株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。

「何故、現在の実質賃金のグラフが岸田内閣を苦しめているのか?」(前半)三橋貴明 AJER2023.11.28
  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

2024年は決定的な年になる! 日本は正しいデフレ脱却を実現できるのか!? [三橋TV第793回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/Z0UMN97-W0E

 現在、第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)が開催されていおりますが(本日が最終日)、今後の「エネルギー」について色々と見えてきました。


 とりあえずは、日本を含む22カ国が、2050年までに原子力エネルギーを三倍増にする「多国間宣言」を発表しました。というか、原子力なしに、どうやってカーボンニュートラルやらネットゼロやらを達成するのか、わたくしには見当もつきません。


 宣言では、
(1)21世紀半ばまでに世界全体で温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロを達成し、産業革命前と比較して気温上昇を1.5度に抑えつつ、持続可能な開発目標の目標7を達成する上で、原子力が重要な役割を担う
(2)原子力はクリーンなベースロード電源で、既に電源として第2位を占め、エネルギー安全保障上の利点がある
(3)OECD原子力機関、世界原子力協会や気候変動に関する政府間パネルの分析で、世界のネットゼロ排出達成には世界の原子力発電容量を2050年までに3倍にする必要がある
(4)新しい原子力発電は専有面積が小さく、必要な場所に設置でき、再生可能エネルギーとうまく連携し、排出削減が困難な産業部門を含めて脱炭素化するための柔軟性を備えている
 とのことなのですが、原子力は確かに超安定電源ですが、太陽光や風力の時間の偏在性をカバーするほど臨機応変に発電力を変えることはできません(※現在は)。
 

 現時点では、太陽光や風力の発電を活かしたいならば、発電量の変動に強い火力発電が不可欠です。つまりは、化石燃料を燃やすのです。

化石燃料「削減」を明記、「廃止」は触れず COP28議長国案
 第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)の開催国で議長国を務めるアラブ首長国連邦(UAE)は11日、化石燃料の削減を明記した合意文書案を公表した。原案で示した化石燃料の「段階的廃止」には触れておらず、各国の調整が続いている。
 公表した合意文書案には「化石燃料の消費と生産をともに公正で秩序ある方法で削減し、2050年前後に科学に沿った形でネットゼロ(温暖化ガスの排出実質ゼロ)を達成する」と盛り込んだ。
 当初案にあった「化石燃料の段階的廃止」からは表現は後退した。ただ、化石燃料への言及をそもそも避ける可能性もあったことから、化石燃料の使用を減らす方向性を示すことができた点で前進したと言える。(後略)』

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

中国共産党のプロパガンダ「南京事件(南京大虐殺)」とは、何だったのか? 「南京安全区」の実態を把握することが南京事件の完全な解明につながります。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

(※本動画は一般動画サイトの削除対象になってしまうため、本「経世史論」でしか視聴できません)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 前回のCOP27では、石炭火力の段階的な削減が打ち出されましたが、「化石燃料の削減」は盛り込まれませんでした。

 現在、「化石燃料の段階的な廃止」か「化石燃料の削減」かで、化石燃料産出国と欧米諸国との間で、最後の議論が行われている頃でしょう。

 段階的な廃止か、削減か、表現は異なりますが、いずれにせよ今後の日本で新規の火力発電投資が困難(というか不安)になっていくことは確実です。

 岸田総理は、今後の日本で「排出削減対策の講じられていない石炭火力発電所」の建設を認めない考えを示しましたが、それは当たり前。問題は、排出削減対策を講じた火力発電所の建設が、本当に進むのかどうか、です。

 FIT拡大、電力自由化、発送電分離により、経産省は2020年から30年までに、4333万キロワット分の火力発電所が閉鎖されると予想しています。

 (遠い)将来はともかく、現時点で火力発電なしでは日本の電力サービスは成り立ちません。皮肉な話ですが、日本は「競争原理」を導入した結果、政府が何もしなくとも「化石燃料削減」が進んでいる。結果、電力サービスの不安定化はさらに進むことになります。

 何しろ、将来の「化石燃料廃止」が議論されている有様なのです。火力発電所に投資できますか? 火力発電は巨額の投資を長期に償却するビジネスモデルなのですよ。27年後に「禁止」される可能性がある分野に、数千億円投じることはできないでしょう(しかも、火力発電の建設には時間がかかるため、27年間収益を上げられる、というわけでもない)

 このままでは、
「ネットゼロ達成! 電力安定供給崩壊!」
 という未来が待ち受けていることになります。このまま政府が手をこまねいていれば、確実にそうなる。いや、むしろ、
「ネットゼロ?何それ? 電力安定供給崩壊!」
 かも知れない。

 ネットゼロやカーボンニュートラルといった「電力の安定供給」と不整合な目標を本気で達成したいならば、政府はエネルギー分野におけるパワーを高めなければなりません。そして、自ら技術開発におカネを投じるのです。

 つまりは、「ネットゼロと電力安定供給の両立」を追求したいならば、これまでの「緊縮財政」「自由化」「民営化」「規制緩和」路線を見直さなければならないのですよ。

 とりあえず、政治家、特に岸田総理大臣は原発再稼働のために政治力を発揮しなければならない。何しろ、他に方法はないのです(ある!と主張したい方、コメント欄に書き込んでね)
 

「日本は原発を再稼働せよ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。
㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。