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「財務省の国家的詐欺(前半)」三橋貴明 AJER2024.4.30

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

かつてのTPP賛成論者もついに転換?ヤバすぎる日本の食糧安全保障の実態[三橋TV第858回]三橋貴明・saya


https://youtu.be/l6oncsHyDzY

 

 日本国において、財務省は「財政研究会」という記者クラブを活用し、「クニノシャッキン」プロパガンダを展開しています。
 

 四半期に一度、記者クラブでペーパーを配り、それを各紙が一斉に記事にする。
 

 しかも、最近は国債に「借入金」や「政府短期証券」を加え、額を膨らませて煽ってきています

NHK「“国の借金” 1297兆円余 8年連続で過去最大を更新 財政厳しく」
毎日新聞「国の借金1297兆円 23年度末 8年連続で過去最大更新」
日本経済新聞「国の借金、1297兆円で最大 3月末、物価高対策で」
読売新聞「2023年度末時点の「国の借金」、1297兆円…1年で26兆円増」
時事通信「国の借金、最大の1297兆円 物価高対策で膨らむ―23年度末」
共同通信「【速報】国の借金、過去最大1297兆円」

 最近のマスコミは、さすがに「クニノシャッキンを人口で割って、国民一人当たり○○○円の借金!」といった露骨な煽りはしてこなくなりました。もっとも、財務省としては、「クニノシャッキン」という言葉が広まりさえすれば、内容はどうでもいいのだと思います。


 特に、日本経済新聞のように、
『(引用)税収で返済する必要のある普通国債の発行残高は1053兆6526億円と26兆5553億円増えた。』
 と、嘘情報(税金で返済する必要がある、等)を勝手に盛り込んでくれれば、最高です。


 この「税金で返済する必要がある普通国債」というレトリックがいつから使われていたのか、さすがに記憶にありません。わたくしが言論活動を始めた頃(2007年頃)には、すでに使われていたと思います。


 遅くても、武村正義大蔵大臣(当時)の国会における財政危機宣言(95年11月)の頃には、使われていたでしょう。
 

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皇統論第六十三回「日本一の大天狗」、歴史時事第六十三回「ワーテルローの戦い」が配信になりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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【日本政府の国債・財投債、国庫短期証券の発行残高(兆円)】


http://mtdata.jp/data_90.html#kokusai

 図の通り、97年12月と比較し、国債発行残高は23年12月までに3.4倍になっています。
 

「クニノシャッキンが3.4倍になった!」
 という話なのですが、何も問題が起きないのはなぜなのでしょうか。しかも、「税金で返済する」など、全くやっておりません。やっているならば、国債発行残高は中期的に減少しなければならない。


「いや、だから、将来世代が税金で返すんだ!」
 と、財政破綻論者は反発するのでしょうが、将来って、いつ? 何年後? 誰も、説明しません。


 国債は、基本的には借換されるため、一方的に増えていきます。日本だけではなく、全世界がそうです。


 それで、良いのです。


 国債発行残高の増加とは、財政赤字が積み上がったという意味になります。その分、国民に黒字が産まれている。何が問題?


 グラフを作成して気が付いたのですが、コロナ禍のピーク、2020年には国債・財投債の残高は増えていません。20年3月から12月にかけ、9兆円ほど減っています。


 それでは、あの安倍政権期の(不十分であったとはいえ)コロナ対策は、いかにして支出されたのか。もちろん国庫短期証券(政府短期証券)です。


 同期間に、国庫短期証券の発行残高は74兆円ほど増えました。そこから国債・財投債発行残高の減少分を差し引いた、65兆円ほどが、日本国民にネット(純)で支出された黒字です。つまりは、政府の財政赤字。


 まあ、国庫短期証券とはいっても、要するに短期の国債なんですけどね。(現在の国庫短期証券の金利は0.1%程度)


 いずれにせよ、政府は債券を発行することで資金調達し、支出し、国民を救うことができる。


 それを「十分に」やっていないからこそ、コロナ期の政府債務残高の増加に↓ここまで激しい差がついてしまっているわけです。

【G7諸国の政府の債務残高(2018年=1)の推移】


http://mtdata.jp/data_89.html#G7

 本来、この手の分析をやるべきは、わたくしではなくメディアなのだと思います。もっとも、メディアの記者たちは財務省からもらったペーパーをコピー&ペーストするだけ(そこに、独自の煽りレトリックを付け加える)。


 財務省の大本営発表が続く限り、我が国に繁栄の未来は訪れない。一般国民はともかく、せめて政治家はメディア経由で送られる財務省のプロパガンダに騙されることなく、冷静に、数字ベースで状況を認識し、議論をして欲しいと心から願っています。

 

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