高)をもたらしたのです。


 ところが、財務省は自らが引き起こした円安ですら、
「今後は国債利払が膨れ上がっていく。財政収支の黒字化が必要だ」
 と、緊縮財政に利用してくるのです。


 もっとも、財務官僚は別に「日本を亡ぼそう」などと思っているわけではない。財務官僚が「家族のため」に出世するには、緊縮財政のために汗をかかなければならないのです。(そして、最後は小幡績のように醜い男に落ちぶれる)


 この不毛な環境を改善できるのは、政治しかない。政治の力で財務省をコントロールしない限り、我が国に希望の未来はない。
 

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