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「財務省はなぜ、プライマリーバランスの黒字化目標に拘るのか?」(前半)三橋貴明 AJER2024.1.30

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

自民党の派閥解消は「首相独裁化」への道なのか? 民主制の基本を理解しよう [三橋TV第817回] 三橋貴明・saya


https://youtu.be/ymfgBpAvdVk
 

 信じがたいのですが、別に雪が降り続いたわけではないにも関わらず、未だに首都高の多くが通行止めになっています。昨日の時点で、六本木から港南に戻るために、飯倉から芝浦までは通れたので、翌日は大丈夫だと思っていました。本日は、上野で講演なのですが、今のところ行けて京橋までか・・・。


 さて、日本の少子化を引き起こしているのは、結婚適齢期世代の雇用環境の悪化、実質賃金・可処分所得の減少による「結婚の減少」です。


 これは「データ」が明々白々にしてくれているため、誰にも否定することはできません。


 そして、国民の実質賃金低下、雇用環境の悪化をもたらしている一つの原因(他にもある)が、消費税なのです。

【人件費削減による消費税の節税】


 消費税の納付税額は、「課税期間中の課税売上げに係る消費税額(売上税額) − 課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額」です。国税庁のHPにそう書いてある。


 つまりは、「消費税納税額=課税売上÷110*10-課税仕入÷110*10」になります。そして、課税売上-課税仕入が「利益+非課税仕入」。


 これはもはや、「算数の基礎」でございますので、誰にも否定することはできません。


 というわけで、消費税額は「=(利益+非課税仕入)÷110x10」で決まります。


 ということは、
「インボイスではない請求書は、これまで課税仕入だった免税事業者からの請求書が非課税仕入になってしまうため、消費税額が増える」
 と、当時に、
これまで正規雇用していた従業員を解雇し、個人事業主との業務委託契約に切り替えると、人件費が非課税仕入から課税仕入になるため、消費税額が減る
 のでございます。


 というわけで、消費税導入、増税後は、「人件費」を可能な限り「課税仕入にする」、つまりは雇用環境を不安定化すればするほど、企業は消費税額が下がる。そして雇用環境が不安定化すると、少子化が進んだ。


 同時に、消費税を増税すると物価が上がる(企業側に上げる義務はないのですが)傾向がありますが、別に所得が増えるわけではないため、実質賃金が下がる。これまた、少子化促進。


 というわけで、輸出企業に対する「輸出戻し税」について説明しておくと、
「消費税が増税されたとしても、輸出企業が売価を引き上げられない」
 という「建前」の下で成立している制度です。消費税額は、先の通り、
◆消費税納税額=課税売上÷110*10-課税仕入÷110*10
 で計算されます。が、輸出企業は消費税を課税売上に対する「÷110*10」を「÷110*0」で計算することができるのです。


 例えば、課税売上1100円、課税仕入550円と仮定すると、国内取引であれば、
「消費税納税額=1100÷110*10-550÷110*10」
 で、消費税額は50円になるのですが、輸出企業の場合は、
「消費税納税額=1100÷110*0-550÷110*10」
 となるため、「-50円」となり、この50円が「輸出戻し税」として還付されるのです。これが輸出戻し税の真相です。
 

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皇統論第六十回「頼朝の首を墓に供えよ」、歴史時事第六十回「華夷秩序の崩壊」が配信になりました。
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 もっとも、上記は極めておかしな話で、
1.そもそも、消費税増税時に輸出企業が「値上げ」できないとは限らない
2.消費税が増税された際に、輸出企業が下請けに対して「そのままの値上げ」を認めているとは限らない
(例えば、「消費税が増税されたから値上げしたいんだ。いいよ。それはともかく、今年は何パーセント値下げしてくれるの」といった交渉が毎年、行われてきた)
3.輸出企業が「増税分を価格に転嫁できない」という理由で還付があるのならば、なぜ「国内取引で増税分を価格に転嫁できない」企業、事業者は還付されないのか
 と、少なくとも三つの疑問、問題、あるいは不整合があるわけです。


 また、日本では消費税増税と同時に法人税減税が実施されてきました。これは、経産省と財務省の政治パワーゲームによるものです。


 というわけで、日本の大手輸出企業(経団連に所属しているような企業)は、
消費税が増税されても、下請けに値下げを要求し、しかも輸出戻し税があるため、別に損はしない
同時に、法人税が減税されるため、むしろ純利益は増える
 ということになります。


 そして、純利益が増えれば、株主への配当金を増やせる。


 結局、経団連の戸倉会長などが「少子化対策として消費税増税」と意味不明なことを言うのは、株主資本主義の影響なのですよ。


 皆様、上記の「構造」を正しく理解し、消費税増税を主張する財務省、経団連、経済同友会などを批判して下さいませ。


 現実に、消費税は少子化を促進し、かつ増税が大手輸出企業(というか、株主)に有利な「構造」になっているんですよ。


 この構造を、改革しましょう。今こそ「消費税」の構造改革が必要だ。すなわち、消費税を廃止することこそが、最高の少子化対策なのです。
 

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