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「カーボンニュートラルがもたらす日本の危機(後編ー1)」(前半)三橋貴明 AJER2023.12.26

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

震災との戦いは戦争と同じだ! 自己責任論は「甘え」に過ぎない[三橋TV第809回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/xtk9pyV4S8U

 三橋TV第809回で「震災との戦いは戦争と同じだ」として、総力戦の概念について解説しています。今回の能登半島地震では「道」が閉ざされたことで、被害が拡大しています。


 国境を越えた「交易」がある限り(共同体の枠を超えた交易は、縄文時代からあった)、特定の財について「他の共同体」に依存することは避けられないというか、普通です。


 もちろん、財について100%自給できれば、総力戦的な考え方からは最高(というか最強)となりますが、なかなかそうはいかない。


 交易するとなると、「財の道」が常に安全でなければならない。そもそも、安全でなければ、交易は発展しにくい。


 財の道を妨げる壁は多々ありまして、例えば政府の規制だったりします。(そもそも「国境」が規制ですが)
 

 1806年、ナポレオンはイギリスへの対抗策として、ベルリン勅令(いわゆる大陸封鎖令)を発しました。イギリス側はイギリス側で、ヨーロッパの港という港を海上封鎖。


 おかげで、ナポレオンはロジスティックとして海を使えなくなり、当たり前の話として密貿易が大発展。


 加えて、ノヴォロシア(現在のウクライナ)のチェルノーゼム(黒土)で産出される膨大な穀物(小麦等)を黒海ルートで欧州に供給することで国が成り立っていたロシアが反発。大陸封鎖から脱退し、ナポレオンのロシア遠征に繋がります。


 あるいは、天候など自然環境の変化により、財の道が細るケースもある。現在、旱魃でパナマ運河が通航制限を余儀なくされています。


 そして、戦争。人と人との争いにより、財の道が閉ざされる。

コンテナ船の運賃が急上昇、輸送能力逼迫-紅海での混乱悪化で
 アジアから欧州に向かうコンテナ船の運賃が7週連続で上昇した。紅海で攻撃を受けるリスクを回避し、遠回りしてアフリカ南部を通過するルートを選ぶ船舶が増える中、輸送能力が逼迫(ひっぱく)している状況を反映している。
 18日に発表されたドルーリー・ワールド・コンテナ指数によると、上海からイタリアのジェノバまでの40フィート(12.192メートル)型コンテナ輸送料は1000ドル余り上昇して6282ドル(約93万円)。7週連続での上昇は、新型コロナウイルス禍にあった2021年以来最長。
 上海からロッテルダムまでの直近のコンテナ輸送料は12%上昇し4951ドルと、22年9月以来の高水準となった。
 船舶のルート変更は、アジアから米国への輸送にも影響を及ぼしている。上海からロサンゼルスまでの輸送料は前週比38%上昇し3860ドルとなった。』 
 

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 すでにパナマ運河の通行料は値上げされていますが、スエズ運河に至っては「通れない」状況となり、コンテナ船は喜望峰周りでアジアとヨーロッパを行き来せざるを得ない。


 燃料消費は増え、航海日数が長くなり、当然、価格は上昇する。


 消費者物価も、もちろん上がる。


 今にして思えば、コロナ禍前までの世界は、全体的には世界的なロジスティックはそれなりに維持されていた。


 ウクライナのチェルノーゼムでは膨大な穀物が生産され、黒海から地中海、そして世界へと送られた。アジアの工業製品も、パナマ運河やスエズ運河を通り、市場へと遅滞なく(しかも相対的に安価に)届けられていた。


 コロナ、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争により、その前提が一気に崩れたわけですね。


 現在、イランとパキスタンが互いに越境攻撃を行っており、緊張が高まっています。


 さらには、ヒズボラとイスラエル軍との戦闘も始まってしまった。


 今後も、一つ、また一つと、財の道が閉ざされていく(あるいは通行が難しくなる)可能性は濃厚だと思います。特に、ホルムズ海峡が通行不能となると、とんでもないことになる。何しろ、日本の中東依存度は世界一と言っても過言ではない高さです。


 財の道が閉ざされたとき、どうするのか? 当然、日本政府は事前に様々なシミュレーションを行い、備えておかなければならないわけですが、やっているのか?


 令和六年度の食料安定供給関係費やエネルギー対策費が、予算案時点で「対前年比マイナス」(しかも、物価上昇を考えると実質では大幅なマイナス)になっているのを見ると、ため息しか出てこないんですよ。


 日本国の「財の道」を守るのは、日本政府の仕事だぞ!
 

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