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「お笑い大阪万博とんでもないことになってるぞー」(前半)三橋貴明 AJER2023.9.12
 

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

諸悪の根源「財務省」 30年間無策なのではない。「有害!」なんだ![三橋TV第765回] 泉房穂・三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/J96DWM_IX6c

 泉房穂・前明石市長に三橋TVにご出演を頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
 今回は、第764回で話題になっていた、「タコマネー」という明石市の独自通貨構想について考えてみたいと思います。


 地方で講演をした際に、時々、地元議員の方から、
「地元でのみ使えるポイントを自治体が発行したら、それは貨幣になりませんか?」
「地方振興券は貨幣になりますよね?」
 といった質問を受けるのですが、貨幣の条件は、
1.単位があること
2.発行者の債務、所有者の債権になること
3.譲渡性があること
 になります。


 ちなみに、銀行の銀行預金発行は、バランシート上で、
◆ 銀行側 借方で貸付金が、貸方で銀行預金が同額増える
◆ 借り手側 借方で銀行預金が、貸方で借入金が同額増える
 と、銀行、借り手の借方、貸方で「同じ金額」が増えるため、実は誰も純資産が(純負債も)増えていなかったりします。


 それに対し、政府の国債発行は、バランスシート上で、一旦は、
◆ 政府側 借方で日銀当座預金が、貸方で国債が同額増える
 のですが、日銀当座預金は国民に支出されてしまう(厳密には、市中銀行が国民の預金残高を増やし、政府の日銀当座預金で決済される)ため、最終的には、
◆ 政府側 貸方で国債が増える
◆ 国民側 借方で銀行預金が増える
 と、政府の純負債、国民の純資産が増えることになります。


 地方自治体が「自らの純負債を増やす」形で住民の純資産を増やせば、それは確かに貨幣発行です。
 

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 というわけで、第764回で泉・前市長が説明された、
「公務員のボーナス増額分を、明石市が発行したタコマネーで支払う」
 は、これは確かに「貨幣発行」となります。(明石市役所は銀行ではないため、タコマネーは「紙幣」にならざるを得ないと思いますが)何しろ、明石市は純負債が、公務員は純資産が増える。


 問題は、タコマネーが流通するかどうか(譲渡性)ですが、これは、泉・前市長と藤井聡先生の対談本「「豊かな日本」は、こう作れ!」で、藤井先生が解説されていた通り、
「タコマネーで税金(地方税)の支払いを認めればいい」
 で解決です。税金という、我々が政府に対して負う債務を解消できるならば、明石市民にはタコマネーを「集める」動機ができるわけです。モズラー氏の名刺と同じですね。


 バランスシート上、タコマネーは明石市役所にとっては債務となり、借方に負債計上されますが、
「だから、何?」
 という話なのです。明石市民が、
「タコマネーという市役所の借用証書を持ってきました。明石市長、カネを返して下さい」
 と、言ってきたら、
「はい」
 と、新しいタコマネーを渡せばいい。まさに、王様の貨幣、です。


 泉・前市長がタコマネーの発行を試みたのは、十年ほど前だそうです。恐ろしいほどの慧眼ですが、やはり時期が早すぎったのかも知れませんね。


 とはいえ、「今」なら導入できる可能性がある。
 

 いずれにせよ、泉・前市長のタコマネー構想は、「貨幣」について考える際に、色々な示唆に富んでおりますので、本日は少し深く考察してみました。いかがでした?

 

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