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「何故、現在の実質賃金のグラフが岸田内閣を苦しめているのか?」(前半)三橋貴明 AJER2023.11.28
  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

迫る政局の乱 日銀が利上げしてはならない理由を解説しておこう(これに反論できる?) [三橋TV第789回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/fH1i7BVSIPM
 

 最近の日本において、火力発電の廃止が相次いでいますが、その理由は?と言えば、もちろんFIT及び電力自由化の「せい」です。


 電力システム改革により、小売り自由化、発送電分離が行われ、発電された電気は「卸電力取引所(JEPX)」で売買される商品となりました。


 つまりは、発電した電気について「価格競争」が起きることになったわけです。


 結果、火力発電で発電された電気が、原価割れで販売される事態を招くことになります。理由は簡単で、FITの太陽光発電の発電量が増え、LNG・石炭・石油を燃やす発電はコスト競争力に劣り、燃料費及び減価償却費を下回る価格でしか買い取ってもらえなくなったためです。


 となれば、当然ながら稼働率が低い、もしくはコスト効率が低い石油火力などの火力発電は、廃止されていきます。「自由競争」がもたらした必然的な結果ですよ。


 経産省は、2030年度までに、4333万キロワット分の火力発電が廃止されるとしています。原発40基が廃炉されるクラスのインパクトでございますな。


 同時に、日本政府はパリ協定(2015年)に従い、2030年度において、温室効果ガス46%削減(2013年度比)、2050年にカーボンニュートラルを達成することを「国際公約」してしまっているのです(これは確かに国際公約)。


 となれば、新たな火力発電に対する投資はしにくい。電力、特に発電は、長期投資・長期回収のビジネスになるため、「先の需要が見えない」場合は、特に投資ができなくなります。


 しかも、未だに審査が終わった原発すら再稼働しない。


 いや、マジでどうするんだよ?


 FIT? 太陽光も風力も、時間の偏在性(発電できる時とできない時)があるため、ベースロード電源にはなりえない。


 ついでに、原発はベースロード電源ですが、発電量の変動に弱いため、結局、太陽光や風力の「発電できない時がある」をカバーする電源は、火力発電しかありえない。


 とはいえ、火力発電の強化はパリ協定とベクトルが真逆になる。さらには、それ以前の問題として、稼働率が低い火力発電が次々に廃止されていっている。
 

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中国共産党のプロパガンダ「南京事件(南京大虐殺)」とは、何だったのか? 「南京安全区」の実態を把握することが南京事件の完全な解明につながります。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

(※本動画は一般動画サイトの削除対象になってしまうため、本「経世史論」でしか視聴できません)
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石炭火力発電所の新規建設終了、温室効果ガス削減で-岸田首相
 岸田文雄首相は1日、脱炭素に向けて国内で「排出削減対策の講じられていない」新規の石炭火力発電所の建設を終了する方針を示した。アラブ首長国連邦のドバイで開催されている国連の気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)で表明した。
 温室効果ガス削減目標の進捗(しんちょく)を検証する位置づけでもある同会議で、岸田首相は石炭火力発電の削減について「各国の事情に応じたそれぞれのネット・ゼロへの道筋の中で取り組まれるべき」だと主張。日本は自身の道筋に沿って、エネルギーの安定供給を確保しながら対応を進めるとした。
 日本では2011年の福島第一原子力発電所事故を受けて各地の原発が停止し、世界で火力発電廃止の動きが進む中で、逆に依存を強めた。岸田首相はこのうち、二酸化炭素(CО2)排出量の多い石炭火力は条件付きで増やさない方針を明確にすることで、国際社会に理解を求める狙いがある。
 岸田首相は演説で、日本は30年度までの46%減に向け挑戦を続けていると述べ、温暖化への取り組みを着実に進めているとも説明した。(後略)』

 見出しが良くない。石炭火力発電所の新規建設終了ではなく、「排出削減対策の講じられていない新規石炭火力発電所」の建設終了でしょう。いまどき、排出削減対策を講じていない石炭火力を新設する事業者はいない。

 それはともかく、「排出削減対策」が講じられた石炭火力発電所ですら、最終的な「2050年 カーボンニュートラル」に対しては逆行してしまう。

 それ以前に、カーボンニュートラルのために火力発電所を停止していって、どうやって日本に必要な電力を確保するんだ?

 原子力発電所の再稼働や稼働期間の延長は当然として、再エネの「時間の偏在性」をどうやってカバーするつもりなんだよ? ベースロード電源を賄えるような蓄電池でも開発するつもりか? ならば、政府が率先して投資しろよ!

 と、思っていたら、このツイート・・・・。

岸田文雄@kishida230
脱炭素は経済成長のチャンスです。』

 ふざけてんのか? エネルギー投資は滅茶苦茶にリスクが高い。政府自ら率先して投資し、需要を創出しない限り、民間が投資するわけないだろ!(というか、投資しようとする企業がいたら、わたくしは止めます)

 結局、緊縮財政路線を転換できない日本政府にとって、カーボンニュートラルすら、
「政府はカネ出しませ~ん。民間、頑張ってね~」
 なわけでございます。

 このままでは、化石燃料高騰とパリ協定(及び完全に失敗した電力システム改革)により、日本のエネルギー安全保障は完全に崩壊する。何とかしなければならない。

 とりあえず、最低限の措置として、原発を再稼働する必要がある。これに反対する人、「日本のエネルギー安全保障」「パリ協定」を踏まえて、合理的に反論してみなさい。

 

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