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「財務省は温めていた増税メニューを全てこなそうとしている」(前半)三橋貴明 AJER2023.8.1
 

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

◆◆◆一般参加可能な講演会のお知らせ◆◆◆

第100回AT-1 / 大経連お披露目祭り 9月23日(土) 13:30(開場12:45) ※懇親会18:30〜20:30

会場:東京プリンスホテル / 2階 鳳凰の間

 

少子化のワニの口 国民負担率が上がれば上がるほど婚姻数と出生数が下がる [三橋TV第744回] 荒川和久・三橋貴明・saya


https://youtu.be/v0sOvtyiDJY

 

 三橋TVにもご出演して頂いたことがあるムギタローさんが、東洋経済ONLINEに面白い寄稿をされています。東洋経済ONLINEにこの種の寄稿が載るとは、時代が変わったものです。

「税は財源じゃない?」100人の島に例えて解説 債務が増えても、国に力があれば危機ではない
ムギタロー : 経済評論家
◆肩たたき券もお金の一種?
 本題にはいる前に重要な「債券」と「債権」を肩たたき券に例えて説明します。
「肩たたき券もお金の一種だよ」
 そう言われたら、違和感を感じる人もいるかもしれません。
 でもこんな風に考えてみてください。
 太郎くんが作った肩たたき券を、太郎くんママが持っています。
 太郎くんママが、肩こりのひどい太郎くんパパに、「この肩たたき券と、ケーキ1個交換してくれない?」と言ったとして、太郎くんパパが「最近、肩こりひどいし、太郎くんは信用できるから肩たたきちゃんとやってくれそうだな」と思えば、交換してくれるかもしれません。
 このとき、肩たたき券はお金のように機能しています。
 お金には大きく、信用貨幣と商品貨幣とに分けられますが、肩たたき券は「信用貨幣」の一種です。
 商品貨幣とは米、塩、金属のような、「人が直接消費してなんらかの価値を感じられるもの」かつ「持ち運び可能」で、「保存がきくもの」です。
 一方、信用貨幣とは、「お金の機能を果たすことができる“債券”のこと」です。
 どういうことでしょうか。(後略)』

 日本の財政破綻論者たちは、危機を煽りたいのか、あるいは真剣に憂慮しているのか分かりませんが、
「日本円が紙くずになる」
 といったフレーズを使いがちです。


 あるいは、「ビットコインが日常的に使われ始める」「デジタル人民元が日本を席巻する」等々、貨幣に関しては様々な面白説があります。


 現実には、日本国内で日本円以外が流通するなどありえません。理由は、日本政府が日本円以外での納税を認めないためです。何しろ、日本円で納税しないと逮捕されるわけですから、その強制力は半端ありません。

 

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縄文文明の象徴である「土偶」とは何だったのでしょうか? 竹倉史人先生をお招きし、ワクワクするという表現がぴたりとはまる「土偶論」についてお話を伺いました。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/
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 ムギタローさんの記事では、いわゆる「租税貨幣論」について、分かりやすく説明されています。


 政府は「孫悟空」。孫悟空にぶっ飛ばされたくない島の住民は、孫悟空が発行する「エン」を使わざるを得ない。


 もちろん、当初は誰もエンなど持っていないため、まずは孫悟空がエンで人々が生産する財やサービスを買う必要があります。


 さらには、エンの供給(厳密にはエン供給による需要拡大)によりインフレーションになり、エンの購買力が落ちたならば、孫悟空は、
「今までは一年に1エンの税金だったが、今年からは100エンな」
 と、やるだけ。何も困らない。


 さらに、面白いと思ったのは、孫悟空がいきなり「1億エンを全員に給付な~っ!」とやったところで、島の住民の生活水準が上がるわけではないという点です。何しろ、島の生産力は変わっていないので、住民の効用が高まるわけではありません。


 結局のところ、豊かになる、とは「より多くの財やサービスを獲得できる」ことであり、そのためには、生産性向上が必要です。そして、生産性向上の投資は「投資すれば儲かる」状況でなければ起き得ない。


 孫悟空が、島の住民の投資意欲が高まるように貨幣の発行と支出を繰り返し、生産性が高まり、住民の効用が高まっていった場合、「ぶっ飛ばすぞ~っ!」と繰り返していたとしても、彼は名君、と呼ばれることでしょう。


 孫悟空の島のエピソードを踏まえ、ムギタローさんは「貨幣の現実」について、以下の通りまとめていらっしゃいました。

<債券(日本円)>自由(逮捕しない)をもらえる券。税として払って、「自由」を受け取ると消滅。
<債権者>券を持っている人
<債務>日本円を税として払った人に、自由(逮捕しない)を与える義務。
<債務者>国

 つまりは、国家が抱える債務とは「クニノシャッキン」とやらではなく、「税金を払った者を逮捕しない義務」というわけですね。


 我々は、
「税金を支払ったんだから、逮捕しないという義務を果たせ」
 と、政府に詰め寄ることができるわけです。


 ムギタローさんも書かれていますが、租税貨幣論が成立しなくなるのは、国家が機能を果たせなくなったときです。となると、
「日本円が紙くずになる」

 と主張する人たちは、日本国が国家としての機能を果たせなくなる、徴税もできなくなるレベルの亡国を期待しているのかなあ、と、思ってしまいます。


 まあ、実際には何も考えていないんでしょうけれどね。
 

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